トップへ戻る 読んだ本の分類		作家番号：R025 ピーター・ローランド Rowland, Peter 国籍：オーストラリア 生没年：1938〜 　ブリストル大学の歴史学を優等な成績で卒業。ロイド・ジョージ（首相）の伝記やディケンズの自叙伝の編纂などを行う。

管理番号	書名		翻訳者	備考
R025-001	エドウィン・ドルードの失踪		押田 由紀	シャーロック・ホームズのパスティーシュ

管理番号：R025-001	42 シャーロック・ホームズ・ノベル
書名：エドウィン・ドルードの失踪			発行　1991年
原題：The Disappearance of Edwin Drood	創元推理文庫　Mト-12 289-01
翻訳：押田 由紀	価格：\400	ページ数：206P	装丁：文庫
初版発行：93/12/17	購入：94/12/3	メモ：　ホームズ・パスティーシュ

この本を一見しますとちょっと驚きます。 　薄いのです。久しぶりに見て、なおこの薄さに驚きました。 　じゃあ、内容は軽いのか？ 　解説にもありますが、この本には元ネタ（？）があります。チャールズ・ディケンズ（『クリスマス・キャロル』の作家ですね）の残した未完のミステリ、「エドウィン・ドルードの謎」の続編の形になっています。ディケンズは、彼の唯一の本格ミステリとして書き始めたのですが、半分ぐらいまで書いたところで1870年6月9日に亡くなってしまったのです。しかも、作品の半ば、主人公エドウィン・ドルードが失踪するという大事件の直後です。 　犯行が行われたのか、犯人は誰か、その手口は。すべてが謎のままでした。 　この設定の中で、約25年後、シャーロック・ホームズの元にこの事件が持ち込まれた、と言うのがこの本です。 　内容的に、ディケンズを意識して、ユーモアをちりばめた楽しい、しかし時々どきっとする洒脱なミステリに仕上がっていると思います。後半のどんでん返しもなかなかよろしい。 　ホームズの手腕がさえますが、最後はいささか悲劇的です。 　たしかに薄いので一気に読めますが、決して内容は軽くありません。