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読んだ本の分類
作家番号:B040 W・ハワード・ベイカー Baker, W. Howard
国籍:イギリス 生没年:1925-1991
 
 
 
管理番号 書名 備考
B040-001 狙われた秘密輸送船団 ソ連向け輸送船団でのスパイ事件

管理番号:B040-001 21 戦争・戦記小説 出版社:三崎書房
書名:狙われた秘密輸送船団   発行 1956年
原題:Strike North 【航】アドベンチャーズ5  MISAKI BOOKS 14
翻訳:高永 洋子 価格:¥680 ページ数:232P 装丁:新書
イラスト:板東道美
初版発行:84/8/25 購入:86/2/13  
 マクリーンの「女王陛下のユリシーズ号」、ダドリ・ポープの「バレンツ海 海戦」など、第二次大戦の英国のソビエト援助船団を舞台にした傑作は、フィクション、ノンフィクション含めてたくさんあり、傑作がそろっています。その中にあえて切り込むため、ベイカーは面白いアイディアを盛り込みました。

 なぜか輸送船団が待ち伏せされ、次々と大被害を受けた。その原因は何か。
 ソ連向け輸送船団に、ドイツのスパイがいて、船団の位置を通報しているのではないか?

 イギリス海軍は、このゆゆしき事態に対し、囮作戦を開始します。
 船団に秘密諜報員を配置し、スパイの存在と、通報方法を探らせること。可能ならば船団を守ること。

 ソ連向けの船団は、大自然の猛威と、ドイツ海軍の攻撃に寝る間もなく緊張しきっています。その中で、さらに緊張を高めるこの事態。
 海の男たちは疑心暗鬼になり、絶望的になります。
 クライマックスの場面、諜報員クインティン軍医少佐は、士官たちを集め、一人一人を糾弾します。さあ、犯人は誰か。

 結論から言ってしまうと、設定は面白いのですが、いささか無理があるのではないかな。自然の驚異、ドイツ軍の脅威、これだけで傑作が語れるような舞台の中で、屋上屋を架すだけのことではないか。
 犯行の手口も、いまいち納得できないところ。

 語り口は、なかなか面白いんですけれどね。 (05/2/19)