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| 管理番号 | 書 名 | 翻訳者 | メ モ | |
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| C073-001 | 警視の休暇 | 西田佳子 | キンケイド警視とジェマ・ジェイムズ巡査部長の初事件 | |
| C073-002 | 警視の隣人 | 西田佳子 | キンケイド警視の知人が死んだ原因は | |
| C073-003 | 警視の秘密 | 西田佳子 | 錯綜した一家の秘密と、キンケイドとジェマのあれこれ | |
| C073-004 | 警視の愛人 | 西田佳子 | 殺された警視長と、二人の距離はどうなったのか | |
| C073-005 | 警視の死角 | 西田佳子 | キンケイドの前妻死亡事件と、残されたあれこれ | |
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Ver. 3.04 |
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| 管理番号：C073-001 | 40 ミステリ一般 | 出版社：講談社 | |||||||
| 書名：警視の休暇 | ISBN978-4-06-185615-4 C0197 | ||||||||
| 原題：A Share in Death （1993） | 翻訳者：西田佳子 | ||||||||
| 講談社文庫 く32-1 | 価格：700Yen | ページ数：352P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：94/3/15 第8刷：95/10/31 | 購入：2017/3/2 | カバーデザイン：辰巳四郎 | |||||||
 ロンドン警視庁警視であるダンカン・キンケイドはヨークシャーで休暇を消化することになりました。昇進したての警視としていろいろと張り切ったつけでへとへとになった体を休めるため。会員制のリゾートホテルに泊まるチケットで、会員ではない彼の好みじゃないのですが、従弟が使えなくなったために彼に貸してくれたという訳。仕事上のパートナーである10歳年下でシングルマザーのジェマ・ジェイムズ巡査部長は、楽しんでくるように励まし、自分は一週間分の洗濯にと家に帰ることに。 キンケイドが訪ねた先は、フォローデイル・ハウスというジョージ王朝様式のリゾートホテル。自分の趣味には合わないけど、せっかくのチャンスなのでのんびり休暇を過ごそうか。ロンドンの警官であるという自分の立場はだれも知らないのだし。 しかし、事件が起きます。翌朝、ここの副支配人であるセバスチャン・ウェイドが、プールで死んでいたのでした。キンケイドが見ると、高電圧の電気コードがプールの水面に差し込まれていたのでした。 現れた警官にスコットランドヤードの警視であることを話したのち、単なる事故ではないと説明するキンケイド。最初、関わるつもりはなかったのですが、地元のビル・ナッシュ警部に敵意むき出しで邪魔をするなと言われ、その上その捜査の間抜け加減を見ているうちに、口をはさんでしまうことに。警部に付いてきたピーター・ラスキン警部補は好意的なようですが。 このホテルの、支配人を始めとする人々が、キンケイドが警官だとわかったとたんにだまされたとばかりに敵意をむき出しにするのがお話的に不自然に思えるのですが、どうなんでしょうね。おかげで登場する女性に次々良い関係を築けそうなキンケイド警視の思惑もあっさりと外れることに。(笑) この、ラスキン警部補とロンドンの上司の理解、そしてジェマの助け以外では、周囲の敵意ばかりにつつまれた中で、キンケイドは元の教区牧師の娘である老嬢のペギー・マッケンジーが死んでいるという知らせを聞きます。急行すると、彼女はテニスコートで、後から何者かに殴られて死んだらしい。彼女はセバスチャンを殺した犯人について、なにか知っていることが会ったらしいのですが、キンケイドもほかの人もそれを聞く前に殺されてしまったのでした。 さらに、今まで隠されてきた人間関係の秘密も明らかになる中で、その渦中にあった彼女が襲われることに。 犯人はいったい誰なのか。 展開が、いまいちぎこちないという気がします。キンケイドに敵意を向ける人々の考えが不自然すぎないかという感じも。そしてなにより、犯人の考え方がどうも納得しづらい。だからどうもミステリとしてすっきりしない。 主人公のダンカン・キンケイドのちょっと女たらし的なところが面白いかな。30代だからそんなものなのだろうけど、警視というと警察組織の中では相当高位の地位のはずなのに、なんだか軽い。少なくとも日本では、警視と言ったら現場などには出てこない、会社で言えば部長クラスじゃなかったかな。うーん。 でも、この先に興味をひかれる終わり方でした。最初からシリーズ化をめざしていたのかどうかはともかく、次を読んでみたくなる終わり方で、興味がひかれます。 （2017/5/25） 読書メーターの記録より 読了：2017/4/19 |
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Ver. 3.04 |
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| 管理番号：C073-002 | 40 ミステリ一般 | 出版社：講談社 | |||||||
| 書名：警視の隣人 | ISBN978-4-06-185961-7 C0197 | ||||||||
| 原題：All Shall be Well （1994） | 翻訳者：西田佳子 | ||||||||
| 講談社文庫 く32-2 | 価格：700Yen | ページ数：384P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1995/2/15 | 購入：2017/3/21 | カバーデザイン：辰巳四郎 | |||||||
 ジャスミン・デントという女性の描写から始まります。インド生まれで現地人的な風貌をしていますが、純粋なイギリス人。50歳になったところ。末期のガンとの闘病生活に疲れた彼女は、自殺を考えているらしい。彼女を世話してくれるメグことマーガレット･ベラミー、庭の手入れをしてくれる隣人のH・キース少佐、困った弟のシオ、手厳しい看護婦のフェリシティ・ハワースのことを思ったあと、彼女は隣人のダンカンのことを考えます。ダンカンとは、隣人のダンカン･キンケイドのこと。 つまり、主人公のロンドン警視庁キンケイド警視。 このキンケイド警視が、徹夜の捜査が終わってくたくたになって帰宅し、地下鉄から降りてふと病が進んでいる隣人のジャスミンのことを思い出したのでした。目に付いた花屋で彼女が好きなフリージアを買ってちょっと寄っていくことにします。 しかし彼女の部屋の前でしきりとノックしている背の高い女の姿を見たとき、いやな予感がします。在宅看護をしているフェリシティ･ハワースと名乗った彼女にヘアピンを借りてジャスミンの部屋を開けてみると、彼女のベッドの上で死んでいたのでした。 とりあえず後片付けをしていた二人の前に現れたのは30歳前後の女。マーガレットらしい。そんなはずはない、約束したんだもの、という彼女の言葉でキンケイドは胸騒ぎをおぼえます。
なにか不審なものを感じたキンケイドは、信頼する部下のジェマ・ジェイムズ巡査部長を呼んで調査してみます。すると細かいところでいろいろ不審なところが。彼女が常備していたモルヒネのこと、あるはずの最新の日記が見あたらないこと、そのほか、いろいろ。 そしてジャスミンの検死結果がわかり、彼女の遺言書が発見されて不信感は頂点に達します。この影に、なにか秘密があるんじゃないのか。 静かなイギリス婦人だったと思われていたジャスミン･デントの過去から始まり、関係する隣人たち一人一人の過去。ジャスミンの死は病死なのか、自殺なのか、事故死なのか、それとも殺人なのか。 やがて現れたのは、異様としかいいようがない過去。そして恨み。その結果。 なるほど。 地味な展開だな、というのが読んでいて思ったお話の流れ。しかもほとんど内輪の隣人たちの世界で起きるこの事件は、コージー･ミステリのように狭い。それでも、なかなか面白い展開でした。 ところでメグは重大な決断をしたのだけど、そのあと上手くいったんだろうか？ （2017/7/1） 読書メーターの記録より 読了：2017/6/7 |
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Ver. 3.05 |
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| 管理番号：C073-003 | 40 ミステリ一般 | 出版社：講談社 | |||||||
| 書名：警視の秘密 | ISBN4-06-263208-X C0197 | ||||||||
| 原題：Leave the Grave Green (1995） | 翻訳者：西田佳子 | ||||||||
| 講談社文庫 く32-3 | 価格：680Yen | ページ数：424P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：96/2/15 第5刷：97/11/4 | 購入：2019/7/3 | カバーデザイン：辰巳四郎 | |||||||
 マシューという弟を川で失った幼いジュリアの回想から始まります。過去のこの記憶が、ジュリアにとってどんなトラウマになったのか。そして20年後の現在。 ダンカン・キンケイド警視が出張することになったのは、ハイウィカム地方。ロンドンの西、チルタン丘陵にあるチルタン百戸村。ここの住民が、川の下流の水門で死体となって発見されたのだという。溺死ではなく、その前に首を絞められた跡があり、殺人と考える必要があるという。 被害者は、コナー・スウォンという男。 なぜスコットランドヤードの警官であるキンケイドが呼ばれたのかというと、死んだ男が有名人と関わりがあったから。それは被害者の妻、ジュリア・スウォンの両親。父親は著名な指揮者のジェラルド・アシャトン卿で、母親はこれも有名なオペラ歌手だったデイム・キャロライン・ストウ。彼女は20年前息子が死んだときに引退したそうですが、今もなお全国屈指のヴォーカル・コーチとして尊敬されているのだそうな。 この大物の家族の死ということで、おろそかな扱いはできないとキンケイド警視が呼ばれたわけ。キンケイドとしてはいささか迷惑な話ですが、命令ではしかたがない。信頼するジェマ・ジェイムズ巡査部長をつれて向かいます。 この訳文で説明はないのですが、デイム（Dame）とはナイト（勲爵士）に叙任された女性に対する敬称。男性のナイトの夫人のことではありません。この場合、ジェラルド・アシャトン卿は Sir Gerald Asherton であり、単にデイムの夫と言うだけではこう呼ばれることはないので、夫婦共にナイトに別々に叙任されていると解釈すべき。妻は正式な名前は Dame Caroline Asherton で、キャロライン・ストウはオペラ歌手としての芸名のようです。 それにしても、ナイトの敬称である Sir を「卿」と訳すのはいいかげん止めて欲しいと思うもの。ナイトは騎士であり、階級的に上の貴族である「Load」だけを「卿」とすべき。この場合、「Sir」が頭につく準男爵をどうすべきかは議論が分かれるのだけれど。 ・・・閑話休題。 この事件、単なる恨みによる殺人と思われましたが、単純にはいきません。浮気者だったらしい被害者の行動のいいかげんさから始まり、関係者の愛憎劇、そして証言がとことん矛盾しているため全体像がつかめない。ジュリアの不幸な過去や家族の不和などがあらわになるにつれ、謎はますます錯綜とします。死んだ夫コナーの愛人シャロンがいい人だったりすると、さらにワヤワヤ。
そしてあぶり出された意外な、そしてなんともやりきれない真相。 キンケイドとジェマの間、ってのは前の二巻でいろいろ進展したはずなのですが、今回このジュリアの家の状況に影響されたのか、どうもぎくしゃく。 最後は、かなり悲惨な行き違いになって終わります。ナンテコッタ。（2020/02/14） 読書メーターの記録より 読了：2019/11/20 |
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Ver. 3.05 |
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| 管理番号：C073-004 | 40 ミステリ一般 | 出版社：講談社 | |||||||
| 書名：警視の愛人 | ISBN4-06-263452-X C0197 | ||||||||
| 原題：Mourn Not Your Dead（1996） | 翻訳者：西田佳子 | ||||||||
| 講談社文庫 く32-4 | 価格：752Yen | ページ数：424P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1997/7/15 | 購入：2019/7/3 | カバーデザイン：辰巳四郎 | |||||||
 前回のラストで、愛しあっていることを確認し、つまりベッドインしたダンカン・キンケイド警視とジェマ・ジェイムズ巡査部長。しかしその直後、あたしたちはこんな事をしちゃいけないんだと思って無神経なキンケイドを背に去って行くジェマ。そういえば、男は性で、女は名前で呼ばれるんだよね、このシリーズも。 で、今回の出だしは、距離を置こうと頑ななジェマに当惑するキンケイドから。ジェマがなぜ悲痛な顔で背を向けるのか、さっぱり理解できないのです。 その状態のまま、事件は起きます。警視長のアラステア・ギルバートが、郊外のホームベリ・セントメアリという村の自宅で、頭部を殴打されて殺されたのでした。 スコットランドヤードの警視としてジェマと共に現地へ向かったキンケイド。彼女とのことはとりあえず後まわし、と思うのですが、モヤモヤは晴れないまま。 現地に着き調査を始めると、死んだギルバート警視長のあれこれがわかってきます。警察内部でいわれていた、『ギルバートは軍隊なみに部下を統制している』という言葉や、女性の部下に特に高圧的だったことが、住んでいた村でも発揮されていたらしい。旧態依然とした石頭、とでも言えばいいのか。 とはいえ、彼を殺そうとする積極的な意志を持った人は見あたらない。 しかし、たがいのわだかまりは残しながらも捜査を進める二人に、この警視長を取り巻く家庭や私生活についてのあれこれがわかってきます。 そして、警察内のあれこれと、警視長が何に絡んでいたのかも。彼は、清廉な人だったのか、どうなのか。 結局彼を殺したのは誰だったのか。それはなぜだったのか。 ジェマとキンケイド、二人の中はどうなったのか。 で、思った。ダンカンよ、面倒な女に惚れたもんだな、ってね。 ε=（´。｀ ） （2020/10/07） 読書メーターの記録より 読了：2020/4/19 |
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Ver. 3.05 |
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| 管理番号：C073-005 | 40 ミステリ一般 | 出版社：講談社 | |||||||
| 書名：警視の死角 | ISBN4-06-263964-5 C0197 | ||||||||
| 原題：Deraming of the Bones（1997） | 翻訳者：西田佳子 | ||||||||
| 講談社文庫 く32-5 | 価格：838Yen | ページ数：624P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1999/1/15 | 購入：2019/7/4 | カバーデザイン：辰巳四郎 | |||||||
 リディア・ブルックという女性が、夫との離婚を期に自殺を図る場面から始まります。──と、その場面はヴィクトリア・マクレランという伝記作家が書く文章の中にあったらしい。彼女は、リディアが死んでから5年のちの「今」、彼女の伝記を書こうとして四苦八苦していたのですが、壁に突き当たったところ。そこで彼女、ヴィクトリア・ポッツ・キンケイド・マクレランは、とある電話番号に電話したのでした。 ようやく仲が好転して、イチャイチャ状態のジェマ・ジェイムズ巡査部長とダンカン・キンケイド警視。そこへかかってきた電話。キンケイドがそれを受けて、話ながら眉間に皺をよせます。いやな予感がしてきたジェマに、電話を切ったキンケイドは告げます。別れた妻からで、大事な用で会いたいんだと。 彼女こそ旧性ヴィクトリア・キンケイド。10数年前、何の釈明もなくキンケイドの元を離れ、離婚を突きつけた女。 頼まれたんだからしかたがない、と会いに行くキンケイド。どんな悪女かと思ったら、
実を言いますとね、ここまで読んだとき、やってられねぇぜ と思ったもの。ヴィクトリアっちゅう女がどんな人であるかはどうでもいい。自分を絶望の淵にまで追い込んだ離婚の相手と再会してでれっと出来るキンケイドのメンタリティに、とてもじゃないがついていけない。 つういでにいうと、捜査のためその次にしぶしぶキンケイドについていったジェマですが、すっかりヴィクトリアの人間性に魅了されます。わたしの愛した男と別れたこの女って、こんないい人だったのね。 なんですか、この描写、とちょっと呆れつつ読み進めます。 さてヴィクトリア（キンケイドは昔のままに「ヴィク」と呼びます──今も未練があるということなのかねｗ）がキンケイドに相談したのは、自分が書こうとしている女流詩人リディア・ブルックのこと。五年前に自殺したとされているのだが、どうもそうは思えないふしがある。調べ直すことは可能だろうか、と。 管轄外だけど、まぁ君が言うなら調べるだけはやってみよう、とキンケイド。 ざっと調べてみたところ、自分の権限で見られる記録を当たる限り、ちょっと不審なところはあるにしても、自殺という結果に間違いはないように見えたので、キンケイドはヴィクトリアにそう告げます。落胆しながらもそれを受け入れるヴィクトリア。 しかし数日後、そのヴィクトリアが死亡します。死因は、ジギタリスの過剰摂取らしい。心臓病の薬だけど、状況を考えると自殺の線が濃厚、という。 あわてて駆けつけたキンケイド。死体を発見したのが一人息子の11歳のキットだと知って、彼が不憫になります。今のヴィクトリアの夫である大学教授イアン・マクレランが、今の浮気相手の若い女子大生と共にフランスに行って一切連絡が付かないとなるとなおさら。しかし彼には何の権限もなく、キンケイドを嫌い抜いているいささか人間的に歪んだヴィクトリアの母ユージニア・ボッツと、彼女の尻に敷かれている夫ボブに託するしかない。 そこでキンケイドは、自殺という結論に疑問を抱きます。キットが、誰も信じてくれないながら、死体を発見する前に窓の外に人影を見たといったことも影響するかも知れませんが、なにかおかしい。 しかしここはロンドンから北に30kmほどのケンブリッジ市郊外のグランチェスター。キンケイドに捜査権はありません。まして地元警察のアレク・バーン警部とは友人だし、彼の担当に首を突っ込むべきではない。 キンケイドは上司であるチャイルズ警視正にそのへんに釘を刺された上で、休暇を取ってケンブリッジシャーに向かいます。何か調べられるはずだと考えて。で、ジェマまでが急に風邪を引いたという事で突いてきたのでした。 そこから始まった捜査は、あちこち難航します。今のヴィクトリアの件だけでもさまざまな人たちが絡み合ってごちゃごちゃした上で、さらに彼女が調べていたリディア・ブルックの自殺についてもいろいろとわかってきたのでした。 この二つの事件に、何か関連があるのか。 やがて、さらに20年前の少女失踪事件までもが絡んできて、物語はいよいよ複雑怪奇。 やっと解決したとき、現れたのはさまざまな人々の過去。イヤな奴だが心は優しかったとか、いい人なのになぜあんな事をとか、あの頃の自由とはなんだったのかとか。 重厚ですね。人々の描き方がジェニー・ボライソー的というか女性的というか、かなりとっつきにくかったのですが、それはそれ。物語、推理小説としては重厚で深い。 母に死なれ無責任な父親に引き取られることとなったキットの運命を未来に託して、今回はここまで。 キンケイドとジェマの中は良好。ふむ。（2020/10/24） 読書メーターの記録より 読了：2020/10/15 |
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