トップへ戻る 読んだ本の分類		作家番号 H046 作家 エドワード・Ｅ・ハナ Hanna, Edward E. 国籍 イギリス 生没年： メモ：

管理番号	書名		備考
H046-001,002	ホワイト・チャペルの恐怖（上・下）		扶桑社ミステリー

管理番号：H046-001	42 シャーロック・ホームズ・ノベル
書名：ホワイト・チャペルの恐怖（上）	シャーロック・ホームズ最大の事件		発行　1992年
原題：The Whitechapel Horrors	扶桑社ミステリー ハ15-1　0485
翻訳：日暮 雅通	価格：￥560	ページ数：335P	装丁：文庫
初版発行：96/3/30	購入：98/3/7	メモ：

管理番号：H046-002	42 シャーロック・ホームズ・ノベル
書名：ホワイト・チャペルの恐怖（下）	シャーロック・ホームズ最大の事件		発行　1992年
原題：The Whitechapel Horrors	扶桑社ミステリー ハ15-2　0486
翻訳：日暮 雅通	価格：￥560	ページ数：310P	装丁：文庫
初版発行：96/3/30	購入：98/3/7	メモ：

ホームズが活躍していた時代、まさにそのとき、歴史上名高い「切り裂きジャック」事件が起こりました。この事件が特異だったのは、英国の歴史上最初の残虐な性的暴行事件だったことだといわれています。 　たしかに、ロンドンの町は当時、何十万の貧民が、不潔という言葉ではとても形容できない環境に住み、犯罪事件は日常茶飯事でした。しかし、性犯罪は皆無、あるいはほとんど起きていなかったと言われます。 　最低のイギリス人としての矜恃でしょうか。それとも、最低の道徳でしょうか。 　その壁が、この事件で破られたのです。被害にあった女性はすべて売春をなりわいとする女たちで、遺体はすべて鋭利な刃物でずたずたに引き裂かれていました。 　この事件と名探偵を結びつけたパスティーシュはたくさんあります。これもその一遍です。 　それも、多分最高の一遍です。 　たくさんの実在の人物が登場します。 　ロンドン警視庁のアバーライン警部。警視総監サー・チャールズ・ウォレン少将。ソールズベリ首相。 　梅毒に冒されたランドルフ・チャーチル。（サー・ウィンストンの実父です） 　皇太子アルバート（バーティ）・エドワード。その息子である、有名なアルバート・ヴィクター王子（プリンス・エディ）。 　この物語は、例によって、ワトスン博士の草稿として発見され、経緯を説明する手紙にはこのような追伸がついていました。 　特に申し添えておきますが、同封のファイルに添付されたワトスン博士のメモによれば、本ファイルの中身は、西暦二〇〇〇年または博士の死後五十年のどちらか後の年になるまで、公開してはならぬとのことです。 　編者は、こう注を締めくくっています。 　ひとつだけ確かなことがある。事件当時、あるいは事件からかなりたった時点でも、このファイルの内容が少しでも公にされていれば、高貴な地位の人物が何人か破滅するばかりでなく、当時の政府の失墜にもつながったはずだということだ。それどころか、英国の君主制の崩壊さえ引き起こしていたかもしれないのである。 　ワトスンは、事件の最後にこう問いかけます。 　「わかっているんだ！」彼は勢い込んでささやいた。「本当は誰だか知っているんだね、そうだろう？」 　ホームズはいぶかしげに彼を見た。彼は静かな抑揚のない声でしゃべった。「知らないほうがいいこともあるんだよ、きみ。質問すらしない方がいいことがあるんだよ」 　わくわくしませんか？