H075 L・マイケル・ハラー

作家番号： H075	L・マイケル・ハラー	Haller, L. Michael
	国籍：アメリカ合衆国	生没年：？～？
ミズーリ州カンザス・シティ生まれ。シカゴで育つ。ノースウェスタン大学卒業後、外交官として東京のアメリカ大使館に不妊。日米文化交流のための企画部を設立して初代責任者となり、その在職期間中、テネシー・ウィリアムズ、エドワード・オールビー、アルビン・トフラーなど数多くの作家を招聘、日本での紹介に努めた。現在はビデオゲームの製作責任者。

管理番号	書　　名		メ　　モ
H075-001	スター・トレジャー秘宝の守護者		宇宙時代のターザン

		Ver. 3.01

管理番号：H075-001

12 新スペースオペラ

出版社：早川書房

書名：スター・トレジャー秘宝の守護者			ISBN978-4-15-011905-8　C0197
原題：STARZAN　（2013）		翻訳者：嶋田洋一
ハヤカワ文庫SF1905　ハ18-1　7194	価格：760Yen	ページ数：320P		本のサイズ：文庫
初版発行：2013/6/15	購入：2013/6/7	カバーデザイン：ハヤカワ・デザインカバー写真： Mike Lanzetta/Getty Images

　原題は〝STARZAN〟。星のターザン。
　つまりこれは宇宙に舞台を移したターザンですね。
　ターザンとは、E・R・バローズが作り出したアフリカを舞台に活躍する秘境から来た蛮人の英雄。
　父は、英国貴族グレイストーク卿（Viscount　Greystoke）。卿夫妻がアフリカ旅行中に遭難し、赤ん坊であった彼を残して死んだ後、ターザンは類人猿たちによって育てられたのでした。その彼が、アメリカ人女性ジェーンと出会ったことで運命が変わりました。
　密林の王者ターザンは、イングリッシュネーム、グレイストーク子爵ジョン・クレイトンを持ちつつ、正義の蛮人として活躍することとなります。
　これがバローズのターザン。

　この設定を宇宙に持ち込んだらどうなるのか。スペースオペラにしたらどうなるのか。

　深宇宙を漂うﾄﾞピンクの宇宙船＜フィルモア＞は、老朽化したオンボロ船。ピッピーたちの一団が乗り組み、新世界を目指して航行していましたが、とあるボルネオ（熱帯雨林的な居住可能惑星につけられた呼び名）に着陸を試みましたが失敗し、大破します。生き残ったのは生まれたばかりの赤ん坊。
　この赤ん坊は、この惑星の原始的な知性体に救われ、たった一人生き延びたのでした。

　こうして「タージャク」とジェーンの物語が始まります。
　なるほど、うまくまとまってますね。そこそこ、面白い。

　テイストとしては、小説版より映画の方でしょうか。ただし鐵太郎は、あまりターザン映画は見ていませんけど。
　波瀾万丈の展開とか、主人公の万能ぶり、凄まじいタフネスぶり、そして小猿の「ボーイ」などは、原作より映画の方じゃないかな。

　この世界のあらましを伝えるため、と同時にこの物語が「この時代」に書かれたものだと告げようとしてか、あちこちに「原注」なるものが入って、世界の解説をしてくれます。意図はわかるけれど、これは本の書き方としてどうもピンとこないね。
　その他、設定的にあららというところが点在したりして、いまいち乗り切れません。
　素材は悪くないと思うんだけれど、どうなのかな。鐵太郎的には、いまいちか。

　読んだ時の読後感としてまあ面白いと思ったけど、そこまで、かもしれない。ちょっと残念。　　（2013/10/18）