M109 MYST歴史部

作家番号： M109	MYST歴史部
	国籍：日本

管理番号	書　　名		メ　　モ
M109-001	知られざる名将真田信之		こんな武将もいたんだよね、という本です

		Ver. 3.02

管理番号：M109-001

51 伝記・一代記

出版社：大和書房

書名：知られざる名将真田信之			ISBN978-4-479-30564-4　C0121
だいわ文庫　307-1H	価格：700Yen	ページ数：248P		本のサイズ：文庫
初版発行：2015/11/15	購入：2016/1/4	カバーデザイン：門田耕侍

　真田信之(さなだのぶゆき)()とは、戦国末期から江戸時代初期に生きて、最後は大名にまでなった武将。今年のNHK大河ドラマ『真田丸』でも、配役：大泉洋でいい味を出しています。
　生年は永禄9年（1566年）、没年は万治元年10月17日（1658年11月12日）。苦労人なのですが満92歳まで生きた、当時としてもまれに見る長命の人。
真田信之

　生まれたのは甲斐の国、府中（山梨県甲府市）。翌年、武藤氏を継いだ真田源五郎(げんごろう)()昌幸(まさゆき)()の長男であり、長篠の戦い（天正3年・1575年）で二人の真田家の伯父が戦死したことにより、父・昌幸と共に真田姓となります。
　このときの元服名は、真田源三郎(げんざぶろう)()信幸(のぶゆき)()。この名は、父の名から一字もらったもの。

　当時真田家は武田家の配下にあり、彼ら一家は信玄、勝頼の忠臣として名を上げました。
　そののち、織田家の侵攻によって武田家が壊滅すると、織田につき、その直後本能寺の変後の騒乱を向かえたのでした。真田家が領地とした真田領が関東のかなめの位置にあったため、その争奪戦の中で父・昌幸と共に生き残りをはかります。
　この後、運命の中で生真面目な性格のままに戦い抜き、父の意向に逆らって徳川氏に臣従して家名を全うし、九万五千石の上田藩主、そして最後は十三万石松代藩主として長い生涯を終えます。父と弟の信繁が関ヶ原、大坂の陣で敵方にまわったにもかかわらず、徳川方の武将、大名としての地位を徹底します。
　機を見るに敏、というより真摯な性格だったのでしょうか。徳川四天王の一人、本多忠勝の娘を正妻としたこともこの行動の元となった原因のひとつなのかもしれませんが、彼の意地や矜持だけで動くのではなく、現実的な発想で生存を測るプラグマティックな姿勢は特筆すべきものではなかろうか。
　その父と弟、真田昌幸と真田信繁（幸村）の鮮烈な生き方とその最期があったために霞んでいますが、真田信之（関ヶ原の戦いの後に名を改めた）とはなかなかに優れた見識を持った武将と言えるようです。
　この本は、真田信之の生涯に視点を絞って描いた一代記です。ちょっと珍しい。

　これを買ったのは、駅前でちょっと時間が余ってしまってぶらっと本屋に立ち寄って手に取ったため。買った時点では2016年の大河ドラマにあやかった関連本だとわかっていたのですが、けっこう面白かったので損はなかったかな。(笑)
　しかしね、この本の著者名がどうも気に入らない。一人の作家名でないのはなぜ。複数で持ち寄って書いたということを示しているんだろうか？　　（2016/6/12）