S047 ジュリアン・シモンズ

作家番号： S047	ジュリアン・シモンズ	Symons, Julian
	国籍：イギリス	生没年：1912～1994

管理番号	書　　名		メ　　モ
S047-002	コナン・ドイル		シャーロック・ホームズを創造した男の肖像

		Ver. 2.18

管理番号：S047-002	51 伝記・一代記			出版社：創元推理文庫
書名：コナン・ドイル				ISBN978-4-488-10006-6 C1198
原題：Conan Doyle: Portrait of an Artist　（1979）			創元推理文庫 100-6
翻訳：深町真理子		価格：600Yen	ページ数：176P		本のサイズ：文庫
初版発行：1991/5/31		購入：1991/6/15	表紙イラスト：小倉敏夫

　英国の推理作家、伝記作家であるジュリアン・シモンズによるコナン・ドイルの伝記です。
　あとがきでは、シャーロック・ホームズに比べてドイルはあまり注目されていないと書いてあるのですが、個人的にはどうかなぁ。(笑)　ま、ホームズとの比較で言うと、たしかに小さいでしょうか？

　あ、同じくあとがきで、「ピルトダウン原人」について、「昨年」つまりこの本が最初に書かれた1984年の少し前に、この捏造事件の「犯人」がドイルであるという説が出たと書かれています。しかし、2008年現在で知る限り、1996年5月に別人が犯人であるという説でほぼまとまっているようです。ちょっとほっとします。
　しかし、晩年のドイルが降霊術にのめり込んだことは事実で、いろいろな意味で気になる所はありますね。

　この伝記は、ドイルの生涯を単純に描いたものとはちょっと違います。生涯を追ってはいるんですけど、6つの別々な面に分けて描いています。
　　1.　シャーロック・ホームズの創造者
　　2.　青年
　　3.　公人
　　4.　十字軍戦士
　　5.　作家
　　6.　戦時、そして晩年

　人はいろいろな顔があるものですね。ドイルの騎士道精神により、彼は真の意味で人間を理解できる人にはなれなかった、という一節が面白かった。
　内容的には、ちょっと辛辣ですね。ドイル個人についてはかなり好意的に書いているのですが、白衣の騎士団などについての評価などが辛い。勇将ジェラールなどについても、ほんの手すさびが売れてしまったなどと、ちょっと皮肉かも。

　この本は、ページ数は少ないのですが紙質が特殊です。写真を入れるためによい紙質を使っていますね。その分値段が高いのはしかたがないのですが、カラーを含めた人物のよい写真や肉筆の手紙などがあって、見ていて楽しいですね。
　実は、ドイルがボーア戦争で果たした役割についてこの本はどう書いていたっけと思って見直したのですが、そちらの方はほとんどなにも書いてありませんでした。残念。(笑)　　　　(08/1/3）