V010 チャールズ・ヴァイニー

作家番号： V010	作家：チャールズ・ヴァイニー	Viney, Charles
	国籍：イギリス	生没年：？-？
？

管理番号	書　　名		メ　　モ
V010-001	シャーロック・ホームズの見たロンドン		ホームズの時代のロンドン写真集

		Ver. 2.21

管理番号：V010-001

42K シャーロック・ホームズ研究書

出版社：河出書房新社

書名：シャーロック・ホームズの見たロンドン	写真に記録された名探偵の世界		ISBN978-4-309-46168-9 C0198
原題：Sherlock Holmes in London　（1989）		河出文庫　ウ3-1
翻訳：田中喜芳	価格：750Yen	ページ数：230P		本のサイズ：文庫
初版発行：1997/3/4	購入：1999/6/25	カバー装幀：伊藤由樹緒

　ロンドンを中心にしたイギリスの旅行写真集、みたいなもんですね。
　でも、時代が違う。1880年代から1900年代初めの町や、建物や人物を写した写真です。つまり、ホームズの時代の写真です。

　ホームズ物語60編（長編4、短編56）すべてについて、可能な限りその時代の写真を探して掲載しています。ドイルの筆になるホームズ物語では、意識してかどうか、年号や所番地があいまい、または架空のものがありますが、そこは主としてベアリング=グールドの「注釈付きシャーロック・ホームズ」を参考にして、ヴァイニー自身の推理によって補完されています。中には、「最後の挨拶」のように話のあらすじはあっても写真のないものもありますけどね。
　第一作「緋色の研究」から始まります、むろん。1980年のロンドン大学は、むろんワトスンの母校。1895年のストランド界隈。1890年代のピカデリー・サーカスには、クライテリオン酒場が見えます。ここで人生を嘆いているワトスンに、旧友スタンフォードが声をかけ、部屋代を折半してくれる人を探している奇妙な男を紹介してくれたのでした。その酒場内の写真もありますし、その男とワトスンが顔を合わせたセント・バーソロミュー（バーツ）病院の写真。化学実験室の写真。
　ここでワトスンは、シャーロック・ホームズと出会ったのでした。
　第二作の「四つのサイン」でも、多数の写真が飾られています。1910年のウィグモア街。1885年のランガム・ホテルとランガム・プレイス。1902年のウェリントン街。1900年ごろのストランド街。1890年ごろの「三悪人の頭 Three Goats Heads」パブ。荒涼としたテムズ川・ランベスの川岸。1900年のリッチモンド橋。1880年代のロンドン橋からテムズ川越しに見るロンドン塔。高いマストを掲げた機帆船が並びます。

　こんな時代に、こんな世界で、ホームズの物語ができあがったんですよね。
　繁華街、港、河、貧民街。宮廷、海軍省、国会議事堂。農地、荒野、湿地帯。
　駅、鉄道、機関車、地下鉄。大英博物館、遊園地、郵便局、図書館。海。

　時々こんな本を見て、違う世界に浸ってみるのもいいよなぁ。
　でもまあ、文庫版ってのは、見るには小さいよ。(笑)　　　（08/11/7）