トップへ戻る 読んだ本の分類		作家番号： Z007 ジョン・ザコーア＆ローレンス・ゲイネム ジョン・ザコーア Zakour, John アメリカ合衆国 1957〜 　コンピュータ･プログラマーからコーネル大学勤務のサイエンス･ライターとなり、マンガも書き、子供向けの本も出し、グリーティングカードのデザインも行い、人間行動学の修士号を持ち、今は栄養学博士号に挑戦中とか。 ローレンス・ゲイネム Ganem, Lawrence アメリカ合衆国 ？ 　今はDCコミックスに勤務しているがその前は出版エージェント、映画のロケーション･マネージャー、電気技術者などもしていた人。

管理番号	書　　名		メ　　モ
Z007-001	プルトニウム･ブロンド		古き良き懐かしきドタバタSF

		Ver. 2.23

管理番号：Z007-001

18 ユーモア・ジュブナイルSF

出版社：早川書房

書名：プルトニウム･ブロンド						ISBN978-4-15-011549-4 C0197
原題：The Plutonium Blonde　（2001）			翻訳者：斉藤伯好
ハヤカワ文庫SF1549　サ3-1　早川文庫5792		価格：940Yen	ページ数：524P				本のサイズ：文庫
初版発行：2006/2/28		購入：2010/1/20	表紙イラスト：橋本正枝

表紙だけじゃなく、口絵も挿絵もマンガ絵です。しかし文句を言う話ではないな。 　なにしろ、マンガ絵がじつにぴったりくる作品ですから、これ。 　これはそもそも、そういうパロディ的な笑いを取るお話なのです。 　下はアメリカ版のペーパーバックの表紙絵ですが、この1930年代、40年代テイストの古めかしさがたまりませんな。 　硬そうな黄金のブラをつけた半裸の美女と、彼女が投げるトースターをよけて怪しげな光線銃を構える背広の男。ハイテクっぽいコンソール。昔のアメコミっぽい題名。 　周囲の印刷が剥がれかけたところは、古いせいじゃありません。そういうデザインの印刷だそうな。古くさい昔なつかしの宇宙活劇をパロっている訳ですな。 　最初の説明は、本文の最初の章をまるまる引用して代用しましょう。横着ですな。(笑) 　わたしの名前はザカリー･ニクソン･ジョンソン。地球最後の私立探偵だ。こうなったいきさつは、いずれ話そう。まあ、“地球最後”は少し大げさだが、語呂がいいし、読者の気を引く手段としては悪くない。 　ときは2057年。地球は種の変化をもたらすほどの地殻変動・・・・壊滅的な大災害・・・・地球外生命体との歴史的なコンタクト・・・・ポップ･カルチャーの衰退を経て、きわめて安全な場所となった。しかし、ここで＜新・新世界秩序＞の法律、経済、人類学に関するデータをダラダラと述べるつもりはない。いまも太陽は東から昇り、人は夜明けとともに動きだし、休日にはブラインドを下ろして昼まで惰眠をむさぼっていると言えば十分だろう。 　しかし、完璧な世界などありえない。いつの時代も、人は善と悪との間で右往左往するものだ。今も警察と泥棒、聖人と罪人、有権者と政治家は存在し、たまに、途方もない事件が社会、人類、時空連続体をおびやかす。 　そして、なぜか、そのような事件は決まってわたしの身のまわりで起こる。 　まずは、こんなところから話を始めよう。 　大真面目でしょ？ 　この主人公はどんなヤツかというと、むろんハードボイルド探偵を任じていますし、腕っ節も頭脳もさえています。私立探偵になって13年もたつのですから、能なしでは生き残れません。 　しかしやることがどうもおマヌケ。次々と気の効いた（と本人は思っている）ギャグをかますのですが、聞く相手がほとんどがハーブということもあり、ことごとく外してしまう。ハーブとは、ザカリーの助手ですが、実はコンピュータです。ホログラムで現れるのですが、その姿は頭が薄くなりかけた年輩の英国紳士の姿。ザカリーの情報スタッフとして腕のインターフェースを通していつもそばにいて、電子機器やザカリーの筋肉増強処理を制御します。同時にザカリーのジョークを慇懃無礼におちょくります。 　彼の事務所にいる秘書は、大学の授業のない時に手伝ってくれるかわいい娘で、ザカリーの予定によれば将来の義理の姪になるはず。物理学に関して世界でトップクラスの頭脳を持ち、第一級レベル5という最強クラスの超能力者です。しかしとりあえずできるのは読心術ぐらい。 　さてこんな素敵な仲�閧�持っているザカリーに来た依頼は、身長180cmのブロンドの美女、BB・スターからのもの。 　彼女は、この世のものとも思えないほど美しい上に、エクセシェル社の社長でもある。夫である前社長のBS・スター氏は結婚二年目に心筋梗塞で死亡し、彼女が会社と全財産を相続し、経営を続ける。彼女が社長になって以後、エクセシェル社の資産は二倍になり、世界一の複合企業として君臨し続けているとか。 　その依頼内容とは何かというと、彼女の姿をかたどったアンドロイド、BB=2を捜してくれ、というもの。 　このアンドロイドというものが、プルトニウム･コアのエネルギーによって内部の機械と生体のメカニズムが強化されており、人間の150倍の力と176倍の耐久性があり、反射速度は人間の200倍・・・　と続く。 　さて、この依頼を受けて始まるドタバタ劇。本人は大真面目なだけに、その騒動も一筋縄ではいかない。 　このてんやわんや、どのように決着がつくでしょうか。 　この本が受けたので、その後 　　　Doomsday Brunette　　2004 　　　The Radioactive Readhead　　2005 　　　The Frost-haired Vixen　　2006 　と、ブルネット、赤毛、白髪とシリーズが続いているのだそうな。訳出されるでしょうか？ 　（でも出たとして、買うかどうかはわかりませんなぁ）　　　（10/3/23）