F007 A・A・フェア

作家番号：F007	A・A・フェア	Fair, A. A.
	国籍：アメリカ合衆国	生没年：1889/7/17~1970/3/11
E・S・ガードナーの、「クール&ラム」シリーズ用のペンネーム。

管理番号	書　　名		メ　　モ
F007-001	屠所の羊		探偵バーサ&ラム・シリーズ

		Ver. 3.05

管理番号：F007-001

40 ミステリ一般

出版社：早川書房

書名：屠所の羊			ISBNなし
原題：The Bigger They Come（1939、1967）					翻訳者：田村隆一
ハヤカワ文庫HM4-1　450	価格：360Yen	ページ数：344P		本のサイズ：文庫
初版発行：1976/7/31	購入：1978/2/15	カバー：畑農輝雄

　探偵事務所に募集広告に応えて現れたぼく、ドナルド・ラムくんから始まります。
　依頼人に問題のあるアドバイスをしてしまい、しかもその依頼人がぼくのいう法の隙間を使って犯罪を起こして捕まってしまったため、弁護士免許を一時取り上げられたぼく。その後、何をやってもうまく行かず尾羽うち枯らしてなんとか職を見つけようとしていましたが、この探偵社の所長が女性、しかも60歳前後の、体重200ポンド（約90.7kg）にもなろうかという堂々たる恰幅の、いかにもお婆ちゃんといった感じの優しい表情でぼくを面接します。28歳でわずか127ポンド（57.6kg）のぼくとしては、引け目を感じるところ。
　この所長、バーサ・クールに自己アピールをして採用されますが、その理由がよくわからない。自分の経歴をとうとうと話して、嘘が下手だと切り捨てられたせいではなさそう。

　さてめでたく採用されたぼくに、クール夫人はいきなりややこしい離婚がらみの依頼に対応するよう命じます。モーガン・バークスという、詐欺で訴えられて逃亡中の男の行方を探して欲しいと言うもの。
　見つけて、離婚裁判への召喚状を手渡すこと、それが今回の仕事。
　紆余曲折の末に、なんとか愛人といっしょにいるモーガンを捕らえ、召喚状を渡す事に成功したのですが、それで問題が終わったわけではない。
　ギャングに捕まって殴られるし、女に誘惑されるし、バーサ・クールがとんでもないドケチであることを知らされるし。
　でも、意外なほど頑固で正論を吐く事が判明したラムくん、なんとこの事件の謎を解いてしまう。

　出だしは歯がゆくってイラつくんですが、後半はスリリング。面白いね。
　しかし最後にラムくんのロマンスが入りますが、なんだかリアルに思えない──時代のせいかな。

　このドナルド・ラムという名は、本名ではないらしい。バーサ・クールにもまだまだ秘密があるように、このラムくんにもまだまだ秘密があります。これを第一巻としてクール＆ラム・シリーズは30作書かれ、日本でその大半が翻訳されました。が、あまり買ってなかったんだなぁ。ふむ。　（2019/1/24）

　読書メーターの記録より　　読了：2019/1/8　