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| 管理番号 | 書 名 | 翻訳者 | メ モ | |
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| L038-001 | マーダー・ミステリ・ブッククラブ | 高橋恭美子 | ブッククラブを作ってみたらこんな事件が起きた！ | |
| L038-002 | 危険な蒸気船 オリエント号 | 高橋恭美子 | 豪華客船に乗ったらこんな事件が！ | |
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| 管理番号：L038-001 | 44 コージー・ミステリ | 出版社：東京創元社 | |||||||
| 書名：マーダー・ミステリ・ブッククラブ | マーダー・ミステリ・ブッククラブ 1 | ISBN978-4-488-24105-6 C0197 | |||||||
| 原題：Murder Mystery Book Club（2021） | 翻訳者：高橋恭美子 | ||||||||
| 創元推理文庫 241 05 Mラ-13-1 | 価格：1140Yen | ページ数：416P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2022/8/10 | 購入：2023/1/1 | カバーイラスト：おくらきょうこ カバーデザイン：藤田知子 |
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 なにやら闇の中からの声のような暗示的な第一部が2ページ、そのあと本編となる第二部。物語の発端の四週間前、アリシア・フィンリーがブッククラブで呻吟している場面から始まります。で、不意にそのブッククラブで論じられている純文学の格式張った議論と、それが完了するまでワインはおあずけである事に我慢が出来なくなり、議論のさなかに自宅へ帰ったのでした。 こりごりだったのですが、そのままもやもやしているとまたブッククラブで好きな本を、今までのような格好つけた本ではなく本当に好きな本のことを同好の士と語り合いたくなります。 で、彼女と妹のリネットが昔からアガサ・クリスティが好きだったことを思い出したのでした。 というわけで、クリスティに限らずミステリのブッククラブ、＜マーダー・ミステリ・ブッククラブ＞を立ち上げることにします。意表を突いて地元紙の告知欄に募集広告を載せてみました。 応募の手紙の中から五人を選びだし、基本的なルールを決めて、ブッククラブはスタートします。 メンバーは、まずアリシアと妹のリネット26歳、料理が得意なウェイトレス。 ヴィクトリア・ストリートにあるヴィンテージ古着ショップのオーナーであるクレア・ハーグリーヴス。35歳。 開業医のドクター・アンダース・ブライト。若くていい男。 自称〝平凡な中年主婦〟のバーバラ・パーラー。五十過ぎの内気な女性。 ペリー・ゴードン、博物館学芸員。若作りの46歳。 図書館員のミッシー・コーナー。二十代半ばのぽっちゃりしたおしゃべり好き。 合計五人。 一回目の読書会はアリシアとリネットの家で行われ、順調に終わります──のように見えました。 その直後、図書館員のミッシーが交通事故に遭います。歩道を歩いている彼女に暗い色のBMWが飛びこんで来て、逃走しました。頭を打って手を痛めたミッシー。事故とひき逃げらしいのですが、ちがう、あの車は貴方を狙っていた、と見ていた韓国人のコンビニ店長は叫びます。 しかし、
二回目の読書会はバーバラ・パーラーの家で行われます。 彼女は夫に虐待され、娘に馬鹿にされている様子ですが、必死でそれをかくしています。何かおかしい。 数日後、バーバラが行方不明に。 なんやかんやでブッククラブの面々は捜査をはじめることに。その結果、何が見えてきたのか。 事件の全貌はどうなのか。目的は何か。犯人は誰か。 トリックは面白いし、意外性もあります。 しかしなんというかな、オーストラリアではああなのかもしれないのですが、人間関係にしても社会の様相にしても事件の流れにしても、なんだか違和感があります。 主人公にもイマイチ肩入れできません。 コージー・ミステリってのは、これだから面倒なんだよなぁ。（2023/7/1） 読書メーターの記録より 読了：2023/5/17 |
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| 管理番号：L038-002 | 44 コージー・ミステリ | 出版社：東京創元社 | |||||||
| 書名：危険な蒸気船 オリエント号 | マーダー・ミステリ・ブッククラブ 2 | ISBN978-4-488-24106-3 C0197 | |||||||
| 原題：Danger on the SS Orient（2021） | 翻訳者：高橋恭美子 | ||||||||
| 創元推理文庫 241 06 Mラ-13-2 | 価格：1100Yen | ページ数：352P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2022/12/9 | 購入：2023/1/1 | カバーイラスト：おくらきょうこ カバーデザイン：藤田知子 |
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 前回のお話から一人減ったマーダー・ミステリ・ブッククラブの面々、今度は世界を周航する豪華客船に乗船して優雅な旅を満喫します。この豪華客船が、蒸気船オリエント号。数百年前の同名の船のレプリカで、ロンドンから50日かけてシドニーまでクルーズするスケジュールを組んで航行しており、シドニーの後おまけとしてタスマン海を五日間クルージングしてニュージーランドのオークランドに向かう予定です。 本来、そのシドニー=オークランド間の料金ですら博物館に勤めるペリー・ゴードンの年収並みの料金だったのですが、シドニーで乗船するはずの客が予定より少なくて船室に空きができてしまったので、格安料金になったことを、メンバーであるアンダース・ブライト医師が聞きつけたのでした。彼が12日間だけ臨時の代理医師となることを頼まれたことで、その情報をききつけたという訳。 恋人となったアンダース医師とのロマンティックな日々を期待したアリシア・フィンリーは、即・大賛成。他のメンバーも、なにしろオリエント号という名はアガサ・クリスティの名作を連想させるし、料金の手頃さという事もあって乗り込むことに。 船客は200名以上いますが、お話に絡むのはむろん少数。なぜかセレブな人たちばかりなのは展開上の都合でしょうな。 まず船長であるトニオ・ヴァン・タッシと、妻のコリー。コリーの親しい友人であるアニタ・モナージュ。〝サラミ姉妹〟と影で呼ばれるバーサ（ビリー）、ミリセント（ミリー）、マチルダ（ティリー）・ソラーノの三人。ダンスホストのダーモット・キラーニー。車椅子の初老の婦人デイム・ドロシー・ティネガン。その夫で妻の金で生きている写真家シェーン・スミス。弁護士のブレンダ・ウィリアムズ。 事件が起きるとわかっているため怪しいとしか思えない人物がぞろぞろ出てきます。 最初に起きた事件は、セシリア・ジョルソンという特等船客の女性の死。夜中に心臓発作で死んだらしい──本当だろうか。 アリシアは、さっそく恋人であるアンダース医師に詳細を聞きに行こうとしますが、ドクターは忙しいらしく相手にしてくれません。また医師としての患者の方法は漏らせないと勝手な事をいって、何より優先すべき恋人である自分をないがしろにします。 次に起きたのは、なんと船長夫人のコリーが海に落ちたという事件。事故なのか、どうなのか。 実は、彼らのグループが<マーダー・ミステリ・ブッククラブ＞だと知って、コリーを守って欲しいと頼んだ人がいたのです。 で、いろいろあって彼らは立ちあがるのでした。
アリシアは、恋人である自分の要求にアンダース医師がなぜ従わないのか、事件の詳細をなぜ語ろうとしないのか、だんだん不審と不満がこみ上げます。犯罪を解決するスペシャリストである彼らに協力するのは当然だし、恋人である自分の要望に従わないアンダースが許せない。患者の秘密は話せないなどと身勝手な事を言うとは何事か。 ブッククラブの面々による事件の解明、事件は解決されたのか。しかしその後、クリスティばりのどんでん返し、さらに再び。最後にアリシアが暴いた秘密とは。 ここは、なかなか面白い。ミステリとしてはなかなかです。 で、真面目に自分の職務を果たそうとし、そのために絡んでくる恋人との逢瀬を拒否し、守秘義務を果たそうとした真面目な医師くんはつまんないヤツとしてフラれ、アリシアはもっとワイルドな恋人を得ます。 めでたし、めでたし。 なんだか、次の巻が刊行されても読みたいのかどうか、確信が持てません。(笑) （2023/8/27） 読書メーターの記録より 読了：2023/7/7 |
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