N052 南条匡

作家番号： N052	南条匡	なんじょう・ただし
	国籍：日本	生没年：？
DOS/V、ミリタリー、アニメ、漫画、ギャルゲー(マブラヴオルタとかFate)、ぬこが大好き。柴犬グレーテル派元PCパーツショップ店員で、自分だけでなく、他人にもIYHさせるのが大の得意w ミリネタは基本大好きですが、沖縄関連のネタはわりと沸点が低いので取り扱い注意。RSBCの二次創作書いてます。　ツイッターアカウント　@nanjyo_tadashi　より。

管理番号	書　　名		メ　　モ
N052-001	カリブに沈む太陽		レッドサンブラッククロス・二次創作小説

		Ver. 3.00

管理番号：N052-001

23 仮想戦記

出版社：東亜葉鍵特務隊

書名：カリブに沈む太陽	レッドサンブラッククロス・二次創作小説		ISBN・なし
英題： Battle of Carib Episode-04 Operation "AVALON"　The downfall of "YAMATO" in Bloddy iron bottom sound 　　　　　　　　　A derivative work based on the novel "REDSUN BLACKCROSS" written by Daisuke SATO
	価格：1100Yen？	ページ数：116P		本のサイズ：新書
初版発行：2012/12/31	購入：2013/2/12	表紙イラスト：タンペレ工廠・美術担当部

　佐藤大輔による (その手のファンの間では超有名な）仮想戦記シリーズ「レッドサンブラッククロス(RSBC)」は、枢軸軍がパナマ運河占領作戦にかかるところで中断しています。それから10年以上経ちましたが、鐵太郎含め、その続編を期待するファンは今のなお決して少数では無いはず。
　この本は、正式には小売店に出回る書籍ではなく、同人誌に近いもの。熱心なファンによる二次創作小説と呼ばれるものであると言ってもいいのかな。
　そのへんの事情はよくわからないので推測ですよ。　ｍ(＿＿)ｍ

　さて、まずこの本では、佐藤御大の本編で1949年2月2行われた＜贖罪＞作戦が成功した世界から始まります。枢軸軍、つまり大ドイツ帝国を中心にした連合軍に対抗する、日英米を主力とする同盟軍は、はさらにユカタン海峡、メキシコ湾へと戦場を広げたのでした。
　ここで行われたのが＜剣＞号作戦。メキシコ湾の制海空権を奪取するために、北米ルイジアナ州へ奇襲上陸を行おうというもの。これが、様々な要因の結果失敗し、ルイジアナに上陸した枢軸軍将兵おおよそ1万2,000が孤立してしまったのです。
　これを何としてでも救援し、撤退させなくてはならない。

　この作戦において、藤堂明海軍大佐 (マニアックな能書きを述べますと、この階級は当時、「かいぐんだいさ」と呼ばれていたらしい。しかしこれは間違いという話もあり、さらにややこしい──じゃあやめろよｗ）が指揮する帝国海軍戦艦「大和」が、ユカタン海峡で沈みます。枢軸軍側呼称第三次ユカタン海峡海戦、ドイツ側呼称「第三次ハバナ沖海戦」と呼ばれたもの。
　この本は、ここに至る道筋、そしてこれが30年後に何をもたらしたか、などを、ＲＳＢＣ世界のカラーに従って、佐藤大輔節をシュミレートした作品です。
　ふむ。

　ＲＳＢＣ世界の、今まで付き合ってきた様々な人々、ゲオルク・ジークフリート・ノルトマン少将とヘルムート・ギースラー大佐、真田忠道海軍中将と矢沢敏夫少佐、藤堂明大佐と藤堂守少佐の親子、清水貞樹中尉・森井俊之中尉、アルチュール・ヴァイスベルガー少佐など、様々な人たちの消息が楽しめました。
　また会えたね、と喜びたい。
　あれ、あんな人いたっけ？　と思われる人もいたけれど、まぁご愛嬌ということで。
　ともかく、ＲＳＢＣ世界に再会できたということ、それだけで嬉しい。

　難点は二点、いや三点か。
　一つ目は、短いこと。ページ数というか、文章自体が短い。だからなのか、大輔節のねっとりした語り口を模倣しきれていないこと。こりゃあ力不足というより書き手の個性によるものかな。同人誌という事情もあるでしょうしね。
　二つ目は、大輔節の特徴である執拗なまでのペダンティックな状況説明が甘いこと。これが味わえないのはちょい残念ナリ。

　三つ目は、一つ目二つ目に関わることでしょうけれど、大輔節のもう一つの特徴、あちこちの戦史、ＳＦ、ミステリー、歴史小説、アニメなどから引っ張ってきた、事情通をニヤリとさせるネタが見られないこと。これがいちばん残念。本当に残念。

　そう、この「第三次ユカタン海峡海戦」ですけど、史実のどの戦いを焼きなおしたものなんでしょうね？大輔節では、ほとんどの戦いが過去の史実を元ネタにしているんですが。

　まぁ文句もあるけどそればかりじゃない。ＲＳＢＣ世界にもう一度浸れて嬉しい、これが感想のメインです。ほんとですよ。
　また読みたいね、こういう本。　　　（2012/2/27)