O043 奧野じゅん

作家番号：O043	奧野じゅん	おくの・じゅん
	国籍：日本	生没年：？？/3/28

管理番号	書　　名		メ　　モ
O043-001	江戸落語奇譚		江戸落語とお化けといい男のお話

管理番号：O043-001

61 童話・ライトノベル

出版社：KADOKAWA

書名：江戸落語奇譚

寄席と死神　　　

ISBN978-4-04-111238-0　C0193

角川文庫　お97-1　22640

価格：600Yen

ページ数：272P

本のサイズ：文庫

初版発行：2021/4/25

購入：2021/8/10

カバーイラスト：硝音あや
カバーデザイン：bookwall

　江戸落語と、ちょっとホラーと、不幸な過去を背負った大学二年生のおマヌケ学生・桜木月彦(さくらぎつきひこ)と、江戸落語にまつわる怪異の研究をしている眉目秀麗な青年・青野短(あおのみじか)の物語。
　ちなみに、作家のデビュー作を改題したもので、第6回角川文庫キャラクター小説大賞優秀賞を受賞したものなのだそうな。

　疲労と寝不足でぐったりした桜木を駅ホームで助けてくれた謎の青年。迷った末に彼のくれた名刺の電話番号にかけてみたところから始まった不思議な関係とは、怪異を研究しているという青野の助手となること。そして青野の仕事である怪異、お化けについての相談に答えること。
　ちなみにこの二人、お化けが見える体質だとか。あまり不思議がられないところを見ると、この小説世界ではそんなに異常なことではないのかな。
　この青野という青年、和服姿が似合ういい男。花札大好きで、ちょっと短気。ツイッターで一言つぶやけば、フォロワーたちがいっせいにレスをつけて大騒ぎになる、一部での有名人。
　その割に、さえない俺こと桜木が助手になってくっついていても誰も気にしないらしいのはご愛敬かな？(笑)

　この二人が出会ういろいろな相談ごとと、桜木の家庭に巣くう暗黒の歴史が、江戸落語の演目「芝浜」「皿屋敷」「死神」「お札はがし（牡丹灯籠）」をネタに、解明されていくお話。
　なるほど、面白いキャラクターですね。むろん俺こと桜木ではなく、青野くんですが。
　探偵と助手というバディものに似せていますが、二人の関係って女性の描くこうあれかしという間柄じゃないかな。
　面白い──けど、こういうものを楽しむには年取りすぎたかもしれない。(笑)　（2021/09/10）

　読書メーターの記録より　　読了：2021/9/5　