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管理番号 | 書 名 | 翻訳者 | メ モ | |
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P031-001 | シャーロック・ホームズ ワトスンの災厄 | 日暮雅道 | ホームズ・パスティーシュ 第四弾 |
Ver. 3.05 |
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管理番号:P031-001 | 42 シャーロック・ホームズ・ノベル | 出版社:原書房 |
書名:シャーロック・ホームズ ワトスンの災厄 | ホームズ・アンソロジー 4冊目 | ISBN4-562-03704-0 C0097 | |||||||
原題:Murder, My Dear Watson(2002) | 翻訳者:日暮雅道 | ||||||||
価格:1800Yen | ページ数:402P | 本のサイズ:135×195HC | |||||||
初版発行:2003/11/7 | 購入:2003/12/6 | 装幀:松木美紀 |
原書房から年末に刊行されていたホームズものアンソロジーの4冊目です。全13冊ですが、題名のようにワトスンに焦点が当たったものとは限りません。 瀕死のドクター コリン・ブルース The Adventure of the Dying Doctor Dying Detective≠ニ言う原題の「瀕死の探偵」という聖典のエピソードを踏まえた題です。死にかけるのは無論ドクター・ワトスン。大彗星の年である1882年のこと。ワトスンは、過去のアフガニスタンで起こした過ちや、不治の病に罹患してしまった恐怖に苦しんでいます。相談されたホームズは兄マイクロフトと共に、ワトスンに降りかかった災厄の影にあるものを見つけることに。 『若き英国兵士』の冒険 ビル・クライダー The Adventure of the Young British Soldier かつてアフガニスタンでワトスンの命を救ったマリー氏の妻が助けを求めてベーカー街の家を訪れます。重病にかかっていると聞き、ワトスンはホームズと共に彼の家に向かいます。
あっさり見つけられた犯人も含め、展開がイマイチな事件でした。 白い馬の谷 シャーリン・マクラム The Vale of the White Horse 丘に描かれた白い馬=iアフィントンの白馬かな?)の目が赤いことに気付いたグリゼル・ラウントリーが白馬の丘に上がってみると、見つけたのは死にかけた見知らぬ紳士。「娘(メイデン)じゃない・・・」という謎の言葉を残して死にます。 捜査が行き詰まる中、現れたシャーロック・ホームズとジョン・ワトスンが発見したものとは。アンブリーの取り替え子≠フ悲しい伝説とはなんだったのか。 熱きまなざしの歩哨℃膜潤@ ジョン・L・ブリーン The Adventure of the Mooning Sentry 1917年初秋、といいますから第一次世界大戦の後半、英国にとっても他の国にとっても最もきつかった頃、ワトスンはアマチュア歴史家のサー・エルドリッジ・マスターズからパーティに招待されます。この時期に、と思ったのですがしばらく会っていないホームズも来るとなると断れません。 そこで展開したのは、映画とアメリカ人とドイツのスパイ事件。はたして犯人は。 世にも稀なる鳥の冒険 キャロリン・ウィート The Adventure of the Rara Avis ディオゲネス・クラブでホームズと私その兄マイクロフトと会いたいと望んだのは、パッチフォードというアマチュアの考古学者。七世紀の古い墓から、なんとエジプトの埋葬品として出土されるホルスの像とそっくりな玄武岩の像が出てきたのだという。見るかぎり盗掘にあった形跡のない完全な状態に、なぜこれが入っていたのか。 しかも調査を依頼されたホームズが、エジプト考古学の大家を招いて鑑定してもらうと、それは単なるホルスの像ではなく、その中に宝石に覆われた黄金の鷹が隠されていることがわかりました。しかもこれは、かの有名な世にも稀なる伝説のマルタの鷹ではないか、と。16世紀に行方不明となった宝物が、なぜイングランドの七世紀の墓に入っていたのか。 便利屋のマグパイが登場し、面白い役回りをします。 うろたえる女優の事件 ダニエル・スタシャワー The Adventure of the Agitated Actress アメリカでホームズ役が大当たりしたウィリアム・ジレットが英国に乗りこんできた時のお話。稽古中に、アリス・フォークナーを演じるミス・モード・フェントンのブローチが紛失します。なくしたのか、盗まれたのか。 ジレットはなんと実地でホームズ役を演じることに。 ハイランドの虚報事件 アン・ペリー&マラカイ・サクソン The Case of the Highland Hoax ライヘンバッハの滝を見にスイス旅行を計画していたホームズとワトスンですが、ワトスンは妹ハリエットとその牧師の夫タルボットの招待でハイランドに釣りに行くことに。そこで出会ったエドウィン・マリーという牧師と気持ちの良い一夜を過ごした翌朝、タルボットは卒中か何からしい症状で死んでいます。 知らせを受けて急行してきたホームズは、これは犯罪だと喝破します。しかもマリーとは「彼」の兄だと。 では彼らは、なにを企んでいるのか。 黄金の猿≠フ謎 ローレン・D・エスルマン The Riddle of the Golden Monkeys 1913年の夏、妻と死別して10年以上たったワトスンは、旧友ホームズの招きで久しぶりに彼に会いにサセックスに向かいます。彼が見せてくれたサックス・ローマーという作家の「怪人フー・マンチュー博士の謎」という本を見て、自分が書いたホームズ譚の盗作ではないかと怒るワトスン。しかし現れたローマー本人の真摯な態度に怒りを和らげます。 ローマーは理不尽な脅迫のことをホームズに相談しに来たのですが、東洋の猿の秘密とはなんだったのか。 奇妙なカナリアの事件 バリー・デイ The Adventure of the Curious Canary
他愛のない会話のあと現れた依頼人は、若い結婚を控えた未亡人メアリ・ルーカス。彼女はプロポーズされた地主サー・ジャイルズの家で起きた不思議な怪しい出来事を調べて欲しいと訴えますが、調査を始めたホームズの前でサー・ジャイルズは死にます。自然死のようですが、ホームズは殺人だと断言します。 カナリアは、犯人を示してくれるのか。 冒険≠フ始まる前 レノーア・キャロル Before the Adventures 1881年5月6日付けの手紙、という体裁で始まる文章は、ホームズ譚としてのちに有名になるシリーズものがどうやって生まれたのかを示しています──が。 手紙として始まったのに、途中で会話文がはさまれる物語文となり、バジャーと名乗る下町のがさつな、しかし天才的な推理力を発するロンドン子との出会いと付き合いとなり、「私」がどうやって生活を安定させて結婚相手を見つけたのかという話になり、バジャーとの付き合いを元に諮問探偵の冒険譚を書く話となります。 ふうん。 ホームズとワトスン──頭脳と心── フィリップ・A・シュレフラー Holmes and Watson. the Head and the Heart ホームズとワトスンという二人の人物の分析。うむ。 インターネット上のシャーロック・ワトスン クリストファー・レドモンド Sherlock Holmes on the Internet インターネット時代のシャーロッキアン活動とは、こんなふうになるんだよ、未来はすごいだろう、と言うお話。 今から20年近く前なので、かなり詳細に書かれてはいますが、いささか古いネタになってしまってますな。 シャーロッキアン・ライブラリ ジョン・レレンバーグ&ダニエル・スタシャワー A Sherlockian Library シャーロック・ホームズに関する出版物についての一覧。 この本が書かれた時点での、ですね。 シャーロック・ホームズに関する書物は、21世紀になっても健在です。 ──この先もそうあれかし、と願います。(2020/12/30) 読書メーターの記録より 読了:2020/4/27 |