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読んだ本の分類
作家番号: S127 須田武郎 すだ・たけろう
国籍: 日本 生没年:?
 ?
須田武郎
管理番号 書  名 メ  モ
S127-001 中世騎士物語 ファンタジー読者向けの中世絵巻
ページのトップへ   Ver. 3.01 
管理番号:S127-001 56 宗教史・文化史 出版社:新紀元社
書名:中世騎士物語 Truth In Fantasy ISBN978-4-7753-0997-1 C0122
  価格:800Yen ページ数:412P 本のサイズ:文庫
初版発行:2012/3/8 購入:2013/7/28 カバーイラスト:丹野 忍
「中世騎士物語」 須田武郎 Truth In Fantasy と題して、ファンタジー世界の副読本として刊行されたシリーズの一冊です。
 正しい、と言うと語弊はありますが、歴史上の騎士という存在をリアルに浮き彫りにして、初心者向けにまとめたのがこの本。

 西暦1165年11月11日、聖マルタンの日、とあるフランス王の家臣の三番目の息子として、のちにジェラールと呼ばれる赤ん坊が産まれます。のちにフィリップ二世となるフランス王家の男子は、同じ年の数ヶ月前に生まれています。こんな環境で生まれた彼は、王の臣下として戦い、やがて十字軍にも従軍します。そして1204年、名高いシャトー・ガイヤール攻略戦の戦いの中で命を落としたのでした。
 この架空の人物である彼、騎士ジェラールの生涯を追うかたちで、中世の情景が描かれます。

 守護聖人、暦、洗礼、宴会、ケルト(民族)、ローマ(という過去の歴史及び現在の権威)、誓い(とは騎士にとってどういうものか)、フランス(とのちに総称された地方)、カペー朝(と呼ばれてフランスに宗主権は持っているがかなり弱松だった王室)、えにしだの帝国(つまり名目上フランスの臣下であるはずの、イングランド全土とフランスの大部分を支配したプランタジネット朝)、従士、ゲルマン、サリカ法典、封建騎士、騎馬戦術、鎧、兜、楯、紋章、剣(などの武器類)、言葉、教育、修道院、開墾、一日のリズム、農法、裁判、騎士道(とはなにか)、宮廷、諸侯、騎士叙任式、トーナメント、結婚、傭兵、十字軍、ライオンハート(すなわちイングランド王リチャード一世)、騎士修道会、攻城戦。

 よくまあこれだけ調べたものだ、と感服。歴史マニアである鐵太郎は大半が知っている知識ではありましたが、それでもこれだけ一堂に集まればたいへんなもの。
 惜しむらくは、父の死後領主となった兄と疎遠だったというジェラードの生涯について、もう少し深い掘り下げ、組み立てがあってもよかったのでは、と思いましたが、こりゃあ無いものねだりですよね。(笑)  (2013/12/1)