グイン外伝 21～30

グイン・サーガ外伝　21～30　栗本薫
巻数	書　名	巻数
21	鏡の国の戦士	26
22		27
23		28
24		29
25		30

	Ver. 2.17

管理番号：K011-321

10G グイン・サーガ

出版社：早川書房

書名：鏡の国の戦士	グイン・サーガ外伝 21		ISBN978-4-15-030894-0 C0193
原題：The Warrior in Wonderland　（2007）		JA894　ク2-21　早川文庫6108
	価格：580Yen	ページ数：343P		本のサイズ：文庫
初版発行：2007/7/15	購入：2007/7/12	イラスト：丹野忍

　久しぶりの外伝です。またまた時代を飛び越していますね。
　今回の時代背景は、正伝の時代よりいくらか未来。正伝のごたごたが片づき、グインがケイロニアで王として統治している時代です。
　実はこの舞台は、1981年に外伝の第一巻「七人の魔道師」に描かれた遙か未来の話の、そのまたあとなのですよね。不幸な結婚にモンモンとしていたケイロニア王グインがドタバタのあげく、ヴァルーサという女を見つけて　　“そして二人は幸せになりました！”　というエンディングとなったのは、充分ネタバレでしょうが、書かないとこの話を紹介のしようがない。(笑)　ご寛恕願う前にネタバレした次第です。（おいおい）

　愛妾となったヴァルーサとの「結婚生活」は順調で、彼に心酔する家臣たちも微笑ましくそれを見守り、なにより岳父であるケイロニア皇帝アキレウス・ケイロニアも、二人の幸福を祈っている、という。
　お幸せそうです。いい話じゃありませんか。　（突っ込みたくてうずうずする気持ち、よくわかります！）
　ところで、正妻であるシルヴィア・ケイロニアの生死は、この巻には書いてありません。登場人物みなに忘れられ、話題にもならず、生死も定かならないこのお姫さん、どうなんでしょうね。名帝アキレウスが、愚かな娘だが目に入れても痛くないほどにかわいがっていたお姫様であり、グインの木訥な愛を受け入れて結婚したはずなのですが。(笑)

　さて、この巻は、幸せな新婚のグインを襲う三人（三匹？）の魔物の物語です。
　　蛟が池　　闇の女王　　ユリディスの鏡　の三編。普通のグイン物語は、原稿用紙100枚の小編が4作で一作になるそうですが、長年それになれていたと思ったのに、三編でもうまく書けたのかな？
　展開については、それこそネタバレそのものですので割愛。
　大団円のあと、いよいよグインの子が生まれるところで栗本式の無惨なヒキで終わります。
　こう言うところはうまいと言うしかないのかなぁ。

　突っ込みたいところはありますけど、時間をつぶすにはよい本かな。　　　　(07/7/26)