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 宇宙英雄ローダン 060～069  |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-060 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 060 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：破滅への種子 | ハヤカワ文庫SF389 早川文庫1101 | ||||||||
| 119 破滅への種子 | Staat des Verderbens | 1963/12/13 | ウィリアム・フォルツ | ||||||
| 120 惑星メカニカ | Der Planet Mechanica | 1963/12/20 | カール・H・シェール | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：320Yen | ページ数：269P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1980/5/15 | 購入：1980/5/13 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 119 破滅への種子 2104年9月、退屈な哨戒任務についていた重巡＜ガルフ・オブ･メキシコ＞は、地球から33,486光年離れた惑星を5つもつ赤色恒星スナルフよりから不思議な超光速通信を傍受します。 ベーコン苔と命名された惑星アツゴラで発見された胞子の解明に追われていた太陽系帝国は、この通信がベーコン苔と関連があると判断し、新型戦艦＜アイアンデューク＞にローダンら首脳が搭乗します。向かうは、スナルフ第二惑星スナルフォト。 そこで発見したのは、謎の種族が派遣したと思われるロボット船、偵察線“スカウト”（直径約60m）と、のちに現れた“播種船”（直径約1800m）。これらは、ベーコン苔が栽培可能な惑星を捜し、そこに胞子を流しが繁殖させるらしい。では、“収穫船”があるはずだ、とローダンらは推理します。 しかし、そのメカにニズムがうまく動かなくなっているらしい。なぜか。 この巻に、チェスター・マクダウェル博士という人物が登場します。浮浪者にまで落ちたが刻苦勉励の末、学位を取ってアツゴラの胞子ベーコン苔を研究するグループに加われるほどの碩学となります。この巻では、彼の経歴と活躍、父との葛藤などが詳しく語られるので、これは将来重要人物になるのかな、と期待させます。 ・・・まさかあっけなく、何の成果も上げられないまま途中で死んでしまうとは思いませんでしたよ、チェスターくん。 120 惑星メカニカ 同じく2104年9月。久しぶりの御大シェールによる、アトランの一人称で進むエピソードです。 リニア航行エンジンの開発者、アルノ・カルプ教授が再登場。相変わらず毒舌を吐くハムスターぶりを発揮します。舞台となるのは、リニア駆動戦艦＜アイアンデューク＞。 恒星スナルフを特定したのはアルコン帝国の情報によるものであり、このベーコン苔が重大な問題になりかねないと判断したため、わたしアトラン自らここに急行した訳です。 なにしろわたしが見る限り、アルコンにはこういう場合に使い物になるエージェントがいない。大評議会の連中など、どうにもならないほどに無能で、しかも何もかも知っているとばかりに尊大。科学者たちのチームがこのベーコン苔の分析を行いながら、小学生なみの手抜かりをおかしてその一部を、20億のアルコン人が住む帝国の商工業センターであるアルコンIIの大気中に漏らしてしまったと聞いたときは、さすがにわたしの忍耐も限度に達したもの。しかも、宇宙港のすべてを閉鎖命令する命令を、彼らは過去の判例より認められないと抜かした。このベーコン苔が無軌道に繁殖すれば、たちまちのうちにアルコン帝国は壊滅する。 思わず撃ち殺してやろうと光線銃を構えたわたしの光線銃をたたき落としてくれたのが、隣に立っていた友ローダン。 テラナーの建造した巨大なハイパーカム電波望遠鏡が、銀河系外になる15万光年先から発するハイパー通信波を関知し、そこにある、遙か昔に銀河系から離脱した赤色恒星を特定したのでした。これはアウトサイドと名付けられ、惑星が3個あることが発見されます。 ここに、ベーコン苔の“製造者”がいるのではないか。 わたしは、ローダンらと共に＜アイアンデューク＞で恒星アウトサイドに向かい、知性のないロボットばかりがいるらしいためにメカニカと名付けた第二惑星に着陸します。 訳者あとがき は、松谷さんのいろいろ。すぐに消えたチェスター・マクダウェルに関するハテナと、前巻でウリウ・セングがアフリカ人となっていたこと。 それと、70巻までのタイトルの仮題。 （10/4/25） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-061 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 061 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：トカゲたちの遺産 | ハヤカワ文庫SF397 早川文庫1128 | ||||||||
| 121 トカゲたちの遺産 | Das Erbe der Echsen | 1963/12/27 | クラーク・ダールトン | ||||||
| 122 大提督の死 | Der Tod des Lordadmirals | 1964/1/3 | クルト・マール | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：340Yen | ページ数：256P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1980/7/15 | 購入：1980/7/10 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 121 トカゲたちの遺産2104年10月、アルコンから8240光年、テラから37111光年離れた既知宇宙の周辺部に、アツゴの星と呼ばれる恒星があります。その第二惑星がアツゴラ。 ソラー級巡洋戦艦＜シリウス＞でレジナルド・ブル、グッキーらと共にここに向かったローダンは、ここでベーコン苔の収穫船を待つこととします。コマンドとして派遣されるのは、ラス・ツバイ、タコ・カクタ、そしてグッキーの三人のテレポーター。三人はアツゴラに着陸し、やがてだんだんと肥満していきます。 ようやく直径500m、全長2kmの巨大な転子状の収穫船が到着する頃には、かなり太ってしまった三人。 収穫船にテレポートで乗り込み、探索を始めます。はたして、知性体とコンタクトできるか。ベーコン苔が蔓延した惑星を救うことはできるのか。 その頃、銀河系の外縁部にある惑星メカニカで待機していた＜アイアンデューク＞のジェフェ・クロードリン大佐は、奇妙な紡錘型の宇宙船を発見します。リニア駆動で、銀河系間宇宙を航行しているらしい。どちらも、初めてのことです。いったい彼らは何者なのか。 ＜シリウス＞の任務が終わり次第メカニカの施設を破壊する命令を受けていたクロードリンは、去っていくこの宇宙船を追うことはできません。 122 大提督の死 テラ歴で2105年、アルコン帝国において、宇宙艦隊の高官である大提督テクスが暗殺されます。 太陽系帝国の大使としてアルコン星系に駐留していたジュリアン・ティフラー元帥は、アルコン人ではこの犯罪に対処できまいと苦々しく判断した皇帝ゴノツァル8世すなわちアトランの依頼により、ナイク・キントに捜査を命じます。 宇宙社会開発援助部第三課課長ナイク・キント大佐は、例によって自分の血圧について愚痴を言いつつロン･ランドリー少佐、ラリー・ランダル大尉、ミーチ・ハニガン軍曹、そして民間人のロフティ・パターソンを召集し、今回は自分も先頭に立って捜査に参加する事を宣言したのでした。珍しいこともあるもんだ。 さて、テラの作戦とは、射殺されたテクス提督のロボットのにせ者を作って、これを使って陰謀を暴こうというもの。 陰謀の陰には、誠実だと自称するアルコンから4万光年・テラから6万光年離れたところに住んでいるラウレル人という異星人もいる。彼らは一体何者か。 暗殺の背後にいたのは予想通りアルコンの旧家のようですが、アコン人の姿も見えてきます。 訳者あとがき は、松谷さんがドイツのSF雑誌「Perry Rhodan Magazin」の誌面に載ったこと。 SF総合雑誌らしい。エルンスト・ヴルチェクの「銀河の奇蹟」を翻訳したことが縁となり、ヴルチェクにインタビューされたかたちで載ったそうな。手紙のやりとりを会話文におこしています。 こういうものは好きではないという松谷さんも、押し切られるかたちながら楽しんで答えているようです。 （10/5/16） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-062 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 062 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：A=1の破壊工作者 | ハヤカワ文庫SF401 早川文庫1142 | ||||||||
| 123 A=1の破壊工作者 | Saboteur in A=1 | 1964/1/10 | クルト・ブラント | ||||||
| 124 心理決闘 | Das Psycho-Duell | 1964/1/17 | ウィリアム・フォルツ | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：340Yen | ページ数：260P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1980/8/15 | 購入：1980/8/8 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 123 A=1の破壊工作者2105年10月のこと。ミンテロル家はアルコンの旧家の中でも大きな家系で、反アトラン勢力の抵抗勢力の温床の一つです。路線の違いから一族のテクス大提督暗殺事件が発生し、一時混乱しましたが、皇帝ゴノツァル8世に対する陰謀は継続中。その背後には、アコン人の影が見え隠れしています。 アルコン帝国の実質的な統治を行っている巨大ポジトロン脳「アルコン摂政」は、現時点でアトランが皇帝としてふさわしいと認めています。しかしこの最奥にある中枢部A=1は、かつて時間転換機によってアコンの侵入を許し、基本プログラミングの書き換えが行われたことがあります。このアルコン帝国内での内紛という危機的な状況の中で、再び侵入とプログラムの書き換えが行われたらどうなるか。 8人のアコン人スペシャリストがA=1に潜入したという情報が入り、ローダンのコマンドはそれを阻止すべくアルコンⅢに急行します。はたして阻止できるのか。 124 心理決闘 テラの全艦隊は標準時で8時間以内に大帝国の版図より撤退せよ。しからざるときは、大調整官が大帝国の名において太陽系帝国に対し適当な処置をとるであろう。 大調整官とは、アルコン摂政のこと。大帝国を統率する巨大ポジトロン脳は、アトランを皇帝として認めず、自ら太陽系帝国との絶縁を宣言し、ミンテロル家のカルバがアトランに変わりアルコン摂政に承認されます。新皇帝ミンテロル1世として。 これを不服とするアトランに対し、ならば伝統的な心理決闘で判定すると宣言します。やむをえず、シミュレーションによる「決闘」を行うアトラン。その中身は、テラの西部の開拓地のような世界で、いくつのコロニーを開拓するかという奇妙なもの。 2105年12月3日、ローダンはその結果を受け、アトランを収容するためにアルコン星系に駐在するテラ艦隊にアルコン艦への強襲攻撃を命じたのでした。 このカルバ、名前だけ見たときにハテナ。ローマ皇帝ネロに対して次の皇帝として擁立された、こんな名前の皇帝がいたっけ、と。 調べてみたらこちらの原名はカルバ（Carbá da Minterol）、あちらの名は、ガルバ（Servius Sulpicius Galba）でした。周囲に期待されて帝位についたものの、民衆の支持を得られず失脚して短命政権に留まった人です。なにか連想するものがあるのかな。 訳者あとがき は、松谷さんのインタビューの後半。日本のSF界を少しでも紹介するために、楽しげにいろいろ語っています。 そしてローダン・シリーズについては、あと百巻訳すのが楽しみだし、これが自分のライフワークになりましたと。 30年前にそこを読んだとき、ちょっと心が温かくなったことを思い出しました。 （10/5/25） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-063 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 063 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：帝国の騎士 | ハヤカワ文庫SF405 早川文庫1155 | ||||||||
| 125 帝国の騎士 | Retter des Imperiums | 1964/1/24 | カール・H・シェール | ||||||
| 126 影たちの攻撃 | Die Schatten greifen an | 1964/1/31 | クラーク・ダールトン | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：340Yen | ページ数：274P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1980/9/15 | 購入：1980/9/13 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 125 帝国の騎士この巻はシェール調。アトランによる一人称です。 カルバが皇帝に任命され、アトランは地球に逃げ出さざるを得ない。しかし、それだけでは事態は解決できない。根本的になんとかしなければ。 ここでローダンの考案した作戦にアトランは驚愕します。なんと、ロボット摂政が建造された約6000年前に戻り、そこにウラニウムを使った超時限爆弾を仕掛け、現代この瞬間に爆発させて摂政を破壊しようというもの。 当時は皇帝ツトモル6世の治世。当時実在し、行方不明となった二級大佐トレスタ麾下の重巡＜ソタラ＞に偽装した彼らは、過去への旅に出ます。といっても、時間フィールドに包まれての旅なので、そこから出ると2106年2月の「現在」に戻ってしまうのですが。 はたしてこの作戦はどうなるのか。アコン人、ラス・トゥルのアウリスの悲しい最後は、必然か。 アルコン帝国最盛期の大科学者、大評議員エペトランは、彼らを見てどうしたのか。 ロボット摂政との抗争は、これで一段落付きます。 126 影たちの攻撃 ロボット摂政の破壊ののち、銀河系各所に散らばったアルコンのロボット艦艇は、そのまま自動で飛行しています。 これを放置することは、他の銀河種族の手に渡るという事ではなはだしく危険。太陽系帝国は多数の艦艇を飛ばしてこの回収に務めます。 この10万余隻のうち9万隻は回収したのですが、まだ1万隻ほど残っています。その一艦、ソラー級巡洋戦艦＜アルデミラン＞が三隻のロボット艦を発見したとき、同時に現れたのが20隻のスプリンガー船でした。やむをえずこの三隻を破壊する＜アルデミラン＞。 これ以後、探査コマンドには必ずミュータントが同乗することとなります。 ミュータント部隊の人数は数十人しかいないのに、数千隻の探査コマンドにどうやって分乗できるのかは謎です。 インペリウム級超弩級戦艦＜カエサル＞には、グッキーが乗艦することとなります。一緒に、若い女のネズミ=ビーバー、イルツが「見習い」として参加するのは、グッキーを愛するダールトンならではか。 絵に描いたようなツンデレとロマンスごっこを背景として、彼らは謎の敵と遭遇することになります。 輪郭がぼやけた人影が艦内に侵入してきます。謎の敵は＜カエサル＞を乗っ取って、なんとアンドロメダ星雲の方向にコースをとらせようとしたのでした。なんとか撃退できます。 エネルギー・ビームでの応戦の結果、少なくとも相手は相手も死ぬ存在であることは確認できました。しかしその正体は、謎のまま。 彼らは一体何者なのか。 訳者あとがき は、翻訳者仲閒の岡部宏之（1931～）さんとスキーに行った話。我流で覚えた松谷さんに対し、岡部さんは49歳（当時）でスキー初体験ながら、専門のプロにマンツーマンで教わったのだそうな。 この本の、アトランの転送機によるジャンプ失敗のゲラを読んでいたとき、スキーに行った先で岡部さんと会話してたっけな、とのこと。 そんなこともあったなぁ、とのこと。 （10/6/5） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-064 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 064 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：超空間からの殺人鬼 | ハヤカワ文庫SF409 早川文庫1169 | ||||||||
| 127 島宇宙のあいだで | Zwischen den Milchstraßen | 1964/2/7 | クルト・マール | ||||||
| 128 超空間からの殺人鬼 | Mörder aus dem Hyperraum | 1964/2/14 | ウィリアム・フォルツ | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：320Yen | ページ数：251P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1980/10/15 | 購入：1980/10/16 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 127 島宇宙のあいだで2112年5月、銀河系という島宇宙の外で、人類は始めて外銀河の知的生物とコンタクトしました。 コンタクトしたのは、観測ステーションBOB=21。30歳のエリック・フルヒトバール大尉を司令官とする、25人の要員が勤務する外宇宙に設けられた探知中継点の一つ。 いきなり、ハイパー重力ショックが発生し、数百光年先の空間に恒星が発生したような観測結果がもたらされたのが始まり。そして14分ごとに発せられる規則正しいハイパー波を受信したのです。これは自然現象ではあり得ない。 報告を元に直ちに動いたのは、ナイク・キント大佐率いる第三課。 2112年5月2日、ナイク・キント自身が率いる捜査チームが、半年前に就役したばかりの特殊艦＜ジョアン＞でスタートします。乗り組むのは、正規の乗組員以外には、ロン・ランドリー少佐、ラリー・ランダル大尉、ミッチェル・ハニガン軍曹、そして民間人のロフティ・パターソン。この＜ジョアン＞は、大きさは巡洋戦艦なみですが、「工廠巡洋艦」の異名を持つ艦内に工場を持って自給自足できる特殊艦なのだそうな。 地球から3万4千光年離れたアルコンⅢに＜ジョアン＞が到着したとき、BOB=21は新たな通信文を受けます。 “きみらは本物の生命体か？” これに対し、現場の判断で “しかり、われわれは本物の生物である” とBOB=21が回答を返した数時間後、遷移でもない、リニア飛行でもない方法で、異生物の宇宙船が実体化しました。ステーションよりの威嚇砲撃で制御を失い、BOB=21と激突。 しかし＜ジョアン＞が到着する前に、ステーション内に異常事態が発生します。透明ななにかが侵入したらしい。 乗っ取られたらしいBOB=21を救うべく、ランドリーのチームが転送機で潜入。しかし交渉を試みても、まったくコンタクトできません。 すると、宇宙空間にもう一つ、とんでもない物体が実体化しました。2kmほどもある方形で、基本形態は正八角形らしいのなのですが、それがなんとも形容しがたく歪んでいます。この宇宙船らしきものに対し、BOB=21を占拠した異星人がいきなり発砲。どうやらこの両者は敵対しているらしい。 いきなり銀河系間戦争に巻き込まれた人類、この先どうなるのか。この混乱の中で、ミーチ・ハニガン軍曹が行方不明となります。 128 超空間からの殺人鬼 没落したスプリンガーの族長トゥスネツェは、M-13星団の外縁でアルコンのロボット艦を発見します。収容して売り飛ばせば、落ちぶれたわが種族も繁栄できるかも、と考えて、オンボロの搭載艇を出す準備を開始。しかしこのロボット艦＜ハト=レテ＞は、すでにレヤ・レルフ少佐が指揮する軽巡洋艦＜フリスコ＞に発見されていたのでした。この国名クラスのフネはリニア駆動エンジンを装備した新型艦。レルフ少佐としては、この泥棒猫に貴重なアルコン船艦を取られる訳にはいかない。 スプリンガーの船を排除して＜ハト=レテ＞をコントロールしようとしたとき、いきなり宇宙空間に異様な方形船が現れます。断片（フラグメント）船とも呼ばれた、謎の宇宙種族。彼らは有機生命体を敵として認識しているらしい。容赦なく攻撃を加えて、
新しい旗艦＜セオドリック＞でM13星団外縁を航行中だったローダンは、直ちに急行し、この最新型超弩級戦艦でフラグメント船に強襲をかけます。しかし圧倒的な敵の攻撃力にかなわない。 ローダンはミュータント部隊のテレポーター三名、グッキー、ラス・ツバイ、タコ・カクタに命じて特攻作戦を行い、さらにフィクティヴ転送機を使ってミュータントたちの援護のため＜ハト=レテ＞へ潜入作戦をブラゾ・アルケル大尉に命じます。 「むろん断ってもいいのだぞ」 と言われて引っ込んでは、むろんもう彼の将来はない。かくして決死の作戦が敢行され、相手のロボット生命体を制圧したのですが、なんと彼らは勝てないことに気づくと、集団で自殺を図ったのでした。 彼らの正体は、まだ謎です。 新型戦艦＜セオドリック＞の名は、東ゴート王テオドリックからでしょうな。結構豪傑として有名だそうな。 戦艦の方は、航続距離60万光年を誇る最新型リニア航行艦。直径1500mのインペリウム級艦。艦長はジェフェ・クロードリン准将、副長レグ・トマス大佐、機関長スライド・ナクロ少佐。2113年までの短い間ですが、太陽系艦隊の旗艦となります。 また、スプリンガー船にもテラ艦にも、フィヘリネ（Vicheline）という不思議な生物が登場します。クモの巣みたいに透明で、軽く、宙にふわふわ浮いて漂っています。知的生物と会話ができて、宇宙船に乗り込んでさまざまなアドバイスをするらしい。そして、着陸した惑星の回数が多いほど地位が高くなり、20以上の星を回ると貴族、100をこえると王になるらしい。 奇妙でちょっと魅力的ですが、設定的にはあまりにも馬鹿馬鹿しかったのか、この巻だけで消えますね。 訳者あとがき は、映画「影武者」の話と、むかしアルバイトでエキストラをした話など。そうか、そんな時代だったんだね。 それと、SFマガジンの増刊号（1980年10月発刊）にローダンの500巻が載るというニュース。ただし松谷さんは手が放せないので、翻訳は沼野充義氏が行ったのだそうな。あまり記憶がないなぁ。 ちなみにローダン500巻は、日本版250巻「虚無より来たる」の後半、「虚無より来たる」の題名で1999年5月に発刊されました。松谷氏はすでに亡く、翻訳は五十嵐洋氏でした。 （10/6/20） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-065 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 065 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：惑星フラゴの囮 | ハヤカワ文庫SF412 早川文庫1183 | ||||||||
| 129 メカニカの猛火 | Atombrand auf Mechanica | 1964/2/21 | クラーク・ダールトン | ||||||
| 130 惑星フラゴの囮 | Frueiwillige für Frago | 1964/2/28 | クルト・ブラント | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：320Yen | ページ数：254P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1980/11/15 | 購入：1980/11/11 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 129 メカニカの猛火2112年7月5日、銀河系の外れの恒星アウトサイドを回る惑星メカニカより、巡洋艦＜マニラ＞がアルコンIに帰還しました。 アルコン摂政が破壊されてより6年、スプリンガーやアラスを始めとする内憂に加えて、謎の二大敵という外患をかかえ、ローダンの苦悩は深まるばかり。今や形骸と化してしまったアルコン皇帝の地位にあるアトランは、もはや名ばかりなのか。 謎の敵の一つ、フラグメント船を使う種族に関して、いくつか仮説が出ます。滅んだ有機知性体によって作られた文明が建造した船に乗る完璧に近いロボットなのか、その有機知性体はいまだに生きているのか、あるいは知性・感情を持ったロボットなのか。 惑星メカニカに、グッキーはまたしても侵入を試みます。今回は、グッキーがかわいがっている「ネコトラ」であるプッチーを連れて。人間に対して敵意を抱くロボットたちが、このトラにどう反応するのか知るため。 プッチーは、このテレパシー能力もある動物をモルモットにすることに乗り気でない。しかし本人（？）が来たいのなら別にかまわないと納得します。 脳からの脳波の発声を抑止するメンタル=アブゾーバーをつけたコマンドが、ロボットの問い「お前たちは本物の知性体か？」に対し「われわれも本物の知性体である」と答えます。しかしコンタクトの試みはうまく行かない。ロボットは惑星メカニカにアルコン爆弾に似た爆弾を落とし、破壊してしまう。これに巻き込まれたローダン危機一髪。 モルモットとして連れてきたプッチーがロボットに殺されたことでふてくされていたグッキー、さあどうする。 ネズミビーバーの女の子であるイルツとの仲は、相変わらず。このロマンス小説風のドタバタ劇を面白いと思う人もいるんだろうな。 この巻で、このロボットに対抗する目に見えない種族を、ローリン（Laurins 伝説の侏儒王）と呼ぶこととなります。命名者はローダンでした。 130 惑星フラゴの囮 知性を持ったロボットであるらしい敵を、ポスビ（Posbis ポジトロン生命体）と呼んだのはこの巻が最初だったかな。 ＜ファンタジー＞で一番若い将校だったブラゾ・アルケルも、それから十年たった今は大尉として超一流の火器管制将校です。 今回もまた“自由意志で”志願することを求められます。今回の任務は、裏切り者として追われてポスビのフラグメント船に収納され、フラグメント船の本拠の場所を探ること。 「さ、もう一本どうだ。ゆっくりふかして、いまの決定のことを考えろ。“撤回します”といますぐいえば、わたしは君に感心するだろう」 とローダンその人に、ブル、マーカントらが揃った席上で言われて、志願を撤回したらどう考えても彼の未来はない。 と言う訳でまたまた特攻作戦に出るアルケルくん。今回はミュータントも含む9人の選抜メンバーと共に、メンタル=アブゾーバーをつけてロボットに変装するのです。使うフネは、改装された＜アルタ=663＞。＜セオドリック＞の猛撃を受けて無事に危うくフラグメント船に“救出”されます。 貴重な情報の一つとしてこんなものが。コマンドに参加していたロボット学者ヴァン・モデルスは、ポスビはハイパートイクト方式伝導すなわち神経プラズマとポジトロニクスを直接繋ぐ方式で「思考」しており、通常のロボットではあり得ない学習能力がある、という。コンタクトをする回数によって学習レベルが高まっていくのです。これはローリンとの激烈な戦争状態の仲で進化した結果らしい。 敵にすれば恐るべき種族です。 またまたこの巻でもローダンがグッキーを怒らせ、むくれたグッキーはふてくされます。ダールトンの巻じゃないんだがなぁ。 訳者あとがき は、書くネタがなくなっちゃったんだけどなにか書けといわれる、という話。グリコのおまけみたいなもんか、だそうな。 と言う訳で、これからやっと山とかスキーの話が始まるのかな？ o(^-^)o ワクワク （「（10/7/4） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-066 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 066 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：生体ロボット、ポスビ | ハヤカワ文庫SF416 早川文庫1196 | ||||||||
| 131 近未来の監視ステーション | Das Versteck in der Zukunft | 1964/3/6 | クルト・マール | ||||||
| 132 生体ロボット、ポスビ | Die Macht der Unheimlichen | 1964/3/13 | クルト・ブラント | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：320Yen | ページ数：259P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1980/12/15 | 購入：1980/12/10 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 131 近未来の監視ステーション2112年5月、観測ステーションBOB=21から転送機によって脱出する際に、トラブルによってどこへともしれない宇宙に飛ばされたテラ製ロボット、ミーチ・ハニガン軍曹は、絶対零度の宇宙を孤独に漂流していました。だんだんと冷え切っていく体からは、すでに人間に偽装したバイオブラスト製の皮膚も剥がれ、むき出しのメカニズムが露出しています。 このハニガンが発した救難信号がキャッチされたのは2112年の11月になってから。キャッチしたのはパトロール中の巡洋艦＜ヴィトリオ＞ですが、調査の結果判明したハニガンの位置は、なんと銀河系のヘリからさらに24万光年の彼方だという。ハニガンの属する第三課の巡洋艦＜ヴォルタ＞と第一執政官ローダンが座乗する超戦艦＜セオドリック＞は、人類初の試みとしてこの銀河系間宇宙に飛び立ちました。 なぜかこの大距離を新型のリニア航行船はわずか数十時間で飛翔してしまったのですが、こりゃああまりにも早すぎるってことになり、のちに設定が変わりました。 時間の変位というあらたな謎と、ポスビの新たな形態と、いろいろ新情報が出てきます。はたして、ミーチ・ハニガンを発見して回収できるのか。 132 生体ロボット、ポスビ ロボット学者ヴァン・モデルスが登場したのは130巻「惑星フラゴの囮」からでしたが、この巻で本格的に本領を発揮します。 彼は現時点でわずか22歳ですが、ロボット学ではトップクラスです。ポスビの神経プラズマを調査して、その機械工学的な生体組織には驚異的な学習能力があり、それはポスビの生体プラズマとポジトロニクスがいわゆるハイパートイクト伝導（Hypertoyktische Verzahnung）で接続されているためである、という大胆な理論を提唱しています。 このポスビの脅威に関しては、太陽系帝国とアルコン帝国の中枢部の一部だけで秘密としていました。 しかし、銀河商人スプリンガーの用心棒である超重族の一人トツタルの率いる8隻の船団がポズビと接触してしまい、全銀河に向けて救難信号を放ってしまったのでした。もはやこの秘密を閉じ込める方法はない。 多少不本意ではあるものの、ローダンはこの船団と惑星パノト上の駐留基地にいるスプリンガーを救うために艦隊を投入することを決意します。超弩級戦艦12隻とスターダストⅡ級戦艦15隻でフラグメント船を攻撃しますが、圧倒的なポスビの攻撃に押しまくられます。 明らかに、彼らは驚くべき速さで学習しているようです。戦い方もどんどん変化しています。 テラナーが新戦法を考案して攻撃しても、瞬時にそれを解析して反撃してくる。しかも基本的にフラグメント船はテラの戦闘艦より強力です。これでは、いつかこちらが壊滅してしまう。 捕虜を取ったことがないポスビが、スプリンガー9千人ほどを惑星上に収納しているらしいと言う情報だけ確認し、ローダンらは撤退せざるを得ない。 訳者あとがき は、ミスプリントの件。 若い読者より、「・・・このシリーズぐらいミスプリントの多いのもめずらしい・・・ でも毎巻夢中で読んでいます・・・」 という趣旨の投書があったそうな。 “めずらしい”という言葉は、万巻の書を読み、それと比較した上で用いられるべきものであろう。人間だからかならずどこかに間違いがあるのは当然だが、それを最小限におさえようとわれわれは最大限の努力をしている。完璧な美人はおもしろみがないと居直るつもりもなく、・・・ と珍しくちょっとむきになったような松谷氏の言葉があったのち、びっくりするほどミスが多い原本についてひとくさり。この本の前半、131巻についても10箇所に上る明らかなミスがあったそうな。明らかにおかしいのに、版を重ねても訂正されていないというのは困ったもんだね、とか。 昔教壇にあったとき、教科書にしていたドイツ語の本で、なんと原本のまるまる一行が抜けていることがあったそうな。 正確を期すドイツ魂といっても、こんなもんさ、と。 （10/7/24） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-067 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 067 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：エヴァブラックの砲 | ハヤカワ文庫SF420 早川文庫1210 | ||||||||
| 133 ロボット、爆弾、ミュータント | Robot, Bomben und Mutanten | 1964/3/20 | ウィリアム・フォルツ | ||||||
| 134 エヴァブラックの砲 | Die Kanonen von Everblack | 1964/3/27 | カール・H・シェール | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：340Yen | ページ数：266P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1981/1/15 | 購入：1981/1/16 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 133 ロボット、爆弾、ミュータント2113年1月、＜セオドリック＞上のローダンは、二千隻の艦隊を率いて惑星パノトルにとらわれたスプリンガー救出のための“解放”作戦を敢行します。むこうは60隻以上の無敵のフラグメント船。 手元にあるのはアトランその人が運んできた超爆弾。アルコン爆弾が完成するまで最大の規模を誇った超大型の核融合爆弾で、一発あたりTNT火薬6600億トン相当。はるか昔に生産が終わっていたものを、急遽生産したもの。さすがに50発の生産しか間に合わなかったのですが、これを＜セオドリック＞にただ一台搭載されているフィクティヴ転送機によって難攻不落のフラグメント船バリアのすぐそばに転送し、爆発させてバリアを突破しようというもの。 ミュータント部隊まで投入したこの大作戦、成功するのか。 作戦は2113年1月31日に始まり、その日のうちに終了しました。 ま、油断のならない敵であるスプリンガーを、人類の仲閒であるとして救助する価値があるのかという点はまだしも、貴重な太陽系艦隊の艦船と訓練されたテラの乗組員を惜しげもなく犠牲にする価値はあったのか。 太陽系帝国は、この戦闘でアルコンのロボット艦48隻を含め1236隻の艦船を失い、高価な戦闘ロボットを8000体失い、数多くの人命を失います。この価値観、面白いね。  134 エヴァブラックの砲ハーレックという奇妙な生物を、ペット兼従者としてローダンからもらい受けたアトランの描写から。ちょっと知恵遅れの従者という風情でアトランの世話をみるチトロース星人で、40センチの長さの舌を持ち、シッポの先に三枚バネの生体プロペラを持つ。身長1.3メートル。食事を作り、アトランの気まぐれをなだめ、看護する。 見た目より知性がありそうな面白いヤツ、という雰囲気なのですが、困ったことにこの巻だけでこれ以後は出演シーンなし。よくあることなんだけどね。 今回はシェールの執筆ですので、例によってアトランの一人称で語られます。 “解放”作戦のための超爆弾を運んできてそのまま＜セオドリック＞にいるアトランは、ポスビとの戦闘に参加します。 偵察に行ったフィールパン少佐指揮する都市クラス軽巡＜ブレスラウ＞が帰還し、惑星エヴァブラックについて報告を入れたのは2113年2月。数千隻のパトロールによってようやく、ポスビの新たな拠点、恒星のない常闇の惑星を発見したのでした。 このエヴァブラックに強行偵察を行う作戦が敢行されます。偵察コマンドは、ローダン、グッキー、アラスのアンツタン博士、そしてこの私アトランだという。 この無謀な作戦によって、いったいどんな情報を得られたのか。 しかしこの作戦によって、ポスビとの戦いで何よりも貴重な、たった一基しかないフィクティヴ転送機が破壊されてしまったのでした。 訳者あとがき は、危ない思い出のこと。 1980年9月2日の夕方に松谷氏が山を降りるとき、小走りに駆け下りてきたら、枯れ枝らしきものを飛び越えようとしてそれが肛門に引っかかったのという。そのまま激痛と共にぐるっと120度ほど斜面を飛ばされたのだそうな。 この枯れ枝は、実は直径1.5センチ、全長110センチほどもある鉄の棒だったのだそうで、もしこの鉄棒の先が尖っていたら、もし当時の松谷氏の体重が80キロもあったら（ありがたいことに60キロもなかったそうな）、大事な肛門もその上も、大変な事になっていたかもしれない。 ここで教訓。余分な体重は減らすべし。（そこかよ） （2010/7/31） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-068 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 068 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：孤独の監視哨 | ハヤカワ文庫SF426 早川文庫1230 | ||||||||
| 135 孤独の監視哨 | Wächter in der Einsamkeit | 1964/4/3 | クラーク・ダールトン | ||||||
| 136 地下の怪物 | Bestien der Unterwelt | 1964/4/10 | クルト・ブラント | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：320Yen | ページ数：260P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1981/3/15 | 購入：1981/3/10 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 135 孤独の監視哨2113年2月、銀河系の外縁部、アンドロメダ星雲の方向に、テラナーは監視ステーションを設けて対異星人の観測を行い始めました。M=S=13は、銀河系星域より外縁に五千光年離れたところに置かれた最新型ステーションの一つ。レンズ状の形状で直径100メートル、中央部の厚さは50メートル。メンタル=アブゾーバーをつけた25名の要員が勤務しています。多数の同型ステーションが約50光年離れて配置されており、24時間ごとに監視本部に報告を送っています。 このステーションから発進したガゼル─円盤形宇宙艇─が、恒星もなにもない虚空の宇宙空間で、暗黒の惑星を発見したのでした。 ポスビが基地化した暗黒惑星エヴァブラックの例もあり、これを重視したローダンは、たまたま暇だったのか、自ら最強の旗艦＜セオドリック＞で急行し、この捜査のためにかつて手を貸してくれた友、超生物ハルノを呼びよせる必要ありと判断、なにも事件がなく暇だったらしいミュータント部隊の精鋭とアンティ30名を集め、一週間ものあいだテレパシーを集中してこの目的のためだけのためにハルノを呼び出しました。ハルノはむろん友ローダンのために駆けつけ、そのどんな距離のものでも直接見ることができる能力で協力してくれます。 これによりもたらされた情報により、ある惑星がポスビの脅威にさらされていることが判明。明らかにアコンの植民地らしい。しかしアコンはそれを認めず、ローダンらの救援の申し出を拒否し、それでも救助にむかうローダンらに巨大転送機をしぶしぶ提供しますが、ローダンらの艦隊が転送機をくぐった瞬間にそのスイッチを切ってしまう。 残されたアトランは、ローダンの座標を求めてハルノに協力を依頼します。 136 地下の怪物 惑星アフツォトへの潜入任務についたのは、ロン･ランドリー少佐率いる10名のチーム。むろんロボットのミーチ・ハニガン軍曹も参加しているのですが、他にも隊員がいるので、隠す理由が理解できないのですがロボットであることは隠しています。 アフツォトの周回する恒星フルアはアコン人の本拠ブルーの星系から20光年足らず。むろんアコンの勢力圏内。ポスビのフラグメント船が現れたどさくさにまぎれてここに潜入したという訳。 現れた奇妙で凶悪な、質量そのままに手の平ほどに小さくなる巨大風船型生物とか、アコン基地の反撃とかをかいくぐり、ランドリーの部隊は何を目的にここに降り立ったのか。アコン人の研究者の女性が現れ、一時敵対します。表紙絵に描かれていますが、むろん妙齢の女性はどんな人種でも美人であるのは常識ですので、決して大げさに書いてあるのではありません。 不思議な生物とか異常な生態系とかとんでもない気象条件とか、ネタはたくさんあったこの惑星ですが、この回だけでもう出てきません。 訳者あとがき は、夢という奇妙な現象についての考察。最後は、 夢ひとつをとってみても、ヒトの脳とはなんたるふかしぎなミクロコスモスよと感じいらざるをえない。このミクロコスモスを究めることは、マクロコスモスの場合よりもずっとむずかしいだろう。自分の乗ったボートのふなべりを押して進もうとするようなものだ。こういう神秘的なものを常時もって歩くのは、こわいような気さえする。 とシメます。 たしかにこりゃあ、SFのあとがきではない、エッセイですな。 （10/8/25） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-069 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 069 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：銀河への強襲 | ハヤカワ文庫SF430 早川文庫1244 | ||||||||
| 137 銀河への強襲 | Sturm auf die Galaxis | 1964/4/17 | クルト・ブラント | ||||||
| 138 無限大のリスク | Risiko unendlich groß | 1964/4/24 | クルト・ブラント | ||||||
| 翻訳：松谷健二 | 価格：320Yen | ページ数：256P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：1981/4/15 | 購入：1981/4/15 | 表紙・イラスト：依光 隆 | |||||||
 137 銀河への強襲クルト・ブラント三連投の二番目です。 前巻でアコンの基地よりテラナーのコマンドに合流したアラス屈指の科学者、クレ=タツは、ポズビ研究の第一人者ヴァン・モデルスと意気投合しました。クレ=タツの提唱する理論は、モデルスの主張するポスビのプラズマは人口的なものであるという理論に反するのですが、この根本的対立でさえ喧嘩腰にならない。ポスビの母星フラゴには、大量のプラズマがあり、それがポスビの意志を決定しているらしい。そしてプラズマは、一定以上の容量を得た時知性が生まれるという理論はこの二人が提唱したもの。 しかしそれが今銀河系に攻め込んでくるポスビに対し対抗策となるのか。 現在、銀河同盟を統括するのはローダン。ポスビに対して防衛戦の直接指揮を執るのはアトラン。二人は役割を分担し、なんとか戦線を維持しています。この間に打開策を考えなければ、銀河同盟は崩壊する。 都市名クラスの軽巡＜トーキョー＞が麻痺砲で捕獲したフラグメント船のプラズマが、ミュータント部隊の活躍でモデルスとクレ=タツの手元に運び込まれ、彼らの理論に基づく交渉用に使われます。 “本物の生命体であるがゆえに、われわれは内なるものを愛す。われわれは本物の生命体を助け、内なるものを救う” このメッセージは、銀河系の艦隊を圧倒的な勢いで強襲しているポスビのフラグメント船に届けられます。はたして、その結果は。 この巻には、オルフ・スタッゲという北欧風の名前をもつテラナーが登場します。金髪で肩幅が広く、23歳。太陽系艦隊に入隊後、3年で伍長に昇進したミュータント部隊の一員。テレパスで、パッシヴのテレポーター。 パッシヴというのは、他のテレポーターがジャンプした時のみジャンプできるという変わった能力。ミュータント部隊にテレパスは多いので、単独任務を行うには戦力としてあまり役に立たない。 中途半端に登場した中途半端な能力の人の通例で、クライマックスで自信を取り戻して活躍して舞台から消えていきます。南無。 138 無限大のリスク 2113年8月2日、ポスビのフラグメント船に乗船したローダン、アラスの生物学者クレ=タツ、テラのロボット学者モデルスは、ポスビとの間にとりあえず休戦を締結して、＜セオドリック＞に帰還します。たしかにこの遠征部隊500隻とは交渉できたが、その先はどうなのか。 「いまのところ一息つけるがな、ブリー、しかし、これに満足してはならん。銀河の命運がかかっている糸はあまりに細い。銀河外空間にあるはずのポスビの命令者とは、ハイパーカムでもテレパシーでも連絡がとれない。むこうとこっちのすれ違いではないかと思う。シンボルの形勢一つ間違えても、ひとつ誤解があっても攻撃が再開されかねない。そう思うとおちおちできないね」 というローダンの述懐は正夢になるのか。── なってしまいました。 この時点で、ローダン側はポスビと対等な、友人となりうる交渉をしていません。作戦を立て、欺瞞を使い、相手を研究し、もしつきあえるならつきあい、つきあえないとわかったら一瞬でも早く相手を壊滅させようとしています。そもそも、これが本来のエイリアンとの交渉かも。 クルト・グラント、クールですね。ダールトンの夢想的な理想主義とはちょっと違う。 ローリンの侵入に当たり、ポスビと連携を組むポーズを見せる作戦が失敗し、ポスビは銀河連合は敵であると再び断定します。たちまち始まる全面攻勢。あっという間に駆逐されるアトランの艦隊。失敗を悔いる若いモデルスの悲鳴。 アトランが目を怒らせ、あと一時間で駄目ならアルコンⅢ防衛戦から撤退する、と宣言したのは、この1万年生きつづけた不屈の男の絶望を示すものだったのか。ここを放棄してしまったら、銀河連合最大の兵器廠がなくなることを意味するのに。 モデルスとクレ=タツの最後の作戦は、このメッセージ。はたして、ポスビとコミュニケーションできるのか。 “本物の生命体と内なるものの奇蹟への攻撃！ 奇蹟を救い、本物の生命体を愛せ！”  訳者あとがき は、月山への登山記。というより、スキーツアーのお話。世界有数の豪雪地帯なので、ここではスキーシーズンは他のスキー場が店じまいした春先に始まるのです。1979年の春に松谷氏は、ここの温泉の若主人がスキーの名手で山スキーのツアーを企画しており、パーティーを募集しているという情報を聞きつけたそうな。さっそく同年配の友人を誘って参加します。参加者14名のうち50代は彼らだけだったそうな。当時松谷氏、51歳。 山でスキーを楽しみ、くたくたになって飲む最初のビールがうまかったとのこと。 その友人は、ツアーの一週間後にあっけなく交通事故で亡くなられたのだそうな。 つらかった記憶を、淡々と語れるまでには、いろいろなことがあったのでしょうね。 （10/9/1） |