トップへ戻る 読んだ本の分類 PerryRhodanリスト	宇宙英雄ローダン　320〜329　 巻数 　書　名 　作　家 320 大執政官の死 クルト・マール＆ウィリアム・フォルツ 321 自殺艦隊 Ｈ・Ｇ・エーヴェルス＆Ｈ・Ｇ・フランシス 322 静かな監視者の惑星 エルンスト・ヴルチェク＆ハンス・クナイフェル 323 永遠とのコンタクト クルト・マール＆ウィリアム・フォルツ 324 ユーロクとの戦い Ｈ・Ｇ・エーヴェルス＆クラーク・ダールトン 325 七銀河同盟 クルト・マール＆ウィリアム・フォルツ 326 ヘトス・インスペクター エルンスト・ヴルチェク＆H・G・フランシス 327 月面脳ネーサン ハンス・クナイフェル＆H・G・エーヴエルス 328 地球最後の奇術師 ウィリアム・フォルツ＆クラーク・ダールトン 329 アルクトゥルス事件 クルト・マール＆クルト・マール

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Ver. 2.4

R400-320	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 320巻			出版社：早川書房
書名：大執政官の死		ハヤカワ文庫SF1547　ウ1-320　5790				発行　1973年
639 大執政官の死		Der Tod des Grosadministrators				クルト・マール
640 狂った脳		Das verruckte Gehirn				ウィリアム・フォルツ
翻訳:林啓子		価格：560Yen	ページ数：271P			本のサイズ：文庫
初版発行：06/02/15		購入：06/02/12	表紙・イラスト：依光　隆

639 大執政官の死 　表紙絵は誰でしょうか？　 　銃を持っていて物騒な美女？　ご心配なく、これは当たり前の光景です。マルペの世界では、食事時だろうが司令室で勤務中だろうが、将校たるもの、権威の象徴として装填された銃を持つのが当然のことなのです。ですから何も心配には及びません。（それはそれで怖いよね？（笑）） 　さて、主役は「永遠に生きる男」アトラン。親友たるローダンの様子がおかしいことに懸念を持っています。 　ひとり不安を抱えていたが、ローダンを支える側近たちと語るうちに、彼らも共通の不安を持っていることを知ります。レジナルド・ブル、ジュリアン・ティフラー、ガルブレイス・デイトン、ジェフリー・アベル・ワリンジャー、フェルマー・ロイド。あのローダンはもしかして、偽物なのか？ 　対策を考える彼らを襲うものは、「オントイド」と呼ばれる怪しい「指」。 　強力にして、人類のレベルでいえば全知全能に近いはずの「それ」と「反それ」の打つ手が、なぜか甘いのはどうしてか。 　現れたのは、ローダンの愛する女性、オラーナ・セストレ。彼女が突破口になるのか。 　にせローダンの運命は？ 　西暦3458年1月10日、事態は驚くべき展開を見せます。 　うーむ、さすがはドイツ人。あの手で来たか！（苦笑） 　 　　640 狂った脳 　見かけはヤアンツトロン人だが頭脳はアッカローリーであるゼノ、そしてペトラクツ人、つまり爬虫類であるガイト・コールの二人は、孤独なローダンの同志です。しかし今回、ガイト・コールの姿は、さらにおどろおどろしく描写されます。 　身長1.7メートル、直立歩行する恐竜。肩幅はほぼ2メートル（！)。長い脚、力強い両手には6本指。ブルーグリーンの鱗。 　ペトラクツ人の詳細な絵とかフィギュアを作って、ローダン作家全員に配っておいたらよろしいのではないかとぼやきたくなる。 　このガイト・コールの「叔父アダク」という人物が登場します。なんとガイトの夢の中から現れたとか。 　その現象への疑問と、愚かなアダクと、それを庇うガイト・コールにいらつくローダン。 　1億4千万光年の彼方のカトロン銀河への遠征隊が始まります。総司令官は、むろんレイチャとなったヘルタモシュ。 　この長大な遠征が数行ですんでしまったのは驚異と言わずして、なんといったらいいのか。手抜き？(笑) 　カトロン銀河のヴラントンクという星系の第4惑星ペノロク。ここに着陸する先遣隊となったのは、ローダン、ゼノ、ガイト・コール、そしてなぜかアダク。この何ともはや無能で無責任で自信家のアダクが、探検の鍵となります。 　あとがきにかえては、林啓子さんのこういう言葉で始まります。 　「翻訳は女性のようなものである。美しければ忠実じゃないし、忠実であれば、きっと美しくない」ポーランドの諺だそうです。 　直訳は正確だが、日本語としては読みにくい。美しい読みやすい日本語は、原文から離れる。超訳は大胆すぎる。 　なんでも仕事は、途中も仕上げも難しいのです。　　(02/2/4)

		Ver. 2.8

管理番号：R400-321	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011550-8
書名：幽霊艦隊		ハヤカワ文庫SF1550　ウ1-321　5808					発行　1973年
641 幽霊ごっこ		Das Geisterspiel					Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
642 自殺艦隊		Die Flotte der Selbstmorder					Ｈ・Ｇ・フランシス
翻訳：五十嵐洋		価格：560Yen	ページ数：285P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/3/15		購入：06/3/11	表紙・イラスト：依光　隆

641 幽霊ごっこ 　プロローグの前に、ギルガメッシュ叙事詩からの引用が出てきます。 　謎めいています。暗雲たれ込む世界に、光が勝利するさまを語っています。 　何を暗示するのでしょうか。 　カトロン銀河を航行するヘルタモシュの艦隊116隻は、トリトレーアの情報に従ってノルテマ＝テインという重星系に接近します。むろん、デュラント人トラシュティンの身体におさまったローダンも同行しています。 　しかし、ここにおいてローダン、アッカローリーのゼノ、ペトラクツ人のガイト・コールの三人と、ナウパウム銀河の統治者であるヘルタモシュとの間で、微妙な利害の差が見えてきます。ヘルタモシュの目的は、人口爆発という時限爆弾を抱える自分の種族の生活圏の確保、もしくは生存です。これに対し、ローダンとゼノの目的は、まず自分の世界に帰還すること。同時にこの世界をの謎を解いて、よりよい環境とすること。 　同じであった両者の間の隙間は、ヘルタモシュにはまだ見えていません。 　ナウパウム銀河に蔓延する人口爆発の原因は、ハイパーディム放射を発する希少物質ウィフィノムでした。ハイパーディムの五次元放射は知性体の遺伝子をモデュレートして、生殖衝動を異常に高めます。繁殖衝動に加え、好戦性まで高めます。 　なんのために？ 　ハイパーディム放射によるバイオ感染を恐れるヘルタモシュに変わって、ノルテマ＝テインの第五惑星に着陸したローダン、ガイト・コール、ゼノの三人は、カトロン銀河を支配下に置くロボット脳と対決します。ここで恐るべき真実が彼らにショックを与えますが、そのショックは三人よりヘルタモシュの艦隊の人々に対してはより衝撃的でした。 　　642 自殺艦隊 　ナウパウム銀河の人々は、自分たちが強烈な繁殖衝動によって人口爆発を起こすようにモデュレートされた生物であるという事実を知らされます。驚くローダンの前で彼らは絶望のあまり、「死の告知者」と呼ばれる祭司を中心に集団自殺を図るのです。 　ローダンの制止も、理と情を尽くした説得も、なんの効果もありません。 　残された日数はあと四日。 　大恩あるヘルタモシュを瞞してでも、彼らの集団自殺は防がなくてはいけない。ここでローダンは、ロボット脳とヘルタモシュと両方に対して大芝居をしかけます。主役はむろん銀河系の大執政官ローダン。 　息詰まるような駆け引き。はたしてうまくいくのか。 　あとがきにかえては、コル・ミモのこと。 　複数の作家によるリレー連載のとばっちりか、この人物は「それ」の配下から「反それ」の手駒となり、どうも落ち着きません。 　こんな事もあるんだね、といいつつ五十嵐さんは、自己流の新しい説を展開します。 　なるほど、こう言うのもありか。　　(06/6/29）

		Ver. 2.9

管理番号：R400-322	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011556-7
書名：静かな監視者の惑星		ハヤカワ文庫SF1556　ウ1-322　5829					発行　1973年
643 静かな監視者の惑星		Planet der stillen Wachter					エルンスト・ヴルチェク
644 過去から来たゴリアテ		Goliath aus der Velgangenheit					ハンス・クナイフェル
翻訳:天沼春樹		価格：560Yen	ページ数：270P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/4/15		購入：06/4/8	表紙・イラスト：依光　隆

643 静かな監視者の惑星 　この一編は、一人称で語られます。 　しかしその「わたし」は次々と変わります。ペトラクツ人のガイト・コール。アッカローリーの脳をもったゼノ。レイチャであるヘルタモシュ。そして、太陽系帝国大執政官ペリー・ローダン。 　それぞれの立場、それぞれのメンタリティ、それぞれの思惑が交錯するなかで、惑星ペノロク上で、驚くべき事実が姿を現しました。 　まず、1億4千光年先のナウパウム銀河に残してきたはずのユーロクの生き残り、トリトレーアが現れます。いったいどうやって？　しかも、ナウパウム銀河で唯一パラレギュラー等価転送移植、すなわち完全無害な脳移植を行える唯一の惑星ヤアンツァルとこの惑星ペノロクの間が、ハイパー放射の構造漏斗を経由してつながっており、二つの惑星は固有重力定数が一致するという。 　かくして、ヤアンツァルとこのペノロクは、二つの銀河で唯一脳移植手術ができる世界であり、それに起因する大きな謎が収斂することがわかりました。 　これは何を意味するのか？ 　　644 過去から来たゴリアテ 　この一編も、次々と主役が変わる一人称で語られます。 　ペルトゥス脳の最後の一体を、志願した科学者ドンクトシュの身体に移植する。それにより、パインテクノ秘密を得る。 　この作戦は成功したかに見えます。ドンクトシュの身体の中で、身体の抵抗を越えてペルトゥス脳はいつの間にかドンクトシュの身体を制御していたのでした。それに気づかない一行は、ドンクトシュの導きのままに惑星の中枢部に侵攻する。 　そこにあるのはなに？　ゴリアテとはなに？ 　聖書の伝説にしたがってこれをゴリアテと名付けたのは、むろんローダン。 　はたして、ゴリアテを倒すことはできるのか。 　あとがきにかえては、天沼さんのブログの話題です。 　そんな時代になっているのですねぇ。自由に誰もが不特定多数にむかって自由に文章を書き連ねられる時代に。 　松谷さんが生きておられれば、ブログなど自在に使って登山日記などを公開していただけたでしょうか。 　もっと松谷さんの文章を読みたかった。　　（06/7/4）

		Ver. 2.9

管理番号：R400-323	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011569-9
書名：永遠とのコンタクト		ハヤカワ文庫SF1569　ウ1-323　5885					発行　1974年
645 カトロン派		Die Catron-Ader					クルト・マール
646 永遠とのコンタクト		Kontakte mit der Ewigkeit					ウィリアム・フォルツ
翻訳:渡辺広佐		価格：560Yen	ページ数：269P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/05/15		購入：06/05/12	表紙・イラスト：依光　隆

645 カトロン派 　惑星パインテクの地下ホールより、六次元性エネルギーからなるカトロン脈に乗って、ローダンの脳を宿したレイト人トラシュティンとサイナック・ハンターのトリトレーアは、ナウパウム銀河の惑星ヤアンツァルに帰還します。目的は、なにか。 　同時に発生するカタストロフィ。千二百人の人口を持つパルタコーン市の地下で、マグマの上昇による水蒸気爆発が発生し、都市が壊滅します。パルタコーン市の住民は慈悲深くも一瞬で死にますが、隣接するラカーン市はそうはいかない。地下何千メートルまで伸びた居住区の中で、ライフラインは寸断されます。 　この混乱の中で、化石と化していたペルトゥス脳の生き残りが、生きるための戦いを始めました。 　その陰謀を、なんとしてでも阻止しなければならない。もはや彼らの時代ではない。 　同時に、一億四千万光年先の惑星パインテクでもカタストロフィが迫ります。遠征艦隊は無惨に壊滅し、わずかな生き残りはヘルタモシュに率いられています。こちらにいる捕虜のペルトゥス脳が死んだ瞬間、ポジトロニクスはロボット部隊に異人の掃討を命じました。不意を突かれたレイト人は次々と殺され、ヘルタモシュの率いる生存者はわずか67人。 　頼みの綱はナウパウム銀河に飛んだローダンとトリトレーアのみ。はたして、間に合うのか。 　　646 永遠とのコンタクト 　ヘルタモシュは大破した戦艦の搭載艇4隻に分乗して、グロモ=モト星系から4光年離れたポク星系に逃げ込みますが、ロボット艦隊は容赦なく彼らを駆り立てます。ローダンがナウパウム銀河から救援隊を率いて戻ってこなければ、彼らの命はない。 　ローダンの盟友であるアッカローリーのゼノとペトラクツ人ガイト・コールは、彼らだけでグロモ=モト星系に戻ってローダンを待つことを計画しますが、そのための方法がない。その彼らの前に現れた謎の黒い穴。 　これは時間の井戸ではないか、とガイト・コールは考えます。かつて大宇宙の諸種族に知性をもたらしたと言う伝説の種族の。 　その井戸に腕を突っ込んだガイト・コールが引きずり出したのは、カリプソと名乗る小人。通訳兼デログヴァエニエンの人形つかいだと言います。敵なのか味方なのか。 　この小人が、はるか彼方の惑星テラにいる転送障害者アラスカ・シェーデレーアと関係があるとは．．．　誰も思わないでしょうな。 　さて、96隻の救援艦隊を率いたローダンは間に合うのか。　 　あとがきにかえては、渡辺広佐さん。ハワイの話題。 　今まで行かず嫌いだったハワイに行ったお話。それも、オアフ島ではなくてハワイ島。友人が結婚式を挙げるというので、これを機会にと行ったそうな。日本のすばる望遠鏡をはじめとして世界各国の天文台が集まるマウナケア山頂へ行った話は素敵です。　　（06/7/15）

		Ver. 2.10

管理番号：R400-324	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011565-6
書名：ユーロクとの戦い		ハヤカワ文庫SF1565　ウ1-324　5870					発行　1974年
647 パインテクの陰謀		Intrigen auf Payntec					Ｈ・Ｇ・エーヴェルス
648 ユーロクとの戦い		Der Kampf mit dem Yuloc					クラーク・ダールトン
翻訳：増田久美子・青山茜		価格：560Yen	ページ数：271P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/06/15		購入：06/06/10	表紙・イラスト：依光　隆

647 パインテクの陰謀 　ローダンの脳は、本来は惑星ヤアンツァルに送られるのではなく、惑星パインテクに送られるはずではなかったのか、という仮説は、どうやら信憑性があるらしい。もしそうであるのなら、パインテクからテラへ帰還できるのではないか。 　さらに、この古代の機械の使用方法もようやくわかってきた。希望がふくれあがります。 　しかし、この機械の不安定な動作状況を確認したトリトレーアが、一回しか動作しないかも知れないと言ったとき、アッカローリーのゼノの表情がこわばります。 　アッカローリーとは、人類の所属する世界とは逆の、反物質世界の知的生物です。彼の脳がここに来ていると言うことは、この世界は反物質でできているはず。すなわち、ゼノの方が生き延びる可能性が高い。 　なぜ優先権を主張してはいけないのか。 　何十年にもわたる異世界への漂流が、ゼノの心を蝕みます。あれほど協力し合った盟友が、憎み合う敵となる。どちらが先に転送されるのか。チャンスは一回しかない。 　ゼノの、生きるための陰謀が始まります。 　　648 ユーロクとの戦い 　ゼノの陰謀は、この銀河の知的生物の始祖ユーロクの最後の生き残りであるトリトレーアの反撃によってあっけなく潰えました。しかし、次に警戒すべき相手は、今度はトリトレーアでした。 　この銀河世界にはない経験と叡智をそなえ、バランスの取れた思考と的確かつ迅速な判断力を持つローダンに、トリトレーアは惚れ込んでしまったのです。この人物を自分の保護下におき、片腕としたいと考えたトリトレーアの思いを一概に否定はできない。何しろ、種族のたった一人の生き残りであり、この銀河の権力者・指導者にはなれなくても、相談役として導くことを望まれているのですから。 　しかしローダンには、故郷の世界へ一刻も早く帰還しなければならない。太陽系帝国を1000年以上にわたって統治してきた大執政官としての責任があるのです。西暦3458年4月24日のことでした。 　「銀河のチェス」サイクルは、いよいよクライマックスに入ります。 　あとがきにかえて　は青山茜さん。 　今回の後半、「ユーロクとの戦い」を担当しています。 　マドリッドで見た紺碧の空を思い出し、ナウパウム銀河にあるという荒野の広がる惑星イリヴィトムの空とはこういうものだろうか、などと思われたとか。 　増田久美子さん、林啓子さんとともに自称「美人搭乗員三名」、今後のご活躍を期待します。　　（06/7/22）

		Ver. 2.10

管理番号：R400-325	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011569-9
書名：七銀河同盟		ハヤカワ文庫SF1569　ウ1-325　5870					発行　1974年
649 暗闇のチェス		Schach der Finsternis					クルト・マール
650 七銀河同盟		Der Bund der Sieben					ウィリアム・フォルツ
翻訳：五十嵐洋		価格：560Yen	ページ数：287P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/07/15		購入：06/07/10	表紙・イラスト：依光　隆

649 暗闇のチェス 　暗闇の中で二人のプレーヤーの声、いや思考が響きます。 　勝ちを宣言する第一プレイヤーに、第二プレイヤーは短期間の延長を要求します。第四カテゴリーの武器の投入を妨害したではないか、と言う。 　しかし第四カテゴリーは禁じられているではないか、という第一プレイヤーの宣言に耳を貸さない。 　では三手ずつ、第三・第四カテゴリーの武器の使用なしで。 　ペリー・ローダンの脳が帰還途中であるとの情報は、テラのインペリウム＝アルファを震撼させました。 　アトラン、ロワ・ダントン、レジナルド・ブルは、受け入れセンターのある医療惑星タフンへ急行する事にします。万全を期すために、最小限ながら必要と思われるメンバーを選別して。 　サヴァイバル・スペシャリスト、ネリマン・トゥロッキーとポウロル・オクトクルを参加させる決断は、いつの間にかダントンとアトランの間で決定されます。なぜ？ 　しかし彼らがサイトの決め手となったのでした。 　ローダンは無事に生還できるのか。 　そして、＜それ＞と＜反それ＞の間に決着は付くのでしょうか。 　二年近く続いた「銀河のチェス」サイクルのフィナーレ、戦艦＜マルコ・ポーロ＞は、テラ標準時3458年5月3日、太陽系に帰還します。 　　650 七銀河同盟 　テラの人々の目の前で星々が消えたのは、3458年12月20日でした。 　太陽系全体が突然に大宇宙から切り離されたようです。太陽系内の通信・運行は可能ですが、太陽系外とはできません。通過不可能な五次元エネルギーのヴェールにおおわれているらしい。 　12月29日になって、太陽系帝国大執政官ペリー・ローダンより、ひとつの宣言がなされます。 　「ここに ”ケース・ハーモニー” と呼ぶ作戦を開始したい」 　何を行うのか。 　3459年1月5日テラ標準時午後6時、星々は再び輝きます。市民が安堵する中で、異星の宇宙船が姿を現します。 　ヘトランの告知者ホトレノル＝タアクと名乗る異星人は、人類が七銀河同盟の公会議に加わる名誉を与えられたことを告げ、公会議「七種族のヘトス」へ参加するために銀河の代表者を指名します。 　「われわれ、その代表に貴官を選んだのだ、ペリー・ローダン」 　「貴官が銀河系の第一へトランとなるのだ、ペリー・ローダン。銀河系の全治政体を代表して、七種族の公会議で発言してもらいたい」 　ローダンとテラの要人たちは、相手の高い知性と隔絶したテクノロジーを認識すると共に、権力闘争のうさんくささを感じます。しかし、拒絶はできない。メンバーを選別して召還に応じます。 　超銀河スケールの陰謀に巻き込まれたローダンの判断はいかに。 　異星人シスラペンであるカロベリアンという面白いキャラクターが登場します。大事な役どころになると思ったのですが．．． 　あとがきにかえて　は五十嵐洋さん。 　紙数が足りないとのことで、冒頭のロワ・ダントンのセリフについての解説と、今度15冊の仮タイトルの説明だけです。 　新しい局面についての言葉はありません。　　　(06/7/28)

		Ver. 2.12

管理番号：R400-326	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011574-5
書名：ヘトス・インスペクター		ハヤカワ文庫SF1574　ウ1-326　5903					発行　1974年
651 ヘトッサの反逆者		Die Rebellen von Hetossa					エルンスト・ヴルチェク
652 ヘトス・インスペクター		Duell zwischen den Sternen					H・G・フランシス
翻訳:渡辺広佐		価格：560Yen	ページ数：271P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/08/15		購入：06/08/09	表紙・イラスト：依光　隆

651 ヘトッサの反逆者 　銀河系から1223万光年離れたNGC3190銀河に運ばれたローダンのグループは、惑星ヘトッサで無聊をかこっています。ローダンのグループとは、ローダン、アトラン、ワリンジャー、グッキー、フェルマー・ロイド、ラス・ツバイ、ロード・ツヴィーブス、イホ・トロト、パラディン�Y。 　惑星ヘトッサとは、七銀河の七種族が公会議をする惑星。ここで審議が行われるのです。とは言っても、その七とはあくまで征服側の種族。征服された民族は数にも入りません。むろん、地球人も同じでしょう。ラール人はその大きな種族の一つ。 　しかしここで、ラール人でありながらヘトスに対して犯行を企てるレジスタンス・グループがあり、そのリーダーであるロクティン＝パルがローダンにコンタクトしてきたのです。 　惑星ヘトッサの中でヘトスの支配下から逃れる方法はありません。しかし、レジスタンスに拉致されたことにしたらどうなるか。 　このアイディアに基づき、極秘作戦が開始されます。 　　652 ヘトス・インスペクター 　3459年1月23日。地球において不思議な事件が発生しています。 　政治・経済の重要人物が、いつの間にか全く人格が変わっているのです。 　これはヘトッサのスパイ、「ヘトス・インスペクター」である、と考えたレジナルド・ブル国家元帥は、地球に残ったミュータント部隊を招集して捜査にかかります。リバルド・コレッロ、バルトン・ウィト、タクヴォリオン、メルコシュらの面ーは、地球全土で起こる異常な事件に介入し、ヘトス・インスペクターの探索を続けます。 　ラール人との戦闘も行われ、地球帝国が安易に支配を受け入れないという姿勢を見せます。 　レジスタンスに誘拐されたとされるローダンは、密かに地球に帰還しましたが、おもてだってこの指揮を執ることはできません。彼はここにいてはいけない人間だから。しかし、ローダンがもし、レジスタンスを逆に脅迫して地球に連れてこさせたのだとしたら。 　おもてだってラール人に反抗する姿勢を見せないようにしつつ、いかにこの支配から逃れるか。しかもこの危機的状況を、太陽系帝国内の反地球勢力に知られないようにしなければならない。 　ローダンと太陽系帝国政府の苦闘が始まります。 　あとがきにかえて　は渡辺広佐さんの「くじらの新しい食べ方」談義。 　世界の食文化は多様です。互いに感情的にならずに相手の文化を認め合うことは．．． まだまだ難しいのでしょうね。　　　(06/11/4）

		Ver. 2.12

管理番号：R400-327	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011578-8
書名：月面脳ネーサン		ハヤカワ文庫SF1578　ウ1-327　5922					発行　1974年
653 テラナーとレジスタンス		Der Terraner und der Rebell					ハンス・クナイフェル
654 月面脳ネーサン		Das Mondgehirn denkt anders					H・G・エーヴェルス
翻訳：青山茜・林啓子		価格：560Yen	ページ数：267P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/09/15		購入：06/09/09	表紙・イラスト：依光　隆

653 テラナーとレジスタンス 　エルクル＝アン＝テク星系の第三惑星ホプトレク＝ハイクのレジスタンス、シエテ＝トルは、ラール人より秘密の情報を手に入れます。本拠地の場所がラール人に発見されたらしい。なんとかしてこの情報をレジンタンスのリーダーに伝えなければならない。 　レジスタント・グループは訓練されており、末端の連絡員は、むろんリーダーがロクティン＝パルであることなど知りません。非常事態の連絡も巧妙な暗号を使って瞬く間に流れ、ハイパーカムによって宇宙に報告された情報は、ローダンと共にいたロクティン＝パルを驚愕させます。 　ラール人の探索を振り切り、かつラール人に服従しているかのように見せるために何をなすべきなのか。 　ぎりぎりの作戦が続く中、ローダンの穏健策にしびれを切らせたアトランが、単独行動をとることを決意します。はたして、ラール人の監視の中で疑惑を招かずにできるのか。 　　654 月面脳ネーサン 　セミ・ミュータントである火星人タッチャー・ア・ハイヌ大尉の宇宙船＜ヴィジョン＞の艦載ポジトロニクスは「エンジェル」と呼ばれ、秘書のように気が利き、恋人のように甘い存在。 　銀河系の太陽系帝国に敵対する勢力としては、元地球人系の銀河中央ユニオン、カルスアル同盟、原画連合ノルモンに加え、先住種族であるアコン人、スプリンガー、新アルコン人、ブルー族などがいます。このブルー族への説得交渉に、ア・ハイヌ大尉が派遣されることになりますが、派遣される前にブルー族の大艦隊がラール人の部隊に全滅させられます。ついに反テラで凝り固まっていたブルー族も、孤立していられなくなる。危機がないと結束できないのは、どこでも同じ事。 　この危機に当たり、地球も守りを固めなくてはいけない。しかしラール人に疑われてはならない。 　ここで、太陽系帝国の中枢である、ルナにある人工知能ネーサンをどう守るかが問題になります。ネーサンの記憶バンクの中には、人類の叡智すべてが詰まっているし、この情報を見れば、ローダンをはじめとする人類がラール人に心から服従していないことも一目瞭然。 　この記憶を守りきることはできない、とアトランは判断します。彼は、ネーサンの記憶をバックアップを取った上で消去することを提案します。ローダンはそれに反対します。 　しかしアトランは行動します。ラール人の妨害までも振り切って強行します。 　この作戦に成功したとすれば、アトランは太陽系帝国だけではなくラール人にまで追われることになりますが、アトランの決心は固い。 　あとがきにかえて　は、林啓子さんによる「ひしょひしょ話」ですかね。(笑) 　かつて、1998年に長野オリンピックに通訳アシスタントとして参加していたときの回想です。 　ア・ハイヌ大尉が自我意識を持ち始めたネーサンに、 　　「すべての生物には存在理由がある ・・・ その目的を達成した者だけが、はじめて充実感、尊厳、自由を得られる」 　と話しかけるくだりに深く考え察せられたとか。 　どんなものにも、教訓を見出して心の糧にすることができるものです。　　(09/11/18)

		Ver. 2.12

管理番号：R400-328	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011583-4
書名：地球最後の奇術師		ハヤカワ文庫SF1583　ウ1-328　5943					発行　1974年
655 地球最後の奇術師		Der letzte Magier					ウィリアム・フォルツ
656 秘密保持者		Der Geheimnustrager					クラーク・ダールトン
翻訳:天沼春樹		価格：560Yen	ページ数：285P				本のサイズ：文庫
初版発行：06/10/15		購入：06/10/07	表紙・イラスト：依光　隆

655 地球最後の奇術師 　西暦3459年3月の時点で、地球における宇宙心理学の泰斗は、カインデルという男でした。 　アトランがルナにある史上最大の人工知能『ネーサン』の記憶を消去して以来、その対策に追われる太陽系帝国首脳の会議室の席に招かれたのは、そのたぐいまれな知識による。 　アトランを捕らえ、処刑せよとラール人は要求するに違いない、これに対して対策を模索しつつ、思い悩む男たち。しかし、時すでに遅く、ラール人の手によってアトランは捕まってしまう。 　アトランの処刑をなんとしてでも防がなくてはいけない。それも、地球人より遙かに優れたテクノロジーを持つラール人に、ローダンらが服従したと見せかけながら。 　この難点を解決するために考えた作戦とは、ミュータントなどの能力も、地球人のテクノロジーも一切使わない手段によって、アトランとにせ者をすり替えなくてはいけない。 　肥満気味で禿げ頭、腫れぼったいまぶたに隠れた黒い目を持つ金の亡者アルパル・ゴロンコン、彼は同時に『大宇宙のチャン』の芸名を持つ、地球最高の奇術師でした。彼の腕を持って、アトランを救おうではないか。 　かくして、ラール人の命令どおりアトランを処刑し、それによって地球帝国の怒りと憎悪を一心に受けることを覚悟しつつ、ローダンは替え玉作戦を決行します。はたして、その行方は。 　　656 秘密保持者 　ハイパーディム技術者オラーナ・セストレ、ローダンを愛する女性がアトランの「処刑」を映像で見て激怒する場面より始まります。ローダンの愛するオラーナといえども、ローダンの本心はいまだに伝えられていません。怒りにまかせてローダンを責めるオラーナに対し、盗聴装置、監視装置に囲まれたローダンはあたりさわりのない言葉しか言えない。 　決裂する二人の仲を取り持てるのは、グッキーとアトランしかいない。 　しかし、そこに実はZGU、すなわち中央銀河ユニオンのエージェントだったゴロンコンが介入してくる。彼は、アトランが生きている秘密を持ってラール人に取り入ろうとします。その過程で、次々と彼を監視する者たちを殺しつつ脱走を図ります。 　このあたり、無茶苦茶な設定だと思いますけどねぇ。下っ端将校が殺傷力のある兵器を常に携帯し、何かというと撃ちまくる、ってな設定もそうだし、前巻で震える臆病者だった奇術師が、いきなり命知らずの秘密工作員になって次々と人殺しを行うってのも。 　しかも、作者はダールトンですぜ。納得いかないなぁ。 　あとがきにかえて　は、天沼さんの旅日記、かな？ 　学会へいくための、自宅から山形へ行く道すがらのいろいろが書きつづられます。 　天沼さんは所沢の山王峯にお住まいらしい。 　学会のあと、宴席に招かれてほろ酔い機嫌で高畠駅で迷います。このまま北へぶらぶら旅をしようか、家に帰ろうか。 　　　やはり帰ることにした。ローダンの締め切りが迫っているのだった。 　善哉！(笑)　　(06/11/16)

		Ver. 2.12

管理番号：R400-329	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン					出版社：早川書房			ISBN4-15-011588-5
書名：アルクトゥルス事件		ハヤカワ文庫SF1588　ウ1-329　5961					発行　1974年
657 アルクトゥルス事件		Der Arkturus-Zwischenfall					クルト・マール
658 暗黒星雲への飛行		Flug m die Dunkelwolke					クルト・マール
翻訳：増田久美子		価格：560Yen	ページ数：263P				本のサイズ：文庫
初版発行：2006/11/15		購入：2006/11/12	表紙・イラスト：依光　隆

657 アルクトゥルス事件 　アトランを処刑したローダンに対するテラナーの評価はどうなのか。 　とまどい、それでも信頼しようとしている、と言うまことに歯がゆい描写しかありませんね。まあしかたがない。物語の視点は、あくまで支配者側にしかないから。(笑いどころか？w) 　銀河イーストサイドでラール人の宇宙船SVE艦をやむを得ず撃破した＜マルコ・ポーロ＞がテラに帰還すると、さっそく「ヘトソンの告知者」ホトレノル＝タアクの警告が待っています。今後、銀河系内でたとえ一隻でもラール艦船が攻撃されたら、太陽系は破壊されると。 　その間隙をぬって、なんとラール人レジスタンスのリーダー、ロクティン＝パルが地球に潜入してきたのです。しかも、こっそり地球に潜伏するアトランの元に現れた。あまりに危険。 　この行為を、若さの未熟とあきれるローダンがちょっと笑えますな。 　そのあとの、ヘトソンの告知者相手の色仕掛け作戦は、ギャグなのかと思ってしまったり。 　なんだか変な一作ですね。 　　658 暗黒星雲への飛行 　銀河系には、ラール人の侵攻以前にラール人のレジスタンスがすでに侵入し、拠点を作っていたのだそうな。その謎の本拠は、暗黒星雲の中にあるという。 　この設定に無理があると考えても無意味。その場所は、銀河中枢部の“北”に位置する、「内部セクター・ゼロ北」宙域なのだそうな。直径ほぼ5光年の暗黒の球状星雲。内部に22もの恒星系があるという。21世紀に発見され、「ポイント・アレグロ」と命名されていたとのことですので、そろそろ発見されるはずです。(笑) 　暗黒星雲の中は危険宙域では、「宙航案内者」が必要だという。物質密度のあまりの高さとエネルギーの重層空間のため、通常の航法では暗黒星雲の中を航行できないとか。その「案内者」はプロヴコナーのロクティン＝パルの「友」だと言いますが、プロヴコナーではありません。ヒューマノイドらしいのですが、ハルト人を異常に忌み嫌っているとか。 　彼らが「ポイント・アレグロ」の中を水先案内している最中に、ささいな不注意から＜マルコ・ポーロ＞に乗艦していたハルト人イホ・トロトの姿を見てしまったことで大きく運命が変わります。 　あとがきにかえて　は、ドイツに再訪したい増田久美子さんのお話。 　矢も楯もたまらず、家庭の事情も顧みず、ドイツに飛んでしまったのだとか。 　そこでドイツで流行っていると言う日本産のゲームを紹介されたとか。「ズドク」といいます。 　なんだろう、それ、と考えてようやくわかった。ドイツ語では「su」を「ズ」と発音するのです。つまり、あの「数独」。81個の正方形が9の正方形に分かれ、あいているマス目に数字を入れて、1から9までの数字で完成させるという。 　昔買って放りだしていた物がありましたので、引っ張り出してきましたら、ハマってしまいました。(笑)　(06/11/24)