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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-370 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 370巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：ドッペルゲンガーの陰謀 | ハヤカワ文庫SF1744 ウ1-370 早川文庫6618 | ISBN978-4-15-011744-3 C0197 | |||||||
| 739 ドッペルゲンガー作戦 | Operation Doppelgänger | H・G・フランシス | 1975年10月 | 翻訳：渡辺広佐 | ||||||
| 740 オルクシィの制御責任者 | Die Schaltmeister von Orcsy | ウィリアム・フォルツ | 1975年11月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：265P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/2/15 | 購入：2010/2/7 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 739 ドッペルゲンガー作戦 3581年、ツァルツァーネ星系、惑星エンジョック。ラール人の占領下にあるこの惑星にも、NEIの工作員はいます。ここに、＜マルコ・ポーロ＞に座乗したローダンその人が来るというニュースが伝わります。 ラール人の支配下にあった住民は歓喜してこれを迎える。 しかし、＜SZ-2＞で銀河系に戻ってきたラス・ツバイはこのローダンと接触し、不信感を覚える。 そして、＜マルコ・ポーロ＞に潜入して気づく、これは偽物だ。 同時に、エンジョックに駐在していたNEIの工作員、ユプレ・フィスル・ストマルクフ、タッパー・フィルス・オイムレ、そしてストマルクフの従者トロ・ラト・ドウネらも、何やら異常な事態が起きていると気づきます。 この惑星上での先住開拓民とあとから移住した者との間にある階級差とか、ラス・ツバイの細胞活性装置の不調とか、細かいネタがいくつかでたエピソードでした。 ところで、細胞活性装置を他人の体に接触させるとその人間の不調を回復されるという設定は、今まであっただろうか？ 今までは設定に合わない体と接触すると、その相手は死ぬという話ではなかったかな。 740 オルクシィの制御責任者 3581年、春。アトランの創設したGAVÖK（銀河尊厳連合）には、反ラール陣営に属する銀河系諸勢力が集結しつつあります。その中でもハルト人は、しっかり同盟できれば素晴らしい仲閒になれるはず。しかし彼らのメンタリティは図りがたい。 NEIからの使者として二人のハルト人ルラトン・ペルラト、ジョタン・メンクと接触したコル・カルメクは、いわゆる「事情通」の一人。頭脳の中に「貯水槽」というコードネームで呼ばれる特殊保安処置を施されており、耐え難い苦痛を受けると、脳内の「貯水槽弁」と呼ばれるバイオモルプラストが溶解して生体組織を燃灼する有機酸があふれ出て、脳の特定部分を物理的に消去するようになっています。その過程で、正気を失う可能性もあるとか。これにより、NEIや暗黒星雲プロヴコン・ファウストや惑星ガイアの機密は守られるという。 ハルト人と宇宙でコンタクトしたカルメクは、近傍に巨大な球形艦が現れ、それが直径2500mの母艦クラス超弩級戦艦＜マルコ・ポーロ＞であると知ります。ペリー・ローダンその人が乗っているという。 地球生まれでなくてもテラナーであるカルメクは、ローダンの帰還を喜びたい気持ちはあるものの、彼はアトランの部下でありＮＥＩの一員。まずこれをアトランに報告すべきでないかと迷う。カルメクにとり、ペリー・ローダンは異人なのです。 アトラン率いる新人類と公会議との間ある「スタトゥス・クオ」、すなわち不満足な点があっても許容されねばならない現状を、ローダンは認めるのかどうかもわかっていない。今のローダンが、アトランが長年かかって築き上げた道を共に進むのかどうかは未知数。 しかも乗艦してローダンに出会うと、共にすぐアトランの元に行こうと言われます。 迷いつつ司令室の中を見まわしていたカルメクの目に止まったのが、スイッチの入っていないプロトン放射発電システムのパネル。 あ、と疑念が湧くカルメク。 120年間のローダンの不在の間に何が起きたかの疑問もあるが、それにもましてローダンの態度、側近の少なさ、あるべき基本システムの誤動作など、不信が高まります。 カルメクが非常事態に備えて用意されていた欺瞞星系オルクシィに＜マルコ・ポーロ＞を誘導すると、ラール艦隊の一群が現れて星系を遮断し、総攻撃にかかる。やはり罠か。 ここでカルメルが誇らしげにこれはトリックだと叫ばなければ、もう少し時間を稼げたんだがなぁ、と思う。 それにしても、囮となった恒星系に取り残された制御担当者のムサイたち、つまり人間ではないマルティ・サイボーグたちの悲哀や、カルメクの拷問の様子などを、細かく描写する必要はあったんだろうか？ あとがきにかえて は渡辺広佐さん。 一昨年、40年ぶりに高校の同窓会があったのだそうな。そのときに「歌会」を行い、皆で歌を持ち寄って楽しんだそうな。 最優秀に選ばれたのは、なんと渡辺さんの作品だったそうな。 田舎より来たかいのあり同窓会 千代田の城の桜花かな そうそう、渡辺さんって今年還暦ですってよ、奥様。 (*´・ω・)(・ω・`*) そーね、マルペは、若者だけのものじゃないのよね。 （10/2/24） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-371 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 371巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：にせ＜マルコ・ポーロ＞ | ハヤカワ文庫SF1745 ウ1-371 早川文庫6619 | ISBN978-4-15-011745-0 C0197 | |||||||
| 741 にせ＜マルコ・ボーロ＞ | Die falsche MARCO POLO | H・G・エーヴェルス | 1975年11月 | 翻訳：五十嵐洋 | ||||||
| 742 試練の帰還 | Rückkehr fraglich | クラーク・ダールトン | 1975年11月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：271P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/2/25 | 購入：2010/2/19 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 741 にせ＜マルコ・ボーロ＞3581年、“サイモンズ渓谷”というコードネームで呼ばれる銀河中枢部の恒星凝集域で合流したセンコ・アフラトが艦長を務める直径2500mの＜ソルセル=2 SZ-2＞と、アトランが座乗する新アインシュタイン帝国の小型艦。ここでアトランとセンコ・アフラト、それに＜SZ-2＞を指揮するラス・ツバイは会談を持ちます。＜マルコ・ポーロ＞の名で銀河系に希望をもたらしている艦は偽物であり、その行動によってアトランが長年の間に培った“スタトゥス・クォ”、すなわち危ういところで現状を維持する政策が崩壊しかねない。 この政策に関しては、いろいろと反発もあるが、現実主義者のアトランとしては正義を守るために一瞬で燃え尽きるような戦いはしたくない。臆病者、変節漢と罵られても、目だたないように、刺激しないように生き続けて力を蓄える事こそが、現状では最善と信じています。 地球が消えて後の長い年月の間に、なぜか＜マルコ・ポーロ＞に匹敵する戦艦を建造できなかったNEIでは、あの超戦艦が偽物だとしても、それに挑戦して打倒する力はない。そこで、現時点で最強の＜SZ-2＞がそれに当たることとなったのです。 にせ＜マルコ・ポーロ＞に座乗するにせローダンは、ラール人の専門家を迎えて死んだコル・カルメクの脳から情報を採取できないか調査します。地球人であるにせローダンが、ラール人の一人が魅力的な女性であると気づいたのですが、
活躍する女性は常に魅力的な美女であるというステレオタイプは、この巻でも健在ですな。 ＜SZ-1＞が接触した、謎めいた“巨峰イオタ”という植民地で遭難したという人類の末裔──イオタナーと名乗る──とのトラブルはなかなか面白いのですが、疑わしい謎のグループと接触するときに、最高指揮官であるアトランとラス・ツバイの二人だけで行くというローダン・シリーズらしい無謀さは困ったもの。しかし、アインシュタイン、マーク・トウィーン、ホレイショ・ネルソン提督、グレゴリィ・ラスプーチンら過去の地球の有名人物を模したキャクターを立てて＜SZ-1＞の乗員のプシオン成分、つまり生命力を奪おうとしたイオタナーが、この回の短い幕間劇だけで消えてしまったのは残念。 にせ＜マルコ・ポーロ＞は、艦内に捕らわれたハルト人の一人ルラトン・ペルラトの奮戦と死という助けも借りて、破壊されることとなります。 742 試練の帰還 同じく3581年の、銀河を放浪するローダンらの＜ソル＞です。捕縛したツグマーコン船＜モルゲン＞の飛行もうまくいき、惑星ヴォルターハーゲンで強奪した“ベラグスコルス”も＜ソル＞のロボット脳セタンマルクトに統合されました。テラナーの世代船＜ソル＞は、だんだんと地歩を固めていく。これらも闇のスペシャリスト、オルウとプィの助力によるものが大きい。 彼ら以外の闇のスペシャリストたちも、7人のゼロ守護者たちに一方的に利用される立場から救い出したいと考えるローダンらは、グッキーを派遣して新たなスペシャリスト、ヤイスカ、ワンズ、クウォッグらとコンタクトを取る事ができました。 しかし彼らを、ツグマーコン人の中から連れてくることができるのか。 ローダンはグッキーを直径60mのコルヴェットで派遣します。艇長はロブスター大尉、もう一人は天文学者のカルワンター少尉。この天文学者がなぜか名操縦者としての技量を示すのが不思議なところ。 さてグッキーはスペシャリストの一人、女性のヤイスカとテレパシーでコンタクトを取ります。テレポートを活用して異星人の宇宙船経由で惑星ケルノトに降りるとき、なぜかほかにはないテレポートを阻止できるバリアが張られたため、グッキーの精神力は一時的に衰えます。 惑星に降りたグッキーは、精神力が回復するまでおとなしくしていることにしますが、ここの住民の子供たちと偶然仲良くなります。 ここのツグマーコン人はテレパスはいないのにテレパシーをブロックする能力があり、テレパスの痕跡など誰もわからないのに脳にブロックをスイッチを入れるように張るのです。そのため、普通はローダンその人の思考をこっそり読むことができるグッキーでも、まったくここの住民の思考は読むことができません。不思議なことに。 そして超能力が回復したグッキーは、例によって隠密に事を進めるため、ツグマーコン人の兵士をテレキネシスで宙に放り上げてやっつけます。いかにもグッキーを愛するダールトンらしく、グッキーが活躍するためなら何でもありのお話。 宇宙をさまよう＜ソル＞では、もう遠征に出てから40年が経過しています。20歳で＜ソル＞に乗り組んだ60歳の少尉であるシェイク・カルワンターという軍隊の階級制度をひっくり返すような人物が出てきたりしますが、艦内の空気は彼の子供たちのように、＜ソル＞しか知らない世代が大部分を占めるようになっています。だんだんとテラだけでなく、元の銀河系、太陽系への憧れや帰属意識のない乗組員が多くなっています。これがだんだんと新しい空気を作っていくのか。 伝統とか、過去の歴史だけでは、今の人々の生活を決めることはできないという考え方、なんかヴィヴィッドですね。 あとがきにかえて は五十嵐洋さん。 依光先生の引退について。これ、追悼文みたいになっちゃってませんか？(笑) 鐵太郎としては、早めにあとの人に譲って、ゆっくり静養するという方法はなかったのかな、などと考えますが、どうだったんでしょうね。 正直言って、同じパターンの絵が続くことで、新しい読者にとっては障害になっていたかも。もっと早い交替があったとしたら、ローダン人気は上がったのかどうだったのか。今となってはもうわからないかな。 （10/3/13） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-372 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 372巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：最後のコルトン人 | ハヤカワ文庫SF1747 ウ1-372 早川文庫6635 | ISBN978-4-15-011745-0 C0197 | |||||||
| 743 次元地獄 | lnferno der Dimensionen | ハンス・クナイフェル | 1975年11月 | 翻訳：嶋田洋一 | ||||||
| 744 最後のコルトン人 | Die Letzten der Koltonen | H・G・フランシス | 1975年12月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：251P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/3/15 | 購入：2010/3/7 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 743 次元地獄今回は、主としてオデュッセウス・クーデ・ハルマルク、通称オディという人物の一人称で語られます。彼は＜ソル＞に乗り組む「惑星専門家」で、惑星生命体のことを学んでターザンのようなワイルドな技量を持っているらしい。宇宙戦の中で何の意味があるのかはわからないのですが。ディッポという相棒がいます。オディに突っ込みを入れる、言葉を話すシルバーの和毛のトビネズミ状の小動物。また、彼にはアルカレア・カサロニという15歳下のガールフレンドもいます。 拿捕したツグマーコン艦＜モルゲン＞の外郭が不安定化し、液状化していきます。＜ソル＞にもこの影響があるのか。ベラグスコルスの試運転と関係があるのか。 緊迫した情勢の中で、包囲するツグマーコン艦隊が＜ソル＞に攻撃をかけます。彼らの目的は何か。ローダンらはこの情勢の中で打開策を探る。不眠不休の活躍ののち、ようやく次元の境目のカタストロフィから脱出する＜ソル＞。 闇のスペシャリストらの助力を得てやっと危機を脱出したローダンは、艦内にいる愛人ベライン・パーサー船室に引っ込みます。ローダンの妻であるオラーナ・セストレはどこに行ったんだっけ。 終わったのは、3581年3月25日の事でした。 まあ、結局オディとかディッポとかアウカレアって、たいしたことはしていないよね。しかもこの回だけで退場みたいね。 744 最後のコルトン人 ツグマーコン人としては小柄な、250㎝程度の身長のオルウとプィは、普通のツグマーコン人ではありません。闇のスペシャリストという特殊な地位にあるだけではなく、そもそもレトルト生物、つまり人造人間なのです。5万年に渡ってツグマーコン人の独裁者ゼロ守護者たちがが公会議を支配する道具として使ってきた生物兵器なのでした。 彼らを作ったのは、ツグマーコン人の異端研究者であるガスコン・エルヨグのはず。 しかし、そうではなかったとしたら。 彼らは、もっと高度な存在によって作られたものであったとしたら。 仲間たちをゼロ守護者の奴隷の地位から救い出したいと考えるオルウとプィは、ローダンらに完全な信頼を置いている訳ではないが、＜ソル＞の助力を得て、カルミオンス=クロル要塞の闇のスペシャリスト10名と合流します。12人揃えば、彼らの力は最大になるのだそうな。 そこに現れたのは、かつてガルコン・エルヨグに闇のスペシャリストを作らせたという「コルトン人」の最後の一人、ヴォイロクロン。 「七種族の公会議」の、ツグマーコン人、ラール人、ヒュプトン、グライコ人、ケロスカー、マスティベック人の上位に立つのは、「闇のスペシャリスト」なのか、コルトン人なのか。 3581年4月8日、カルミオンス=クロル要塞への救出作戦が開始されます。しかしそれは救出になるのか。 グッキー、フェルマー･ロイド、タクヴォリアンらの決死の行動が何をもたらしたか。 最後のコルトン人、ヴォイロクロンの運命は。 ところで、ケロスカー語で「スカルニスコルスク」とは、乾杯という意味だそうな。いや、ただそれだけ。 あとがきにかえて は嶋田洋一さん。 「ビッグ･ローダンがあなたを見ている！」という言葉が本文に出てきますが、これはジョージ・オーウェルの「1984年（1949年刊行）」からの言葉だそうな。この原作が書かれた1975年から見ると、ずっと未来に見えただろうなぁ、という話。 それと、昭和40年前後の嶋田さんの子供時代。同じ頃のはずなのに、鐵太郎とは微妙に生活環境が異なっていましたね。不思議。 子供の頃の事は、いつまでたっても覚えていると共に、時代と共に懐かしくなるものですね。 （10/3/27） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-373 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 373巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：時間超越 | ハヤカワ文庫SF1749 ウ1-373 早川文庫6637 | ISBN978-4-15-011745-0 C0197 | |||||||
| 745 次元航法士の復讐 | Die Rache der Dimensionauten | H・G・エーヴェルス | 1975年12月 | 翻訳：五十嵐洋 | ||||||
| 746 時間喪失 | Der Zeitlose | ウィリアム・フォルツ | 1975年12月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：271P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/3/25 | 購入：2010/3/20 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 745 次元航法士の復讐闇のスペシャリスト全員が異星人の助力によって惑星ケルノトから逃走したというニュースは、ゼロ守護者たちを震撼させます。無数の保安･監視機構で守られたカルミオンス=クロルは難攻不落だったはず。 この善後策を講ずべく、7人のゼロ守護者が集合し、惑星ケルノトへの反攻作戦を整えます。七種族のヘトスの頂点に立つツグマーコン人の面子にかけて、その逃走を手助けしたテラナーと名乗る種族もろとも反抗を許してはならない。 テラナー側は、タッチャー・ア・ハイヌ大尉の一人称で描かれます。相変わらず、上司であるチベット人ダライモク・ロルヴィクと仲が悪いがいい（？）コンビ。今まで冷凍睡眠状態にあったのが、計画より3年早く蘇生させられたらしい。 グッキーと共に惑星ケルノトにいる闇のスペシャリスト救援のため、彼らはアラスカ・シェーデレーア、タクヴォリオンらと共に出撃します。相変わらずのイヤミ合戦ですな。肉体的暴力が昔より増えたようなのが気になるところ。 タッチャーが出会う「時間テレポート」ができるラクトン人フルティシュ=バンなど、面白い異星人などもいますが、なんといってもこの回では闇のスペシャリストが単純な「人類の友」ではないことが判明したのが大きいかな。そしてその数万年にわたる憎悪も。 オルウら12人は、ローダンの願いを無視して最後の行動に出ます。 746 時間喪失 この巻は、アラスカ・シェーデレーアが中心。今回表紙絵になりましたが、依光さんの絵より格好いいね。 3581年の「現在」より遡ること153年の西暦3428年、物質転送機で移動中に超空間でペドトランスファーを試みたカピンの断片が顔に張り付き、剥がれなくなりました。それを隠すためにマスクを付けていますが、そのカピンの断片は彼にいろいろな能力と不運を与えます。 3443年にシュミットと呼ばれるサイノスに渡された“殲滅スーツ”はアラスカになぜか適合しており、さまざまな局面で助けになりましたが、なぜそれが彼に託されたのかがわからない。 闇のスペシャリストたちが＜ソル＞の一室でブラックホールを召還したために、＜ソル＞の乗員が避難する必要が出ます。なぜこんな行為に出るのか。やがてスペシャリストたちは、同盟を結んだと思ったローダンらの意向を無視して、コルトン人を追ってブラックホールの中に入り込む。アラスカは“殲滅スーツ”を着て、衝動的にそれを追う。しかしアラスカが出たところは謎の場所。 “殲滅スーツ”の本来の持ち主であるカリブソは、「意識ある夢」を使ってアラスカを惑星デログヴァニエンに呼びよせたのでした。アラスカはそこに放置されます。アラスカが連れて来られたのは、人類200億人が消えたテラが見える時間の井戸。果たして人類はどこに行ったのか。 テラ歴で3581年12月にテラに付く予定のアラスカの運命や如何に。 あとがきにかえて は五十嵐洋さん。無茶苦茶短いね。 376巻から385巻の分の仮タイトル。翻訳チームのリーダーが五十嵐さんなので、五十嵐さんの時に発表する事になるようですね。だから、中途半端な巻数になるようです。 107ページの、タッチャー・ア・ハイヌが言った“ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン”なる悪態については、後日説明するとのこと。 （10/4/16） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-374 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 374巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：発信源グロソフト | ハヤカワ文庫SF1751 ウ1-374 早川文庫6652 | ISBN978-4-15-011751-1 C0197 | |||||||
| 747 発信源グロソフト | Die Körperlosen von Grosocht | ハーヴェイ・パットン | 1975年12月 | 翻訳：林啓子 | ||||||
| 746 時間喪失 | Raphael, der Unheimliche | クルト・マール | 1975年12月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：266P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/4/15 | 購入：2010/4/10 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 747 発信源グロソフト＜ソル＞搭載の軽巡洋艦SZ=1=K14こと＜クロンダイク＞は、＜テラ＞から半光年のところにある星系から出ているシグナルを調査するために、このジャグプルと名付けた恒星の第二惑星に向かいます。これは酸素惑星で、地球とほぼ同じ。黄道傾斜角がほぼゼロで、四季がなく衛星もないのに、ちゃんと高等生物がいるのでした。知的生命もおり、自分たちの惑星をグロソフトと呼び、自分たちをトナマー（Tonamer）と自称しています。文明程度は地球の中世程度。 自分を地球人と自称する地球人を見たいもんですなぁ。いやいや、閑話休題。 ここで＜クロンダイク＞の出番は終わり。グッキーとフェルマー･ロイド、そして操縦士としてジョープ・ベルトリ伍長が乗り組んだシフトが、＜ソル＞から直接発進します。 着陸したミュータント二人は、原住民の町で罠にかかり、不思議な異人に捕まります。彼らは400光年彼方の故郷からここに来て、見捨てられたのだという。 このエピソードの作家ハーヴェイ･パットンも、このグロソフトのトナマーたちも、一回だけの出演で姿を消すこととなります。こんなあっけないお話も、けっこうローダン･シリーズにはあるんですよね。 748 謎めいたラファエル テラの属する恒星メダイロンが、拡大する“喉”と呼ばれる銀河系の暗部に飲み込まれる事がはっきりしてきた今、動揺する市民たちがあちこちで暴発し、テラの為政者たちはその対策に追われます。独裁者トレヴォル･カサルは、この混乱を収拾するために、アイアンサイド神父の主催する“信仰の論理”に対する新しい方針を決定しました。壊滅ではなく、懐柔だという。 非アフィリーからなる「OGN 善良隣人機構」は大多数が転送機でテラを去り、残るはレジナルド・ブルをリーダーとするわずかな人数であり、彼らはアフィリーながらも反政府の姿勢を持つ“信仰の論理”グループと共闘しています。トレヴィル・カサルの友好政策は歓迎はするが、油断はできません。しかし、人類のためにといわれると、単純に反対もできない。 かつてアフィリー化事件が起きたとき、アシモフ回路が作動するロボットが叛乱を起こしたことがあります。それに対抗するために作られたアフィリー型ロボットK=2が、市民に何かの小さいライトグレイの錠剤を配っているという。その城砦を飲んだ市民のうち、ある確率で精神に異常を来したような現象が起き、調査すると非アフィリー化されている、すなわち普通の人間に戻っていることが発見されます。これは何を意味するのか。 この錠剤は、「潜在感情をパラ心理的・集中的に不安定化する Parapsychische Intensiv-Labilisierung Latenter Emotionen」と呼ばれており、その頭文字を取って「ピル PILLE」と通称されました。 地球脱出用の宇宙船の建造は、ギャラクシス級球形艦の建造として行われていました。しかしラファエルという謎の男が持ってきた新しい画期的な宇宙船のアイディアは、それを遙かに上回る恐るべきもの。直径800m、全長3000mのシリンダー型で、内部に同心円状にシリンダーが多数収められ、一隻あたり1000万人近くを運ぶことができるという。テラの400億人を疎開させるには、この規模が必要なのではないか。 また、これを建造するために千百年ほど前に閉鎖された「北のタイガーリリー」工廠が使えるという。 ブリーらの属するグループにとっても、カサルが支配するテラニア政府にとっても、これはまったく新しいアイディア。 ラファエルとは何者なのか。新しい第三の勢力とはいったい何か。アジア、上海にはいったい何があるのか。 あとがきにかえて は林啓子さん。 いろいろ翻訳していて、フォルツ、マールが好きな方なのだとか。苦手はクナイフェルさんらしい。 また、ドイツでは隠れローダン･ファンが多いそうですが、いまだにローダンが英語からドイツ語に翻訳されていると思い込んでいるドイツ人がいるらしい。 また、ドイツ人の議論好きに悩まされる話とか、欧州人独特のジョークなどにも、悩まされながらも楽しんでいるようです。 （10/4/29） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-375 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 375巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：ポスビの友 | ハヤカワ文庫SF1754 ウ1-375 早川文庫6655 | ISBN978-4-15-011751-1 C0197 | |||||||
| 749 成就の計画 | Plan der Vollendung | クルト・マール | 1975年12月 | 翻訳：青山茜 | ||||||
| 750 ポスビの友 | Ein Freund der Posbis | H・G・フランシス | 1976年1月 | 翻訳：増田久美子 | ||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：269P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/4/25 | 購入：2010/4/24 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 749 成就の計画3581年8月から始まります。今回は中国、1600年前には中華人民共和国だった世界が主な舞台です。 アイアンサイド神父が組織する“信仰の論理”に吸収されたかたちのOGN（善良隣人機構）のリーダーの一人、レジナルド・ブルは、変装してアモウアルという人物になりすまし、アフィリー政府の治安局に情報を売り込みます。今回表紙絵になりましたが、精悍ですね。 ピルが蔓延している地点の一つ、イーシェンに治安局のラオと共に潜入したブルは、このピルの出所を突き止めようとします。定期的にどこからともなく現れるらしいが、独裁者トレヴォル・カサルの秘密警察でも突き止められたかった謎です。 やがて発見される秘密は、アフィリカーによって「飼い慣らされ」たはずの超頭脳ネーサンに関係あるものでした。ネーサンは一体なぜ、どのようにこの件にかかわっていたのか。 「わたしは人類の“奴隷”である」 というネーサンとは、いったい何だったのか。
この争乱の中で、テラ標準時3581年9月2日、19時34分11秒、巡洋艦＜ジェミニ＞で地球を退避したブルら“信仰の論理”のメンバーの目の前で、テラはコンタクトを失います。同時に、何世紀もの間人類の参謀役であり不屈の存在であった巨大インポトロニクス「ネーサン」は、活動を停止しました。 アフィリーサイクルは続きますが、アフィリーが人類を席巻した時代は終わりです。 750 ポスビの友 このエピソードは、＜ソル＞指揮官であるペリー・ローダンと、ポスビのフラグメント船＜BOX=1278＞の船長ガルト・クォールファートの、二つの手記の形で描かれます。 記録は、どちらも3581年9月2日より始まります。 故郷銀河に到着したのち、かつて地球が巡っていた太陽系に帰着した＜ソル＞では、内部に問題を抱えています。この太陽系でテラが周回していた時代を知っているのは不死者たちだけですが、恒星メダイロンを周回するテラで生まれた者がいるし、宇宙をさまよう＜ソル＞で生まれ育った者もいる。後者は自分たちを「ソラナー」という言葉で呼ぶことさえある。第二グループも第三グループも、テラに対する郷愁は持っている。しかし、その思いは、微妙に異なっているのです。 とはいえわたし、ローダンの目で見て、彼らが真正のテラナーと言えるのか。 フラグメント船のわたし、ガルト・クォールファートは、もともとはテラナーの植民星オリウィンIV生まれです。墜落したこの船を調査せよというラール人の命令に従って乗船したものの、ポスビたち、マット・ウィリーたちに気に入れられてしまい、彼らが「不完全」と判断した体の部分を次々と生体ロボットに改造されてしまう。好意でされるだけに、始末におえない。頭に塔状のアンテナまで付けられてしまった。 太陽系に侵入し、120年間に何があったのかを突き止めようとするわたしローダンは、フラグメント船＜BOX=1278＞と接触し、ガルト・クォールファートより銀河の状況を聞きます。 驚くべき事がありました。ラール人に対して戦い続けていると思われたアトランが、“スタトゥス・クォ Status-Quo”政策を取っていたとか。
ローダンは、アトランと早急に連絡を取ることを決意します。 あとがきにかえて は増田久美子さん。 368巻の続きで、ドイツ旅行記の続き。ウルム、バーダーボーン、フランクフルト。マイン川。いいなぁ。 （10/5/3） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-376 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 376巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：ヴラト降臨 | ハヤカワ文庫SF1756 ウ1-376 早川文庫6672 | ISBN978-4-15-011751-1 C0197 | |||||||
| 751 ヴラト降臨 | Testfall Sonnenbote | H・G・フランシス | 1976年1月 | 翻訳：嶋田洋一 | ||||||
| 752 対立 | Die Konfrontation | H・G・フランシス | 1976年1月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：250P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/5/15 | 購入：2010/5/8 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 751 ヴラト降臨作家はおなじフランシスですが、この巻での「わたし」はガルト・クォールファートのみ。そう、表紙の下で女性を口説いているアンテナ頭の人。ただし、「わたし」以外の視点で話が進むときもあります。 惑星デンモルクIIのトゥーレ・パスカーは、ヴラト神官の見習い。巨大な宗教組織となったヴラドの教えを伝える神殿に使えるもの。この教団の不正に若者らしい義憤を感じていますが、ここにまさか本物のローダンが来るとは思っていない。むろん、偉大なるヴラドの神官たちも。 ガルトの助言を無視して、用意された華美な衣装を脱ぎ捨てて惑星に着陸した軽巡洋艦＜コルティ＞から現れたローダンですが、住民たちの反応に驚きます。半信半疑で殺到する民衆、このヴラトはにせ者であると宣言する神官たち、そしてその他の勢力。彼らは120年間でどのように変わってしまったのか。 輸送艦NEI=NU=TRANS=4で＜ソル＞への補給物資を運んできたジュリアン・ティフラーは、ついにローダンと再会します。友情を確かめ合う二人ですが、やがてアトランの政策に関して意見の相違があることに気づく。 752 対立 120年の時を隔てて故郷銀河に戻ったローダンは、ついにアトランと再会します。抱き合って旧友との邂逅を喜ぶ二人。 アトランが運んできた合成ではない新鮮な食料に狂喜する＜ソル＞の乗組員たち。 しかし、立場の違いはあらわになります。 ツグマーコン人を「ダッカル次元風船」に閉じ込めたことで公会議を骨抜きにしたローダンは、銀河系でも攻勢に出てラール人との全面対決に打って出る機会であると確信しています。一時の方便としてスタトゥス・クォ政策を取ったアトランの心情は理解するが、いまこの瞬間から自分の発案に従って我々＜ソル＞の精鋭を中心に大攻勢をかけるのが人類のあるべき姿、とローダン。 ラール人が頼りにする公会議のバックアップがなくなったとしても、現にラール人は配下の超重族と共に銀河系で絶対的な権力を確立している、スタトゥス・クォ政策によって強制的な奴隷化や洗脳、搾取などの極端な政策は自粛し、その代わりゲリラ活動も控えるという両すくみの状態で現場をかろうじて維持している今、下手に攻撃的な姿勢を見せればそれだけで複数の惑星が示威のためだけでも消滅させられる可能性もある。もっと時間をかけてゆっくりと進めるべき、とアトラン。 ローダンとアトラン。どちらも、互いに自分の長年かかって蓄積した判断は正しいと信じ、いずれ相手も自分の間違いに気づいて歩み寄るはず、と過去の友情を信じています。しかしどちらも、相容れない二つの正義、二つの判断があり得るとは思っていない。 あるいは第三、第四の正しい判断があるとも思っていない。 こんな彼らは、果たして人類を救えるのか。 あとがきにかえて は嶋田洋一さん。 2010年が日本SF界にとって喪失の年ですね、とのこと。 日本ファンダムの父・柴野拓美さん、翻訳家・小隅黎さん、翻訳家・浅倉久志さん。そしてその思い出。 2010年は、まだ前半も終わっていないのですが。 （10/5819） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-377 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 377巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：戦略家ケロスカー | ハヤカワ文庫SF1757 ウ1-377 早川文庫6673 | ISBN978-4-15-011751-1 C0197 | |||||||
| 753 戦略家ケロスカー | Strategen des Universums | エルンスト・ヴルチェク | 1976年1月 | 翻訳：嶋田洋一 | ||||||
| 754 ロルフスの幕間劇 | Zwischenspiel auf Rolfth | H・G・エーヴェルス | 1976年2月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：250P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/5/25 | 購入：2010/5/23 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 753 戦略家ケロスカー3581年10月29日付けの、タレイアという女性の日記から始まります。運命の恋人に会えたという嬉しさを書きしるしています。その運命の恋人とは、頭にアンテナをくっつけたガルト・クォールファート。ポスビとマット・ウィリーに「保護」され、一瞬でもその体が危険にさらされたと彼らが考えると、とたんにガルトの体は「修理」されてしまう。全身機械の体になるのは時間の問題か。 そんな男に惚れたんだから、この女性もいささか異常です。今度はポスビやマット・ウィリーに変わって私がガルトを「保護」しなくては、と抱きついてくる。正しいプレイボーイの伝統を引くガルトは、女に惚れても捕まえられるのは嫌。てな訳で起こる珍騒動。これがサブプロット。 アトランとの交渉が決裂したローダンは、＜SZ-2＞とも合流し＜ソル＞を元のダンベル型に戻すことはできましたが、あてにしていたウルトラ戦艦を手に入れられず、やむなくポスビのフラグメント船を使って作戦を開始します。80年がかりで銀河系から公会議の力を追い出すというケロスカーの作戦を実行するために。 754 ロルフスの幕間劇 古代ローマの“アルヴァル兄弟団”という農民たちの集まりが残した神への賛歌に、ラール人という言葉があるのだそうな。 過去にラール人が地球を訪問した事があるのか。 ＜ソル＞から発進した偵察専用スペース・ジェット＜ゴースト＞を指揮するのは、ダライモク・ロルヴィク少佐。ただし例によって寝ているので、実質の指揮はわたし、タッチャー・ア・ハイヌ大尉が執っています。（この二人、ずっと階級が変わりませんな） 例の如くのロルヴィクのいびりに対してタッチャーがコーヒーに入れた幻覚剤によって、ロルヴィクがいきなり霧になってしまう。なにしろこのデブのロルヴィク、純粋な人間ではなく人間の姿を借りたサイノスの子だというし。このため起きる一騒動。 ローダンの作戦によってフラグメント船でラール人の元に潜入した26人のケロスカーですが、ラール人ホトレノル=タアクが自分たちを疑っていると疑い、そのうちの3人が失踪してしまいます。彼らの不在が見つかれば、ローダンの計画が無に帰してしまう。 アトランは再びローダンと会談を持ちます。しかし、ローダンが昔の自分の部下であるタコ・カクタに過去の友情をたてに直接命令を下したことで、両者の中は険悪になります。なんだかなぁ。ローダン・シリーズは情実だらけのミリタリー世界だからなぁ。 あとがきにかえて は今回も嶋田洋一さん。 ｔｗｉｔｔｅｒのこと。インターネット上のこの新しいサービスにはまっているそうな。 はまった話と共に、最後にこの読みをどうするの、という話になるのは、翻訳者だからでしょうか。 「ツイッター」という表記が多いようだけれど、「トウィッター」とか「トゥイッター」という少数派もあるよね、とのこと。 日本語は、欧米の言葉とは基本的なところが違います。特にタ行は三つの子音が入り交じっています。 この先もこんな混乱が続くよね、とのこと。ふむ。 （10/5/27） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-378 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 378巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：星の非常シグナル | ハヤカワ文庫SF1759 ウ1-378 早川文庫6691 | ISBN978-4-15-011759-7 C0197 | |||||||
| 755 ケロスカーの逃走 | Die Flucht der Kelosker | H・G・エーヴェルス | 1976年2月 | 翻訳：五十嵐洋 | ||||||
| 756 星の非常シグナル | Ein Sten funkt SOS | H・G・フランシス | 1976年2月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：287P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/6/15 | 購入：2010/6/12 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 755 ケロスカーの逃走ラール人のところにローダン側から寝返ったと思わせて潜入したケロスカー26人のうち、怖くなって逃げ出した三人のケロスカー、ツァルトレク、スプリンク、プラゲイのお話。3681年11月。 雪と氷の惑星ロルフス上を逃亡するうちに、彼らはオンタク人という土着の原始的な知的生物に出会います。彼らに神と崇められたのはいいのだけれど、オンタク人はこの異生物を崇めて食べてしまおうと考えているらしい。こりゃ大変。 危ういところを救い出してくれたのがテレポーターのグッキーとラス・ツバイ。この三人を救出し、ラール人の元にこっそりと送り届け、もっともらしい言い訳を考えなくてはいけなくなります。 消えてしまったダライモク・ロルヴィクとあわてたタッチャー・ア・ハイヌのドタバタ劇も、平行して進行します。 ローダンの80年計画、はたして無事に進めることができるのか。 756 星の非常シグナル 女が異常に多いオヴァロンの惑星の話です。 ここの女性が高重力のため腕力が強く押しが強いと言う設定と、公認一夫多妻の制度の中で男性優位をさりげなく持ち出す設定の微妙なアンバランス。彼女らの望みは、人口の男女比のアンバランスをなんとか解消して、しかも普通の家庭を営みたいということ。だから一夫多妻も認めるという。 さて、いつまでたっても妻帯しないので恨まれているレジナルド・ブルとロワ・ダントンは、ローダンなど別の世界のテラナーがこちらを発見するための「宇宙のサイン」を計画しています。巡洋艦＜ジェミニ＞に搭載された機器のひとつ、インメストロン刺激フィールド・パルセーターを使い、特定の恒星をいわば“加熱”し、五次元ベースで作動する“標識灯”を作ろうというもの。自転する恒星の一箇所で五次元的に“発光”させ、うまく調整すればSOS信号でも送れるではないか、という。 女性陣はこれを知り、それは危険であると考え、なんと＜ジェミニ＞に爆弾を仕掛けて爆破してしまう。 平行して、古代に残された2万2千隻のレムール艦の廃墟から使える船を回収するコマンドが、ロワ・ダントンの指揮で＜ファラオ＞を使って飛び立ちます。上手くいけば、数千隻の艦船を確保できるかもしれない、と思われたのですが．．． すべてが終わったときレジナルド・ブルは、恒星ファインダーを見上げ、今日この日に思いをいたす。3571年12月24日の夜でした。 一世代でいいから遺伝子的に充分混淆されるように設定して人工授精してしまえばすむではないか、と考えるのは変なのかな。なんだか不思議な世界です。個人的意見を言うと、異様で不快な設定なのでこんな世界もありかという気にはなれませんな。 そうそう、地球から離れ、何百年もたっていまだにクリスマスという儀式は残っているのかな。無邪気な設定が楽しいね。 あとがきにかえて は今回も五十嵐洋さん。 「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」とは、昭和62年刊の136巻「ネッター来襲」で松谷さんがあとがきで説明しているのですが、15～16正規の喧嘩っ早い貴族なのだそうな。この人の逸話ををゲーテが戯曲化し、その中で「おれの尻の穴をなめろ！」という当時としてはおっそろしくショッキングなセリフがあるのだそうな。これを19世紀のドイツの大学生が、ひねくって使ったのがこの言葉。 つまり、「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」、あるいは短縮して「ゲッツ！」というだけで、わかる人には「尻の穴・・・」という罵倒の意味になるのだそうな。要するに、にちゃん用語みたいなもんですな。 （10/6/25） |
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Ver. 2.23 |
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| 管理番号：R400-379 | 10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 379巻 | 出版社：早川書房 | |||||||
| 書名：人類なき世界 | ハヤカワ文庫SF1760 ウ1-379 早川文庫6692 | ISBN978-4-15-011760-3 C0197 | |||||||
| 757 人類なき世界 | Welt ohne Menschen | ウィリアム・フォルツ | 1976年2月 | 翻訳：赤坂桃子 | ||||||
| 758 テラの孤独者 | Die Einsamen von Terra | ウィリアム・フォルツ | 1976年2月 | |||||||
| 発行 1975年 | 価格：580Yen | ページ数：271P | 本のサイズ：文庫 | ||||||
| 初版発行：2010/6/25 | 購入：2010/6/26 | 表紙イラスト：工藤 稜（くどう・りょう） | |||||||
 757 人類なき世界表紙絵は、むろん「マスクの男」アラスカ・シェーデレーア。3581年4月。 42年前の3540年7月に＜ソル＞に乗り組んで数千名がテラを去ったのに、42年の時を隔てて、不思議な運命に導かれて彼一人が戻ってきたのでした。 肩に乗るのはカリブソと名付けた子犬。背後の馬で旅することになりました。 彼がデログヴァニエンの時間の井戸を通過して現れた先は、惑星テラの“ティアワナコの太陽の門”の前。かつての南米ボリビア。現在はティワナクと呼ばれるのが普通だそうな。チチカカ湖の南にあります。 ティアワナコの村は無人。誰もいません。子犬だけ。 全長20mの小型宇宙船＜ヒュプファー＞は、単独で数万光年を飛べる遷移エンジンを搭載しています。異星人ドウク・ラングルたちは、テルムの女帝の命令に従って“無限のループ”に従事していますが、自分たちが何者なのかわからない。もしやロボットではないかとも疑っています。彼らは惑星を二つ従えた恒星系に侵入し、大きな衛星を持つ惑星に着陸します。 ヴァティカンの地下図書館に取り残された、精神を病んでいるアルロ・コルブチェッティ。庇護してくれた免疫保持者のファスコンティ枢機卿がいなくなってから、ひとりぼっち。そこへ、小型宇宙船が着陸してくるが、彼には何のことだかわからない。 この不思議な宇宙船の異星人と接触したアルロは、どうなったのか。 758 テラの孤独者 続けてフォルツ作。奇数-偶数と同じ作家が書くのは珍しいんですけどね。 3582年1月、テラニア。発明家サンテ・カヌベ、マーラ・ボオテスことマルボオ、そしてボクサーのジャン・シュペイデック。 取り残されたわずかなこの三人と、アラスカ・シェーデレーアがテラニアでようやく顔を合わせたのち、宇宙船＜ヒュプファー＞の異星人とも出会います。はたしてこれによって何が起きるのか。 このころのローダンの常として、女がいると必ず美女であり、セックスに関するトラブルが起きます。こう言うのを面白いと思う文化的な背景があるんでしょうね。文化の違いというともう一つ。カヌベとマルボオの出会いの時カヌベが裸足で現れます。あとがきで書かれていますが、これは恥ずかしい姿なので笑いのネタなのだそうな。日本人から見ると、靴を履かないでも別におかしいとは思わないので、日本では作者が考える笑いは得られないんですよね。 あとがきにかえて は赤坂桃子さん。 通訳の仕事で感じた文化の違いあれこれ。でも1ページってのは寂しいね。 （10/7/13） |