ローダン 470-479

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　宇宙英雄ローダン　470～479　

巻数	書　名	作　家
470	暗黒星雲誕生	エルンスト・ヴルチェク
471	マルゴルの大波	エルンスト・ヴルチェク
472	人形惑星	ハンス・クナイフェル＆ウィリアム・フォルツ
473	ノラン・ハンター	クルト・マール＆クルト・マール
474	マタツェマ計画	H・G・フランシス
475	獣の支配者	マリアンネ・シドウ＆H・G・エーヴェルス
476	オリンプ絶体絶命！	H・G・エーヴェルス＆ウィリアム・フォルツ
477	幻影狩り	エルンスト・ヴルチェク
478	グッキーの狼藉	クラーク・ダールトン＆ハンス・クナイフェル
479	雷の従者	クルト・マール

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		Ver. 3.01

管理番号：R400-470	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 470巻					出版社：早川書房
書名：暗黒星雲誕生	ハヤカワ文庫SF1952　ウ1-470　早川文庫7350					ISBN978-4-15-011952-2 C0197

939 ラキクラスの謎		Das Ratsel von Lakikrath				エルンスト・ヴルチェク			1979/8/21	翻訳：青山茜
940 暗黒星雲誕生		Geburt einer Dunkelwolke							1979/8/28

		価格：620Yen	ページ数：288P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/4/15		購入：2014/4/10	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　939 ラキクラスの謎
　衛星テクへターのロナルド・テケナーとジェニファー・ティロンのデコボコ夫婦から。
　なぜデコボコかといいますと、片方が活躍するときには必ずもう片方はマヌケキャラになるから。たいていは、高い知性の持ち主であるジェニファーがお馬鹿キャラになるのですが。
　さて舞台は変わってプロヴコン・ファウストの、惑星ガイア。ボイト・マルゴルはここに本拠をかまえ、勢力を拡大しつつあります。お得意の“プシ親近感”を使えば、どんな相手でも忠実な精神奴隷にしてしまう能力は健在。かつては不倶戴天の敵同士であった二人のラール人、ロクティン＝パルとホトレノル＝タアクでさえ、パラテンダーとなると盟友となってしまう。
　しかしこの二人が、マルゴルの寵愛を争って互いに相手を蹴落とし始めるとなると、「友」っていったい何だろうと考えさせられますな(笑)。
　しかし、精神的におかしくなっているボイト・マルゴルの身を気遣ったホトレノル=タアクが、マルゴルの命に背いて先回りしすぎてしまったことで、二人の力関係のバランスが崩れます。

　後半、男性女性が交互に入れ替わるツォッターの文化を探るテケナーとジェニファーの、男女同権についての議論がなんか可笑しい。

　　940 暗黒星雲誕生
　ロナルド・テケナーが巻き込まれた世界はプロヴコン・ファウスト。正確には、星間物質のカバーにおおわれる前の、22の恒星が一団を為すだけの、アレグロ・ポイントの星団。ガイア、ラキクラス、ツォッターといった名称がまだなく、ギーヴォン、ソブスカン、レアンダーなどと呼ばれていた遙かな昔。
　そこでは、22の恒星はアルラ・マンドラとして一大王国を築いていました。レアンダーと呼ばれる人類は、宇宙船ではなくかたちのない橋を目に見えない編み目のようにはりめぐらして、互いに時間のロスなく行き来していたのでした。
　そこに現れた、ペトロニアー、銀河の技術屋と名乗る蛮族の一団。彼らはレアンダーたちに対して、外敵から身を守るには強大な宇宙艦隊がなくてはいけないと説得します。
　このレアンダーたちが、のちの時代に先ツォッターと呼ばれた種族。彼らは、テケナーとジェニファーに、遠い昔に起きたカタストロフィがいかにしてこの世界を暗黒星雲とした星間物質を満たしたのか、ヴィンクラン人をはどんな存在だったのかを伝えます。
　ボイト・マルゴルの出生の秘密、三人のガイア・ミュータントの秘密までも。
　いささか後付けのような気もするが、最初からの伏線があったのだとしたらすごい。ここまで引っ張って、さらにこんな謎を開いてくれるとは。これはすごい。

　あとがきにかえて　は、青山茜さん。
　2月23日に行われた、「第30回国技館5000人の第九コンサート」のこと。ほう。　　（2014/10/16）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-471	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 471巻					出版社：早川書房
書名:：マルゴルの大波	ハヤカワ文庫SF1953　ウ1-471　早川文庫7351					ISBN978-4-15-011953-9　 C0197

941 パラテンダーの協定		Pakt der Paratender				エルンスト・ヴルチェク			1979/9/4	翻訳：赤坂桃子
942 マルゴルの大波		Der Margor-Schwarr							1979/9/11

		価格：620Yen	ページ数：288P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/4/25		購入：2014/4/26	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　941 パラテンダーの協定
　ボイト・マルゴルの挙動がおかしいと確信するホトレノル＝タアクは、忠実なパラテンダーとしてマルゴルを助けようとしています。マルゴルの父ハルツェル・コルドと同じ道を歩ませてはならない、と考えた彼は、マルゴルの命令を破って九千人のテンペスターをイオタ＝テンペストに運び、それによってパラプラズマ球体の放射から救ったのでしたが、それが彼の立場を悪くすることに。
　しかしマルゴルは、いまや超越知性体として〝それ〟の存在に匹敵するまで発達することを期待するほどになり、自信をなお深めています。そのために何をしたいのか。

　しかし、ホトレノル＝タアクがロナルド・テケナーと、条件付きながら手を握るとは思わなかったなぁ。

　　942 マルゴルの大波
　サイコドを使ってかつての力を取り戻し、権力を手に入れたいと考えるボイト・マルゴル。三人のガイア・ミュータントがついに自分に屈したことで、その意志はますます強くなるばかり。
　男女の性が変化し、女性の時に知性を発揮するツォッターの力で、その権力を高める事ができるのか。
　すべてを手に入れたと確信したボイト・マルゴルの前では、もはやホトレノル＝タアクもロナルド・テケナー夫妻もなんの力もない。
　肉体を飛びだしたマルゴルは、サイコドと共に．．．　波になった？

　さて、ここでボイト・マルゴルは舞台から去ります。最初のころのオーヴァヘッドの再来みたいな展開とはずいぶん変わったね。
　エルンスト・ヴルチェクが４作連続でこの独裁者の終幕をまとめました。

　あとがきにかえて　は、赤坂桃子さん。
　これでローダン翻訳チームから離れるとのこと。また一人、去って行くのですね。残念。
　しかし、赤坂さんがアラカン（還暦前後世代）だとは、知らなかったな。でも考えてみれば、
　　　　　　　　いや、なんでもありません！ｗ　（2014/10/28）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-472	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 472巻					出版社：早川書房
書名：人形惑星	ハヤカワ文庫SF1957　ウ1-472　早川文庫7366					ISBN978-4-15-011957-7　 C0197

943 キブスーン効果		Der Kybsoon-Effekt					ハンス・クナイフェル		1979/9/18	翻訳：増田久美子
944 人形の惑星		Planet der Puppen				ウィリアム・フォルツ			1979/9/25

		価格：620Yen	ページ数：272P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/5/15		購入：2014/5/15	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　943 キブスーン効果
　キブスーン症候群という謎の疾病が＜バジス＞を襲います。乗員の25パーセントがこれに冒されている状態。なぜか＜ソル＞から来た者は何ともないようなのですが。
　この病気は、こういうもの。

　“キブスーン症候群、またの名をキブスーン・アレルギーは、恒星間航行がはじまってのち、知られるようになった。宇宙船内で長期間にわたって任務につくと、発症する。惑星に着陸する機会がなく、発症の原因となる環境が変化しないからである。
　細胞が爆発的に、猛烈な速度で分裂していくため、非常な痛みをともなう。だが、とりたてて生命に危険をおよぼすものではない。だからといって、気休めにはならないが。罹患した宙航士のだれもが自身のからだでいやというほど実感しているように、聴覚が異常に過敏になる。中耳神経とその先の神経伝達物質が刺激され、知っての通り、特異で頑固な痛みが脳内に生じるのだ”　（P11-12)

　あわてて最寄りの星系に着陸することとなります。星系がケア、惑星がクリニックと名付けられたのは、ユーモアか皮肉か。
　この惑星上で、ついにロワ・ダントンになびくことに決めたデメテルがいきなりロワにブラスターを向け、問答無用で真っ赤なビームを浴びせます。一体彼女に何があったのか。
　ちなみに、ふられてしまったペイン・ハミラーとハイタワス・ボールの二人ですが、きっぱりと彼女をあきらめる．．．とは思えない。(笑)

　　944 人形の惑星
　今度はアラスカ・シェーデレーアとガネルク=カリブソの道中。
　物質の泉を通過してコスモクラートとコンタクトするためには、七つの鍵が必要です。残る「鍵」を見つけられるのか。
　しかし、とうに死に絶えてしまったはずの人形が不安の種だという時間超越者ガネルクの言葉に、アラスカは違和感を覚えます。ガネルクの案内で人形が生き残っている惑星に現れた二人、いったいどうなるのか。
　顔をおおうカピンの断片はガネルクに対する武器となるのか、アラスカに害をなすのか。ガネルクがまとう殲滅スーツが消滅したのち、なにが起きたのか。
　強者ムルコン、ロルヴォルク、アリオルク、バルディオク、パルトクは死に、ケモアウクだけはまだ生きているはず。かつての強者ガネルクは、鍵を求めて何をするのか。アラスカ・シェーデレーアをどうするつもりなのか。

　「わたしは預言者ではないが、きみの種族の誰かが、泉の彼岸に到達できるような気がする。ただ、それはひとえに、コスモクラートの利になる重要な任務を遂行するためかもしれない」　　（P254）

　鍵を手にしたアラスカにこんな言葉を残し、ガネルクは消えていく。どこへ。
　※ このばあい、神の言葉を預かって伝える「預言者」ではなく、未来を見る「予言者」の方が正しいと思うんだけど？

　あとがきにかえて　は、増田久美子さん。
　運転免許を持っていないのに、車で袋小路に入り込んで身動きが取れなくなる悪夢をみたかつての話。それから、赤いオープンカーを買った話。
　夢の中のような挿話でした。ほう。　　（2014/11/18）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-473	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 473巻					出版社：早川書房
書名：ノラン・ハンター	ハヤカワ文庫SF1958　ウ1-473　早川文庫7367					ISBN978-4-15-011958-4　 C0197

945 ノラン・ハンター		Die Energiejäger				クルト・マール			1979/10/2	翻訳：林啓子
946 六つめの鍵		Der sechste Schlüssel							1979/10/9

		価格：620Yen	ページ数：272P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/5/25		購入：2014/6/11	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　945 ノラン・ハンター
　ヴァルガルテ（Vargarten）とは、身長2メートルほどの知的生物です。手足の数は一定せず、最大8本の手あるいは足を形成することができる柔軟な体をもっています。
　この種族の一人、若いオンゲルスケン Ongelsken は、彼を「腹心の友」と呼ぶ裕福な実業家ツワディヴァル Zwadivar の示唆に従い、星系内の内惑星軌道上の“漁区”で、歴史に残るノラン狩りをする機会を得ます。ノランとは、宇宙空間に漂うエネルギー構造体。全長が数百メートルほどの縦長で柔軟なその体には、反物質が貯えられ、プラズマあるいはニューガスの構造の外側をハイパーフォーム・エネルギーで覆われているらしい。
　これをヴァルガルテの人々はエネルギー源とするのですが、その狩りには危険が伴い、また捕獲すれば名誉と高収入が得られるのでした。

　＜バジス＞との合流を待つアラスカ・シェーデレーアは、この狩りと、それに伴うカタストロフィの場面に立ち合うことになります。

　　946 六つめの鍵
　お話としては繋がっているのですが、こちらのエピソードはアラスカ・シェーデレーアの一人称。
　ヴァルガルテのノラン狩りの中で、このエネルギー・クジラの起こすエネルギー嵐のためにアラスカの観測するバルディオクの城が奇妙な冷光に包まれて困惑しています。待ち合わせている＜バジス＞がなかなか到着せず、いらいらと待つアラスカ。
　まさか＜バジス＞が奇妙な疾病で道草を食っているとも知らず、城への侵入を始めます。
　この城を次々と破壊している解体屋や、かれらを操るコスモクラートに対抗するためには、一刻も早く「鍵」を見つけなければならない。＜バジス＞が来ないならば、それまでになんとかならないかと考えるアラスカ。しかし、

　かつて、合計七つの鍵を強者がそれぞれ所有していた。鍵がなんのために役だったのか、今ではだれも知らない。パンカ＝スクリンや、いまや＜バジス＞の乗員となった隻眼のロボット、ライレでさえ。　　（P163）

　こんな状況でも、ともかく目の前にバルディオクの城があるのだから、さがさなくてはならない。
　ヴァルガルテの一団と出会い、若いオンゲルスケンと意気投合したアラスカ・シェーデレーア、彼らと友にノラン狩りをした上に、なんと＜バジス＞が現れる前に鍵を二つ手に入れてしまったのでした。
　おやまあ。

　あとがきにかえて　は、林啓子さん
　まず、「どこでもドアをゲットしたよ！」の話は、秘書という特殊な仕事の林さんでも、特殊な条件下でなら在宅勤務ができるようになったということ。
　ネットで仕事ができる職種の方々ならそうでしょうけどね．．．　自分の中の人の場合は、メールやCAD画面やエクセルだけで仕事ができる時ならともかく、実際にものを見て確認し、整理梱包して、なんていう仕事にはそんなこたぁ夢でも無理。第一中国、東南アジアの製品をノーチェックで出荷なんてできない。こういう仕事に、在宅勤務は無理ですぜ。(笑)
　もう一つは、夢の話。
　姪御さんの百合さんは、“どこでもピアノ”を発明して、日頃はペンダント状のマイ・ピアノを演奏会で原寸に戻して演奏できるようにしたいのだそうな。それでノーベル賞を取ったら、そのときは林さんを通訳にしてスウェーデンまで連れて行ってくれるんだそうな。

　夢は、かぎりなく大きいほうがいい。　　（P267)

　そのとおり！ (,⌒-⌒) ﾉｼ　　（2014/12/5）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-474	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 474巻					出版社：早川書房
書名：マタツェマ計画	ハヤカワ文庫SF1962　ウ1-474　早川文庫7381					ISBN978-4-15-011962-1　 C0197

947 マタツェマ計画		Der Matazema-Plan				H・G・フランシス			1979/10/16	翻訳：渡辺広佐
948 神々の居所		Wohnsitz der Götter							1979/10/23

		価格：620Yen	ページ数：272P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/6/15		購入：2014/6/6	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　947 マタツェマ計画
　青いマタ星系の惑星マタツェマ。知的生命体の一種族が、いずれ訪れるであろう神の伝説を信じて生活している氷の世界です。
　ここに、＜バジス＞から先行して強者ケモアウクの城を破壊しようとするジャグルと、強者が持つ最後の鍵を求めて急行する＜バジス＞がむかう。その途上、なぜかイホ・トロトが精神に異常を来して暴れ回ります。どうやら、何らかの外的要因でイホのメタポリズムが狂ったらしい。細胞活性装置ですら、その異常を修正するどころかかえって悪化させます。この原因は何か。
　マタツェマの橇案内人クナツェは、伝説のテッポンが現れたことを知り、テッポン・クレバスにむかいます。そこで見たのは、神々に違いない四人の異人。

　　948 神々の居所
　ローダンと名乗る異人は神なのか。わからぬままクナツェは聖地に向かいます。四人の異人は、この世界の住民とはまったく異なる身体を持つ奇妙な人々で、神であろうとクナツェは信じていますが、はたしてそうなのか。その「聖地」にあったものはなんなのか。
　＜バジス＞では、イホ・トロトだけでなく、PEWブロックの中にいる旧ミュータントたちも異常な状態になっています。（お久しぶりね♪）
　青色恒星の星系から何かが発生して、それが影響をあたえたもの、と考えた船長ジェット・カンタルは、回復したイホ・トロトとグッキーらを軽巡洋艦で、すでにローダンらが先行しているその星系に送りこみます。そこで彼らが見たものは。
　七つ目の鍵は、手に入るのか。

　あとがきにかえて　は、渡辺広佐さん。
　一ページだけ。道後温泉の近くで古書店を開いた小学校時代の級友の話と、温泉にあったという子規の句。
　　　十年の汗を道後の温泉（ゆ）に洗へ
　ほう。　　（2015/1/16）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-475	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 475巻					出版社：早川書房
書名：獣の支配者	ハヤカワ文庫SF1963　ウ1-475　早川文庫7382					ISBN978-4-15-011963-8　 C0197

949 獣の支配者		Beherrscher der Tiere					マリアンネ・シドウ		1979/10/30	翻訳：嶋田洋一
950 テストケース、オリンプ		Testfall Olymp				H・G・エーヴェルス			1979/11/6

		価格：620Yen	ページ数：272P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/6/25		購入：2014/6/28	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　949 獣の支配者
　次々に現れるにせフィリバスターたちに辟易するジュリアン・ティフラーから始まります。GAVÖKの罠によって“最後の宙賊”と名乗るフィリバスターたちを一網打尽にしようとしたのですが、最重要人物を含む七人に逃げられたことが発端なのですが、その七人を追っていくうちにそいつらが何人も現れたのです。明らかにドッペルゲンガーなのですが、本物がどれかわからない。
　しかもそいつら、オービターと名乗り、太陽系の人類をガルベシュ人と呼んでこの世界から排除しようとしているのでした。しかも、圧倒的な戦力をもっています。人類の危機か。
　ここで、ティフラーはテケナーとロナルド・テケナーとジェニファー・ティロンのデコボコ夫婦を呼び出し、この事態を記憶している、あるいは記録を持っているかもしれないアルコンの老学者を捜し、オービターの情報を得るように命じます。
　何しろネーサンも含めて地球にはまったくこのオービターの記録がない。藁でもつかむ気持ちなのですが、それにしてもいい加減すぎないか？　いやいや、これがマリアンネさんのペンタッチ。

　　950 テストケース、オリンプ
　オービターに捕らわれた「本物」のフィリバスター七人にとって、このにせフィリバスター、いやオービター騒動は困ったもの。
　どうやら奴らオービターは、レムール人の末裔つまり銀河系のヒューマノイド種族のほとんどを、古代にこの銀河系を襲撃したガルベシュ人と決めつけ、排除あるいは絶滅させようと固く決心しているらしい。なんと説明しても理解する気はないときたもの。
　フィリバスターたちは、これはLFTやGAVÖKに警告しないといかんと考え、なんとかして脱出すると、大混乱の銀河系の中でなんとかして中継ステーションの一つに連絡を取る。しかし、

　「・・・全員そろっている。七人全員、フィリバスターの生きのこりだ。自首するために連絡した」
　画面の男はため息をついた。
　「安っぽいコメディはもうたくさんだ、エプサル人。テラの最新ニュースが流れたあと、LFTが逮捕したブラシュ・トッボンは、きみで二十人めだぞ」　　（P161-162）

　あらま。
　さあ、オービターに狙われた銀河系の通商の拠点オリンプの運命はいかに。

　あとがきにかえて　は、嶋田洋一さん。
　創元SF文庫から刊行された嶋田さん翻訳の「ブラインドサイト」の著者ピーター・ワッツ氏が2014年4月に来日したこと。そしてそのさなかに、なんと締切を間違えてしまったこと。かくしてSFコンヴェンション「はるこん」に参加したのですが、とりあえず締切を延ばしてもらってから、「はるこん」に参加しつつ一刻の時間も惜しんでノートPCで仕事をしたのだそうな。うーむ、教訓のネタがありそうな。
　それと、フィリバスターの語源について。原文は「Flibustier」で、16ｃから18ｃにカリブ海を荒らし回った海賊を意味するフランス語なのだそうな。英語のbuccaneer(バッカニア)に相当するもので、海賊以外に、議事妨害のために長い演説をする議員の意味もあるんだそうな。ほう。　　（2015/1/19）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-476	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 476巻					出版社：早川書房
書名：オリンプ絶体絶命！	ハヤカワ文庫SF1965　ウ1-476　早川文庫7394					ISBN978-4-15-011965-2　 C0197

951 オリンプ絶体絶命！		Ultimatum der Orbiter					H・G・エーヴェルス		1979/11/13	翻訳：嶋田洋一
952 リング世界の洞窟		Die Höhlen der Ringwelt				ウィリアム・フォルツ			1979/11/20

		価格：620Yen	ページ数：256P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/7/15		購入：2014/7/11	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　951 オリンプ絶体絶命！
　オービターたちに捕らえられたフィリバスターの七人。惑星オリンプで、さらに脱出を考えます。しかし、オリンプは一万隻以上の楔形オービター船で包囲された状態。オリンプでいったい誰に救いを求めればいいのか。さらにGAVÖKから派遣されたラール人ホトレノル=タアクとプヨン・“サボテン”・アルザチェナも、＜ヴァロー・ヴェンチケ＞でオリンプに接近しますがなかなか潜入できない。
　オリンプの評議員であるヌルム・ダゴレウ侯は、オリンプの最高位の地位の一つにあるようですが、皇帝アンソン・アーガイリスの正体を知らないのかな？そのうえ、今までまったく知られていなかった(笑)いざという時のための地下迷宮と秘密要塞の入り方がわからない。ほう。
　で、アンソン・アーガイリスの中のヒトであるヴァリオ・ロボットは、オービターたちから逃走してきた本物のフィリバスター七人組の前に現れ、自分は皇帝アーガイリスだという極秘事項をしれっとして告げ、自分の伝言をもってオービターのところへ戻るように命じます。

　「伝言はこうだ。“テラナーはガルベシュ人ではない・・・オービターの最後通牒は、なんの結果ももたらさないだろう”」　　（P114）

　無駄だと思うんだが．．．

　　952 リング世界の洞窟
　忘れられた考古学者マルコン・サルダーの探索行です。
　ガルベシュ、ハープーンのアルマダン、裂けた恒星をめぐる惑星、というオービターがもらしたキーワードを調査し、なぜ彼らが銀河系の人々をこの世界に不法に侵入してきたガルベシュ人と誤解しているのか、緊急に解明しなくてはならない。サルダーも、その波に乗って宇宙船をチャーターして飛び立ったのでした。
　そもそもが異端なアマチュア学者として、銀河系の古代文明とか、正義と秩序を守る謎の監視組織「深淵の騎士」などの研究をしていたのですが、否定されて嘲笑されたその理論を捨てたわけではない。この調査行は自分の理論を証明しようという試みでもある。
　この無茶な調査飛行で、なんとサルダーは、自分が.探し求めてきた「深淵の騎士」と、「ガルベシュ人の骸骨」を発見してしまうのですが．．．　その結果はどうなるのか。
　最後は、官僚的なガードを嫌い、現場からの有望な情報を握り潰そうとする若い役人を叱責するジュリアン・ティフラー。

　「聞くんだ、若い友よ」と、冷たい声で説明した。「わたしが勤勉な男女にかこまれていることはわかる。わたしのためを思って、できるかぎり職務を代行してくれることはわかる。おかげでわたしは、書類にサインするくらいしか仕事がないほどだ」
　「ですが、あの男はどう考えても・・・」
　　　・・・
　「行け！　一時間以内にサルダーがわたしの前に立っていなかったら、きみをドラム缶につめて冥王星軌道に射出する！」（P254）

　いいねぇ。

　あとがきにかえて　は、嶋田洋一さん。
　一ページだけ。Win8.1搭載のタブレット端末を購入したとのこと。
　アップルとどうも相性が悪いらしいところが、なんか気に入りました。鐵太郎もどうもあそことは相性が悪い。(笑)　　（2015/2/10）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-477	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 477巻					出版社：早川書房
書名：幻影狩り	ハヤカワ文庫SF1966　ウ1-477　早川文庫7395					ISBN978-4-15-011966-9　 C0197

953 レーザー・マン		Der Laser-Mann				エルンスト・ヴルチェク			1979/11/27	翻訳：青山茜
954 幽霊狩り		Die Phantom-Jagd							1979/12/4

		価格：620Yen	ページ数：288P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/7/25		購入：2014/7/29	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　953 レーザー・マン
　皇帝アンソン・アーガイリスの「中の人」であるヴァリオ＝500と、レーザー・マンとして現れたホログラムのお話。ホログラムといっても、光学的な立体像のことではなく自由に変身できる人工生命体で、ヴァリオ=500の部下です。あるいは、パートナーというべきか。

　深淵の騎士のひとりであった〝ハープーンのアルマダン〟が、120万年前にガルベシュ軍団と銀河系で戦ったのだそうな。この深淵の騎士とは、オービターたちを補助者とする宇宙の正義と秩序を守る監視団で、歴史のどこかで消えてしまったらしい。マルコン・サルダーがなぜか発見できたのが、これ。
　宇宙震はオービターが現れた原因というより、ガルベシュ軍団の登場の警報としてオービターに受け止められ、その結果、深淵の騎士の指令がないままで、間違った警報とも思わずオービターが勝手に監視・正義の維持活動を起こしたらしい。しかもオービターは、まず敵の姿に同化せよという命令を受けており、目の前の「ガルベシュ人」を捕らえて複製を作ったのですが、それがなんと銀河の無法者フィリバスター七人組だったのでした。
　であるから、サルダーたちが決死の覚悟で持って帰った「ガルベシュ人の骸骨」は、今となってはまったく意味がない。自分たちがガルベシュ人などではないといくら訴えても、オービターは納得しない。

　オービターは惑星オリンプからヴェガ星系の惑星フェロンにも支配の手を伸ばします。おお、懐かしのフェロン。ローダンが初めて別な星系に足を伸ばしたとき、当時のテラよりちょっと進んだ科学技術力を持ち、アルコンの技術にただ乗りしたローダンらにあっさりと屈服したのですが、いつの間にか銀河系の超文明種族の中でいっちょまえの地位を占めているらしい。
　さて、このフェロンに潜入しようとするヴァリオ=500とロバート・ルイス・スティーヴンソンというペルソナをまとったホログラム製ロボット、どうやってオービターの支配下で活動するのか。

　　954 幽霊狩り
　出だし、ジュリアン・ティフラーのオービター対策をけんか腰で批判する将校と、これを丁寧にあしらうティフラー。ローダンがいないあいだに、いつの間にか政治家としての風格を備えていますな。

　ロバート・ルイス・スティーヴンソンという人格となったスーパーホログラム・ロボットの人格が分裂し、暴走していきます。もう一つの人格は、チェルダという女性。この関係が、というかこの関係の悪化が、やがて何をもたらすか。
　ヴォリオ=500による惑星オリンプでの工作活動は、再びオービターの元に戻ったフィリバスターたちを巻き込んで進行していきます。キーになるのは、チェルダが発する信号“ツシタラ”。
　やがて明かされる謎は、いったいなんだったのか。深淵の騎士ハープーンのアルマダンの遺品とはなにか。闇に潜む幽霊の正体はなにか。そして、多重人格化していよいよ暴走していくホログラム・ロボットはどうなるのか。
　終幕は、フィリバスターたちと自由テラナー連盟首席テラナーであるジュリアン・ティフラーとの和解。

　「これでわたしを信じてくれますか、首席テラナー？」　　（P283)

　ふむ、なかなか。

　あとがきにかえて　は、青山茜さん。
　「ツシタラ」という言葉について、スティーヴンソンのサモア諸島での異名であることと、それを中島敦さんの「山月記」から解説していきます。あの短編は鐵太郎的にはあまり気に入らなかったけど、それはそれ。
　自分の読書歴の先見の明にびっくり。(笑)　　（2015/2/11）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-478	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 478巻					出版社：早川書房
書名：グッキーの狼藉	ハヤカワ文庫SF1969　ウ1-478　早川文庫7407					ISBN978-4-15-011969-0　 C0197

955 グッキーの狼藉		Das Rätsel der Barriere				クラーク・ダールトン			1979/12/11	翻訳：青山茜
956 夢の無人地帯		Niemandsland der Träume				ハンス・クナイフェル			1979/12/18

		価格：620Yen	ページ数：288P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/8/15		購入：2014/8/8	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　955 グッキーの狼藉
　物質の泉を探索してエランテルノーレ銀河をさまよう宇宙船＜バジス＞が、不思議な動きを見せます。原因不明で、いきなり進路がわずかに変動するのです。まっすぐ進んでいるはずが、瞬間的にわずかに振れます。特定の時間間隔を置いて、ふっと。
　この原因をジェット・カンタルは、宇宙空間にまったく探知できない何らかの物体があり、その周囲を取り巻く何かの球状物体の外壁に沿って船が滑るのだと。

　＜バジス＞にはなぜか農業設備がないらしく、合成のニンジンジュースにうんざりしていたグッキーはなぜかこっそりとニンジンの種を持ち込み、自分のキャビンの中で育てていたのでした。なぜ、「なぜか」と書くかというと、このような巨大な宇宙船で水耕栽培の設備もなく自分で植物をこっそり育てねばならない理由がまったくわからないから。他意は（あんまり）ありません。閑話休題。
　乗員のほとんどが嫌っていたという貯蔵されたニンジンジュースを飲んでいたグッキーが、なぜか奇妙な行動を取り始めます。ここで不思議な描写。グッキーは新鮮天然のニンジンを食べたのではなく、あきらかに貯蔵されたまずいニンジンジュースを飲んでいるはず。ところが、後半ではおかしなことになります。
　まずいといいながら、しかしこれは美味しいと矛盾したことを言ってがぶがぶジュースを飲むグッキーは、テレポーテーション能力をつかって船内のあちこちにいたずらして廻り、美女たちをからかう。あきらかに、酩酊状態。アルコールを飲んでいるわけではないのに。

　「プロレタリアの髭にかけて！」

　というこのエピソード限定の掛け声は、ブリーが今回はやしている髭に関係あるらしいのだけど、みんなが使い出すとよくわからん。

　酔っ払ったグッキーは誰の命令も聞かず、ついに＜バジス＞が接触しているらしい謎の物体の方角にテレポートしてしまいます。こうなると、まったくその所在がわからない。話ができず、帰還命令も出せない。
　これを救わんと、ローダンは一つの決断をします。＜バジス＞に乗船している一万二千の乗員が心を一つにしてグッキーを心の声で呼ぼう、と。ドラゴンボールか、これは、と思ったのは秘密。ちなみに鐵太郎はあのマンガは好かんのでよく知らない。(笑)

　酔っ払ったグッキーは、バリアのむこうの惑星にテレポートしたあと何度か＜バジス＞に戻り、ローダン、アトラン、そしてデメテルを勝手につれて行ってしまったのです。しかもそのあと、ひどい二日酔いの中でもう二度とあの変な飲み物を飲んで酔っ払うものかと固く決心してしまう。素面のグッキーでは、あのバリアは破れない、らしい。
　となると、ローダンらを助ける方法がない。ブリーらはあの手この手でグッキーにこの怪しげな飲み物を飲ませて酔っ払わせようとします。このエピソードは、なんともはや奇妙な笑劇としかいいようがない。

　　956 夢の無人地帯
　謎の惑星に取り残されたローダン、アトラン、デメテル。大気は呼吸ができるが、この環境は異常。重力は0.5G以下から不定期に1.5G以上に変動し、暴風雨が吹き荒れ、三人は生き残ろうとして互いを殺し合おうとする。どういう事なのか。
　自分たちが見ているものが現実なのか幻影なのか、あるいはその融合なのかもわからない。なんとういうこと。

　軽巡＜エランテ＞では、グッキーをシートに縛り付けてむりやり酒を飲まそうとする一団。むろん、レジナルド・ブルをはじめとする＜バジス＞の乗員たち。酩酊しているグッキーでなければ、バリアのむこうのローダンたちを救い出せないから。
　ようやくバリアを抜けたものの、その先の星系のどの惑星にローダンらがいるのか、わからない。巨大な第五惑星が怪しいが、そこでどうやってローダンらを捜索すればいいのか。
　この笑劇は、まだまだ続きます。困ったことに。

　あとがきにかえて　は、青山茜さん。
　このあとがきでネタにした、松谷健二さんが翻訳した『彼らは来た──ノルマンディー上陸作戦』が気になったので、彼らは来た（パウル・カレル）を買ったのです、実は。だから、買った順番はあちらの方が遅いのですが、バルバロッサ作戦 を含め記事にしたのはむこうが先でした。
　こんな事もあるんですよ。やっと追いついたね。(笑)　　（2015/2/20）

		Ver. 3.01

管理番号：R400-479	10R 宇宙英雄ペリー・ローダン 479巻					出版社：早川書房
書名：雷の従者	ハヤカワ文庫SF1970　ウ1-479　早川文庫7408					ISBN978-4-15-011970-6　 C0197

957 夢幻惑星		Der Traumplanet				クルト・マール			1979/12/25	翻訳：嶋田洋一
958 雷の従者		Die Gruft des Beschützers							1980/1/1

		価格：620Yen	ページ数：256P				本のサイズ：文庫
初版発行：2014/8/25		購入：2014/8/22	表紙イラスト：工藤稜（くどう・りょう）

　　957 夢幻惑星
　謎の惑星は「グッキーの宿屋」と名付けられます。この星系の主星である巨大黄色恒星はドリンクと。すると住民はウェイターだな、とグッキー。
　そのウェイターたちが、どうやら＜バジス＞に搭載されていたコルヴェットK=B=131固有名＜エランテ＞を破壊して片付けてしまったらしい。こうなると、惑星上のグッキーと、グッキーを探しに来たローダンらの一行は、帰艦方法が亡くなってしまいます。さあ、困った。

　ここで語られるのが、この惑星の歴史。原始的な知性体だったヴァルギ人が、この惑星を統べる雷神の代弁者である雷の従者の指導の下に暮らしていた時代から始まるもの。雷神への信仰を残したままで、じっくりと進化していく彼らの文明。
　そして、今。宇宙震撼者と雷の従者との出会い。

　この進化に強者ケモアウクが関係していたのか、と考えたのはグッキー。
　しかしいくら彼でも、この惑星に泉のマスターを探索しているバーネット＝クプの＜ドロゲルコンド＞が着陸していたとは、夢にも思っていなかったのでした。
　このルーワーとシガ星人たちとヘルク、つまり泉のマスターに奉仕するロボットであるニストルらは、乗船しているテラナーの少女バヤ・ゲレルともども、この惑星に捕らわれます。

　　958 雷の従者
　惑星グッキーの宿屋は、頻繁に重力以上や地震が多発しています。この謎を解くためにやっと戻ってきたテレポーテーション能力を駆使してグッキーが調査したところによると、この惑星の地下には巨大な空洞があり、そこに奇妙なマシンがあることがわかりました。
　＜エランテ＞の乗員たちがしばしば夢に襲われたり昏睡状態になったりするのも、このマシンのせいか。
　昏睡状態のまま、彼らが送りこまれた巨大なホールは、その地か空洞の一つらしい。ローダンはこの世界の探索とマシンの解明をするため、四つの班を編制します。

　この一団とはべつに、この惑星にはルーワー、シガ星人らの一団がいます。そしてこの星に生息するヴァルギ人たちも。
　行方不明だったグッキーらも含め、みなが顔をそろえたとき、何が起きたのか。バヤ・ゲレルの姿も。
　そして発見された第七の補完鍵。ついに、すべてがローダンの手に。
　ふむ、お話はこう繋がったのか

　あとがきにかえて　は、嶋田洋一さん。
　惑星〝グッキーの宿屋〟の住民を、なぜグッキーは〝ウェイター〟と名付けたのか、について。
　つまりこの単語は、〝Guckeys Inn〟なんだよね、と。一階が食堂兼酒場で、二階が客室になっているヨーロッパによくある宿泊施設だから、住民は何の断りもなくウェイターになるんだそうな。ふむ、なるほどね。　　（2015/3/7）

　宇宙英雄ローダン　470～479　